作品解説 キングゴジュラス野生体捕獲作戦

HP更新しました。
先日、ブログで掲載しましたSSをHPに編入しました。

キングゴジュラス野生体捕獲作戦
こちら

という事で本作について、改めてあれこれ。
途中の解説でも書きましたが、自分としてはかなり異質なテーマで書いています。

私がメカ生体ゾイドに入った頃、世界観は激しいバトルと人間ドラマでした。
その頃というのは、ゾイド=生物であるという認識は極めて薄くありました。
バトスト3巻の「兵士の命はどんなゾイドよりも重いのだ」というヘリックの言葉はけっこう象徴的なものがあると思います。
そこに絆などというものは希薄で、「純然とした兵器である」という扱いでありました。
あと、これはバトストなどには未収録なんですが、同時期に小三で掲載されていた「ゾイドバトルコミック フランツ編」に興味深いシーンがあります。
ここで整備兵を交えつつ「量産タイプのゾイドなどみんな一緒だ」っていう台詞があったりして。
この当時は、かなりこんなもんであります。

今、様々な資料を集めてみて、メカ生体ゾイドは極初期の頃は生物であるというアピールが比較的強く、しかしバトストが本格的に始まった頃から兵器的な描写が増えていると感じます。
ただ暗黒編以降はクルーガーの各愛機に見られるように生物であるという面が再度強調されるようになっていますが。
そして機獣新世紀以降は、生物であるというアピールが格段に上昇しているのは周知のとおり。

あくまで兵器的な扱いであるゾイド。
それが激しい「戦争」という緊迫した世界観を盛り上げたという面はあるし、その世代である自分としてはそういった運用が好きな所も大きいです。
戦争において悠長に絆やなんや言うのは可能なのか?甘っちょろくないのか?そういう風に思う部分もあるにはあります。

・・・ちょっと余談ですが、思うに、機獣新世紀ゾイドの頃にあった派閥や対立というのは、この辺の「扱い」というか「捉え方」というか…、「ゾイドの定義」が原因だった面もあるとは思います。
まぁ、それはいずれ詳しく・・・。

ただそんな風に兵器的な運用・描写を好む(その上でほんの少し押しつけがましくない程度で生物的な面があればいいと思っているような)私が、あえてゾイド=生物であるという面を全面的に押し出して書いてみたいと思って着工した作品であります。
「生物として」というより、むしろもう神格化している面すらありますね。

何でこんな風な事をしたかというと、まぁやっぱり自分の中の世界というのは大事なんですが、しかし現状で満足するのではなくもっと膨らませたい。
膨らませる為には他のものに触れるのも良いだろうという事であります。
普段では触れない異質なものをあえて取り入れてみる事で何か新しい発見があるかもしれないし、もしかすると自分の考えが変わる事があるかもしれない。
そういう事には常に挑戦したいと思っています。

で、まあ書いてみて自分の中で今後取り入れたい部分は色々と出てきた。そんな作品にはなってくれました。
どうも抽象的なあとがきですみません。


具体的な部分のモチーフなど。

キングゴジュラスについて。
今作ではゴジュラスの特殊個体としています。
戦争による生態系の壊滅的破壊。そしてそれゆえに生まれた生命。
最強ゾイド、ワンオフ機。であるならばそれなりのものを背負わせたかった。
意思を持ち疎通させる事が出来ますが、風の谷のナウシカの王蟲の描写を参考にしています。

あと、メカ生体世代的にはやっぱりゴジュラスというのが別格なゾイドなわけで、ゆえにゴジュラスの特殊個体=特殊個体ではあるが同じ種である としました。

リバセンの描写にあるようなグローバリーIIIのテクノロジーを使って作られた強い機体ではなく、あくまで「野生体として強い」というものとして捉えて描いています。
これは、この時期の技術・・・例えばキメラであったり合体であったり・・・そういった忌むべきテクノロジーの対極として、「昔ながらの心を通わせるゾイドたるキングゴジュラス」がある。
アンチテーゼな存在として捉えているからであります。

キングゴジュラスは無敵ではない。
至近距離からビームスマッシャーを受ければ装甲はさすがに耐えられない。暗黒大陸本土では、さすがに強力な暗黒軍相手に苦戦します。
それでも彼は満身創痍になりながら戦う。その信念の為に。
という感じ。
この辺はリバセンの捉え方とは全く異なるものですが、本作としてはこう捉えたという感じです。

最後の部分には、「キングゴジュラスは簡易な改造だけで最強ゾイドになった」とあります。
この辺は、「じゃあもし期間に余裕があり2~3年かけて徹底的に作り込んだキングゴジュラスを作っていただどうなってたんだ」というような事も想像して頂けると嬉しいです。
キングゴジュラスは強い。
でもその強さはまだあれで到達点ではなく底が見えない。
そんな所も表現できていれば良いのですが。


キメラについては、今作では忌むべき存在として描いています。
ただオルディオスやバトルクーガーも忌まわしいとして排除すべきかというとそうは思わない。
彼らの存在は彼らの存在で肯定されるべき側面もきっとあると思っています。
なので、また考えがまとまってきたら本作のようなテイストでキメラ系の事も描いてみたいと思っています。

なんだかまとまりのないあとがきですが、んー。
すみません。
後ほど、この文章も読みやすいように書き直して「あとがき」としてHPに編入したいと思います。
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キングゴジュラス野生体捕獲作戦 後編

昨日のSSの続き

キングゴジュラス野生体捕獲作戦 後編
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翌日、バーナードとパーシーの2機のゴジュラスの他に、マッドサンダー1機とディバイソン4機も捕獲隊に入った。

「全機揃ったな。今日こそ捕獲するぞ」
マッドサンダーのコックピットから手を振っているのはヘリックだった。
「大統領!?」
「君達の話を聞いて、私も一目見たくなってな。さすがにこれだけの兵力があれば捕獲できるだろう」

「さあ、早めに終わらそう。マッドサンダーとディバイソンは首都防衛の貴重な戦力。一時的に借りている状態だ。うかうかしてたら事だ」
しかしそう言うヘリックの目は、焦りの表情というより少年の様に輝いて見えた。
なんだかんだ言って、彼もまた生粋のゾイド乗りなのである。

今日もビーコンを頼りに近づく。
「居た。大統領、あいつです」
「あれか…。しかし実物を見ると本当にでかいな…」
「でしょう。しかし、さすがにこの戦力ならいけますぜ。おっぱじめましょう」
「うむ。では作戦を開始する。ディバイソン隊、前に!」

かくして、二日目の捕獲作戦は幕を開けた。

「撃て!」
ディバイソン全機が密集してキングゴジュラス側面に移動、衝撃砲を嵐のように放った。
対戦闘ゾイド用の装備。中型ゾイドであれば為すすべなく吹き飛ぶ衝撃砲が4機分、門数にして12門が一斉に火を噴いた。

側面からの猛烈な衝撃砲で体勢を崩し、そこへ間髪入れず体当たり。たまらず転倒したキングゴジュラスを捕獲する。
これがシナリオだ。
だが、思うように効果が上がらない。
「少しも効いてないぞ…っ! くそっ、突撃だ!」
ディバイソン隊が、たまらず突撃する。さすがにこれなら…!

だがキングゴジュラスは瞬時に体勢を変え、ディバイソンを向いた。全力で突撃するディバイソンに強烈な蹴りの一撃を見舞う。
二機が吹っ飛び、一機が臆した。
残る一機は何とか体当たりに成功する。だが何の手応えもない。

「こいつ…」
まるで巨大な岩のような感じ。確かに押しているがまるで動かない。
「デスザウラーだってグラつくんだぜ……。なんてヤツだ……」
ふいに、キングゴジュラスが腕を振り上げた。
「いかん、退避っ…」
だが言い終わる前にディバイソンの巨体は宙に舞った。

「まさか……」
わずかな間にディバイソン4機が戦闘不能になった。

キングゴジュラスは、次にマッドサンダーとゴジュラスの方を向いた。
「…支援、頼むぞ」
ヘリックのマッドサンダーが、ぐっと前に出る。
「大統領!」
「大丈夫だ。だが…、最初から全開でいかねばな。マグネーザー始動!!」

対峙するキングゴジュラスとマッドサンダー。
ヘリックには、まだ勝算があった。
マグネーザー。サンダーホーン。
この武器は突き刺した後に電撃を放つ事で、敵メカを内部からショートさせ、ストップさせてしまう。
さすがにキングゴジュラスとて例外ではあるまい。これさえ成功させれば。

下手をすれば電撃を放つ前に生命体を貫いてしまう。
マグネーザーで捕獲するなんて前代未聞だ。
「生命体を貫く事に気をつけろ…。と言っても、そっちの方が難しいかな…」
ヘリックはこの時点で、キングゴジュラスの実力をデスザウラー以上と判断していた。
「マグネーザーの放電は強力だ。並のゾイドなら麻痺どころかそのまま死ぬ…。だが…あいつ相手ならその心配はあるまい。むしろ足りるかどうか…、か。」

マッドサンダーが、ゆっくりと間合いを調整する。
「極めて難しいが、やる他あるまい」

ギュゥゥゥゥ!!
マグネーザーが高速回転し、キングゴジュラスに向けられる。デスザウラーさえ貫く、共和国最強の武器。
ついに対決が始まった。

さすがに警戒したのか、キングゴジュラスが初めて構える。
「おい、援護と言われたが、どうやったら…」
バーナードとパーシーは圧倒され、なかなか動けない。
「あぁ…」
だがついに決意を固め、動く。
「マグネーザーをぶち込む隙を作る。俺達に出来る事はそれだけだ」

72mm連射砲が猛烈な勢いで火を噴いた。
狙いはキングゴジュラス…ではなく、その周辺の地面。
猛烈な射撃は地面をえぐり、砂煙を上げた。
たちまち奪われる視界。
「野生体にレーダーは無いだろう! 大統領!」

マッドサンダーが突っ込みをかける。
いける! その確信。
だが砂煙の中から、とんでもない絶叫が起こった。

ガァァァァアアアア!!!

キングゴジュラスの咆哮だ。
強烈な音波がこだまする。マッドサンダー、ゴジュラスの巨体が大きく揺れた。
「このゴジュラスが怯えているだと!? ぐおっ…、こらえろゴジュラス…!」
絶叫はゾイドを怯えさせただけではない。メカニックにもダメージを与えていた。

砂煙からキングゴジュラスの巨体が飛び出す。
「大統領…!」
マッドサンダーもダメージを受けている。もはやマグネーザーの回転は弱弱しい。
「くっ…、これまでか!」
コックピット内でヘリックが叫ぶ。

ガシッ!
キングゴジュラスがマグネーザーをつかんだ。
「へし折る気か!?」
「大統領、脱出を!」
もはやマグネーザーは全く回転していない。
巨大な腕でマグネーザーをつかんだキングゴジュラス、その巨大な頭部がゆっくりと近づいてきた。
バーナードとパーシーは、思わず目をつぶった。

だがキングゴジュラスは、何故か攻撃する事はなかった。
そしてその目を見た瞬間、マッドサンダーと、そしてマッドサンダーを通じてヘリックは知った。
キングゴジュラスの大いなる想いを…。


かつて数え切れないほどの生命で溢れかえったこの地。
だが人の愚かしさが美しいこの地を引き裂き、崩壊させた。
その結果生まれた、自身のような特殊な個体。
生まれてしまった事、それこそが生態系の崩壊の象徴。存在する事が忌まわしい存在。それが自分。
孤独。怒り。

元々、ゾイドは人の想いを汲むだけの高度な意思を持つ。平和の為の志を信じ、戦闘を受け入れた。
しかし今、それが分からない。分からないから苛立つ。


「お前は…、そんな風に思っていたのか…」
キングゴジュラスは手を離した。
”去れ”
そう言っているようだった。

しかしヘリックはもう一度操縦桿を握った。
「お前の想い、しかと受け取った。だが………、」

ヘリックとて、共和国の指導者としてしている”戦争” その全てを理解しているとは言いがたい。
理想は今でも強い。ゾイドを愛する気持ちも本当だ。だがそこに起こる矛盾に対し、答えが出ていないのも事実。
だがそれでも、言葉にならない想いがあふれる。
キングゴジュラスよ。
お前の想いはもっともだ。だがそれでも…、

「今度は私の想いもぶつけよう! 言葉にはならんが感じてくれ。マッドサンダー、まだいけるか!?」
ギュゥゥゥ!もう一度、マグネーザーが力強く回り始めた。マッドサンダーが力と気力を振り絞る。

「バーナード、パーシー、ここからは手出し無用だ。そこで我々の戦いを見ていてくれ」
「へ…、大統領…?」

全力の体当たり。キングゴジュラスはフリルをつかんで受け止めた。
「そこをつかむか。デスザウラーには出来ない芸当だな」
体格に余裕があるからこそだ。
「やはり簡単には受け入れてくれないな。だが、まだまだこれから!踏ん張れ、マッドサンダー!」
全力でキングゴジュラスに押し込む。マグネーザーを。そしてヘリックの想いを。

「おい」
バーナードが言う。
「あぁ、キングゴジュラスが……」

戦力差は歴然だった。
キングゴジュラスはデスザウラーはおろか、マッドサンダーすら遥かに越えていた。
だが今は、もうマッドサンダーを倒すような事はしていない。ただその全ての攻撃を受け止め、見極めているように見えた。

「これならどうだ…!」
もはやマッドサンダーと完全に一心同体し、全てをぶつけるヘリック。

「そういえば、最初の頃はこんなのだったな…」
「あぁ…、確かにそうだった。宇宙船が来る前は……、ゾイド戦は互いの誇りと想いをぶつけ合うものだった。いつからか効率よく敵を殺す為だけのものになってしまったが……、なんでなんだろうな」

半刻ほど対づいた戦いの後、マッドサンダーのエネルギーがついに尽きた。
コックピットから出るヘリック。
そしてキングゴジュラスは、ゆっくりとヘリックに近づき、その頭を下げて見せた。

「野生体が、心を開いちまったぞ…」
「いや、ずっと前はこれが当たり前だったさ…。捕獲機で無理やり捕まえている内に忘れちまっただけで…」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

三時間後、グスタフが到着し、破損機の応急修理と補給が完了した。
キングゴジュラスの巨体はグスタフに乗るものではなかったが、もはやヘリックの言葉で付いてきてくれた。

「しかし、ようやくやりましたな」
「まさかこんな形で決着するなんて…。当初は思ってもみませんでした」
「ゾイドの奇跡を目の当たりにした感じだな…。いや、思い出したというべきか」
共和国首都への帰路、三人はキングゴジュラスを見上げながら話し合った。

「しかし大統領、これで捕獲は出来ましたが、この後どうするおつもりで? 本格的に戦闘用に改造するのはかなりの期間がかかりそうですが……」
「いや、それは必要ない。こいつならもう、最小限の改造だけでいけるさ…」
「違いありませんな」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

かくして、キングゴジュラス野生体はヘリック共和国に編入された。
通常、このクラスの野生体を戦闘用に改造するとあらば、徹底研究、その体格に合わせた装甲の製作、火器の開発あるいは選定、エネルギータンクの設置、補助ブースターの装備、etc. 様々な工程が必要であり、開発設計には最低でも2年はかかる。
しかしキングゴジュラスは、ほんの最低限の改造だけ…、わずか1週間程度の改造で、圧倒的な最強のゾイドとして成り得たのであった。

自身の想いとヘリックの想い。それを背負い、キングゴジュラスは暗黒大陸へ渡っていった。
その先にあるものは、まだ誰も知る由もない。

キングゴジュラス野生体捕獲作戦のこと

先に投稿した、こちらのSSに関してあれこれ。
こういう解説的なものは後編を投稿し完結させてから書くものだとは思いますが、あえてここで。

このSSですが、自分としてはかなり異質なテーマで書いています。

野性ゾイドってどんなのなのかなー・・・っていうと、正直あんまり考えていなかった分野です。
今でもどうなっているかという明確な答えは持ちません。
しかし今回は、あえて(自分の中で出した最終的結論ではないものの)「野性ゾイドとはこういうものである」という定義付けを行って書いています。

もう一つ異質なのは、キングゴジュラスについてです。
私は発売されたゾイドキットの機種は全て量産型だと思っている口でして。
基本、量産機が大好きです。決戦機であっても。

なんていうか「数が把握できないくらい量産されてる」っていう方がいいと思うんです。
キットを手にとって頭の中で妄想バトルを繰り広げて、最後に「こんな戦いもあったんじゃないかな」って思えるのがいい。
それがゾイドワールドに自分から入り込む大きな原動だと思います。
ワンオフだとどうしても劇中の描写が全てになってしまうので、そういった意味でちょっと残念だと思うんですよねぇ。
まあワンオフはワンオフでヒーロー的な要素がありいいんですが。

で、キングゴジュラス。
90年のキングゴジュラス参戦当時、自分はこいつも量産機だろうって思っていました。
というか今でも思っています。
「プロトタイプキングゴジュラス」が居るくらいだから、少なくとも少数は生産されているんじゃないかなあと思って居たりします。

ただリバセンの描写からしても明らかなように、今では「ワンオフであったと」されているようで、ちょっとした違和感は感じています。
今のところの収集した資料では、ワンオフだという記述はないし、逆に量産機だとする記述もありません。
なのでこの事に関しては更に研究を続け最終的な判断をせねばと思っています。

ただこのSSを書くにあたり、あえて「ワンオフであるという部分を取り入れて書いてみよう」という姿勢で書いています。
また、ワンオフであるなら何故ワンオフであるのか。なぜヘリックがパイロットになったのかという理由も取り入れたくて書き始めました。

ついでにというわけではないんですが、リバセン期で追加された設定であるところの「オルディオス=キメラ」のような設定も積極的に取り入れつつ書いています。

このSSがどうこうという説明ではないんですが、自分としてはあえて異質なものを受け入れるスタンスで一本書いてみれば、自分の中のゾイドワールドが更に広まるかも と思って書き始めたものであります。

そんなわけで、後編はおそらく明日投稿するでしょう。

キングゴジュラス野生体捕獲作戦 前編

ゾイドSS キングゴジュラス野生体捕獲作戦 前編

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「そうか……」
前線の状況報告を受け、ヘリックはがっくりと肩を落とした。
軍部首脳会議。並居る将軍達を前にして、ヘリックは決して落胆を見せてはいけない立場である。
彼の意思はそのまま全軍に伝わる。しかし戦況の報告は、彼がそうするのも無理はない程に、悲惨なものだった。
「精鋭を集めた第四師団が壊滅、か。敵の新型は相当強いな……」

オルディオスの配備でギル・ベイダーの頭を抑えることに成功した共和国軍は、再び進撃を開始した。
しかし暗黒軍の対応は早かった。新鋭空戦メカ、ガン・ギャラドをはやばや配備したのである。

飛行性能でオルディオスを上回るガン・ギャラドは、しかも十分な数が量産されていた。
ギル・ベイダーの護衛に付いたガン・ギャラドは、再び暗黒軍に優位性を与えた。
オルディオスがガン・ギャラドと必死で戦っている間に、ギル・ベイダーが共和国軍に襲い掛かる。
共和国軍は、再び猛烈な勢いで押し戻されていた。

ガン・ギャラドは強かった。
高速飛行モードと格闘モードに瞬時に切り替え可能な機体は画期的で、オルディオスをもってして勝つ事は難しかった。
いわんやバトルクーガーやサラマンダーF2では、という状況である。
何とかしてこれを排除する事は急務であった。

「大統領、残存する兵力全てを最前線に出しましょう。被害を考えず一気に敵首都を奪うんです。今ならまだ、強引に数で押せば突破できる可能性があります」
「しかし…、それでは甚大な被害が出るだろう」
「確かに、兵には辛い任務を言い渡す事になります…。しかし、他に方法が無いではありませんか。このままいけば暗黒大陸からの撤退です。今までの犠牲が全て無駄になります。それどころか、この中央大陸すら奴らの手に…」
「大統領、私も賛成です。確かに被害は大きいでしょう…。しかし今勝てば今度こそ平和になります。そして今やらねばジリジリと被害は増え続けるでしょう。今やらねば、いずれ今やる以上の犠牲者だって出かねません」

「…もう本当にこれしか道は無いのか…」
ヘリックは天を仰いだ。
彼とて、戦況が読めぬ器ではなかった。将軍達が具申する事は最もだ。
今決戦を避け、それでもジリジリと戦い続けるのは単なる先延ばしに過ぎない。その事くらいは分かっていた。
それでも、予想される犠牲を考えた時、彼はなかなか決断が出来ないのだった。

「大統領、これは非常に不確定な事ですが…」
ふいに、別の声が上がった。
「なんだね」
「仮に、ですが、敵新型に勝てるゾイドを我が軍が開発できれば良いのですね」
「もちろん理想だ。しかしそれは難しいだろうな」

オルディオス。バトルクーガー。ゴッドカイザー。TFゾイド。
共和国軍は、立て続けに強力な新型を開発していた。その開発能力は既に限界を迎えていたのである。
既に、"野性ゾイドをそのまま使っていたのでは、従来機以上に強力なゾイドは開発できない"そんな結論に達していた共和国軍は、キメラを合成する技術にすら手を出していた。
また、合体・変形するゾイドの研究も行い、その成果をTFゾイドという形で出していた。
それらは強力なゾイドを生み出した。しかし、その技術も、もう頭打ちになっていた。
"今ある技術はもう出しつくした。あと数年、研究や戦場でのデータを反映させない限り、今より強力なキメラを開発するのは難しい"
無念な事だが、共和国開発陣が現在言える答えはそれだけだった。

「いえ、大統領。先ほども申し上げました通り、非常に不確定な事ですが……、先日私の部下がメタロゲージ上空を飛行していた折、これまでにない新種の野生体を見つけたと報告しておりまして」

「野生体?」
「はっ、今更そんな…」
一斉に声が上がる。無理も無い。
今やデスザウラーやマッドサンダーでさえ、容赦なく散っていくのだ。
今、戦場で主導権を持つのはキメラ。これは一致した意見であった。

「いえ、どうか話だけでもお聞き願いたい。私も報告を受けた時は確かにそう思いました。しかしガンカメラの映像があります」
「いいだろう、流したまえ」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

「でかいな…」
映像が流れると一様に驚きの声が挙がった。
巨大な二足歩行野生ゾイドがそこに居た。
その野性ゾイドは上空から撮影する姿に苛立ちを覚えたのか、ゆっくりと空を睨むと割れんばかりの叫び声を挙げた。
映像はそこで終わっていた。

「どうも、今のでガンカメラが壊れたようで、映像はここまでです。機体にも少々のダメージがあったらしく、このあとすぐ引き返しています」
「戦闘ゾイドに傷を負わす野性ゾイドなんて聞いた事が無いぞ…。プテラスか?」
「いえ、サラマンダーです」
「バカな…」

映像が途切れた後、皆は一様にヘリックに目を向けた。
「よし、分かった。直ちにその野生体の捕獲作戦に入ろう。捕獲後速やかに戦闘用に改造する。もしかすると、これこそが戦況を打破する切り札になるかもしれん」

「…だが、この作戦が失敗した場合は、現在ある全ての兵力で総攻撃を仕掛ける」


翌日、二人の軍人が暗黒大陸から中央大陸へ運ばれた。
バーナード大尉とパーシー大尉。共にゴジュラス乗りのエースだ。
この時代になっても彼らはゴジュラスに固執しており、並居る新鋭機をいまだに震え上がらせていた。
「こんな折に中央大陸の土を踏めるとは。休暇でもくれるのかねえ?」
「バカ言え。休暇なら専用機で首都まで送ってくれるわけ無いさ。おそらく、何か面倒な仕事でも……」

「遠路ご苦労。暗黒大陸では苦労をかけているな」
ヘリックが二人を迎え入れた。
「早速ですまんが、君達に是非やってもらいたい事があってな。知ってのとおり暗黒大陸での戦況は芳しくない。今回の任務は、それを打破する切り札になるかもしれんものだ」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

「…以上だ。君達には、この未知の野生ゾイドを捕らえてもらいたい」
「野生体の捕獲…」
「そうだ。この野性ゾイドこそ、最強ゾイド、切り札になり得るものと考えている」
「大統領!」
バーナードは思わずヘリックに抱きつきそうになった。
「さすがです大統領! 最近はどいつもこいつも翼を生やしたり合体したりだ。ゾイドはそんなもんじゃねえ。でも最近は確かにキメラの奴らが強くて…。しかし任せてください大統領。必ずやその野性ゾイドを捕獲し、本物のゾイドの強さを見せてやります」
「あ、あぁ…、とにかくよろしく頼む」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

「お前なあ、余計なところでヒヤヒヤさせるなよ」
「ははっ、すまんすまん。しかし久々にいい任務じゃねえか」
「全く…」
しかし内心、パーシーとて同じ気持ちだった。
彼らは緒戦から戦っていた。その功績は佐官になる資格を十分に持っていたが、現場に出る機会を減らしたくないという事で、あえて大尉に留まっている。

歩兵からゴジュラス乗りへ大抜擢された時の事を、二人は今でも覚えていた。
ゴジュラスの力強い鼓動。一挙手一投足全てが重々しかった。
そのゾイド本来の力強さに感動し、すぐさま惚れ込んだ。
そして操縦法が、また彼らを虜にした。
ゾイドの操縦法は精神リンクと呼ばれる特殊なもので行われる。
操縦者の意思をダイレクトにゾイドに伝える。操縦桿やボタンはその補助に過ぎない。
そんな特殊な操縦法だから、ゾイド乗りには適正と不適正があった。また同じ機体でも、何故だかゾイド側が拒否するような事もあった。

そんな気難しいゾイドを乗りこなす事こそ誇りであり、醍醐味であった。
無論戦争である。だがそれは凄惨で弁明も余地も無い愚かなものである一方、ゾイドとパイロットによる誇りをかけた戦いであったのも確かだ。

そんな状況を一変させたのが、キメラだ。
馬に翼を生やす。ライオンとワシを合成する。
確かにずっと昔からその手の研究はあった。特殊改造機というやつだ。
だが、それらが大々的に量産されるなんていう事は無かった。

それはゾイドが生物であるという倫理的な問題であったし、また乗り手のプライドの問題でもあった。
キメラは高度に遺伝子を制御されているので、従来機の様に精神リンクを必要としない。相性もほとんど無かった。
合理的であるが、多くのパイロットは戸惑いを隠せなかった。
しかしそれでも、強力なそれを主力に据えなければならないほど、戦況は逼迫していたのだ。
そして実戦投入されたそれは、確かに素晴らしい能力を発揮していた。
従来機などもはや不要と思えるほどに…。

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

「さてっと、まずは北東へ直進、か…」
謎の野生体には、サラマンダーがビーコンを打ち込んである。
発信のある方へ向け、二人の乗るゴジュラスは歩いていた。

「しかし…、減ったな」
「ああ。前に来た時はいつだったかな…。まだ新兵の頃だったか…。その頃は見渡す限り野生体で溢れていたんだが」

メタロゲージ内。
多彩な野性ゾイドで溢れかえったこの地に、かつての面影はない。
わずかに小型ゾイドがうろついているだけだ。
「…戦争はいけねえなぁ……って、思うよな…」
言うまでも無く、戦闘用ゾイドとして乱獲された結果だ。

「あぁ…」
ゾイドを何より深く愛する二人だが、同時にゾイドを使い戦争をしている。今もまた、新たに強力な新型を求めメタロゲージを探索中だ。
しかしその目的が最終的には平和の為である事も事実だ。
何もかも矛盾しているが、何一つ答えは出ない。
答えが出ないまま、二人は探査を続けた。

「しかし…、こんな痩せちまった場所に強力な新型が居るもんかね?」
「バランスを崩した生態系は崩壊する…。だが、逆に、狂った生態系が特殊な個体を生む事だってある」
「じゃあ今回発見したっていうのも…」
「可能性は高いな」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

「…いよいよ近いな」
「もうビーコンを使うまでもねえ。レーダーにハッキリ映ってるぜ」
エンジンをスローにし、気付かれないように近づく。

「こりゃあ…、想像以上だぜ……」
もはやレーダーを使うまでも無い距離に近づく。
目の前に、巨大な野生体ゾイドが居た。
「おいおい…。姿はそっくりだが、このゴジュラスの2周り以上はでかいぜ…」
そこに居たのは二足歩行の恐竜型ゾイドであった。
強靭な前後脚、太い尻尾、そして特徴的な背びれ。
どう見てもゴジュラスであったが、体が異様にでかい。
「さながらキングゴジュラスって所だな……。で、いくか?」
「…よし。いこう。だが油断するな。半信半疑で聞いていたが、野生体ながらサラマンダーに傷を負わせた話はあながち本当かもしれん」

ズンッ!
一気に出力をフルパワーまで上げたゴジュラスが二機、キングゴジュラスの正面に出た。
「悪いが捕獲する。大人しくしてくれ」

キングゴジュラスもこちらを振り向く。
「撃て!」
次の瞬間、必殺の電磁砲が次々に撃ち込まれた。
メカニックを一時的にショートさせる、捕獲用の装備だ。

だが、キングゴジュラスはさしてダメージを受けた様子もなく、ジリジリと接近してきた。
「おいおいおい、嘘だろ!戦闘ゾイドだってちょっとはダメージを受けるんだぜ…」
「くそっ、撃ち方やめっ! こうなったらこのまま捕まえるぞ」

迫り来るキングゴジュラスをがっしりと受け止める。
だが、キングゴジュラスは構わず歩を進める。
「うおっ! なんてパワーだ…」
野生体。補助ブースターもアシスト機能もない。ただ素の力でゴジュラス2機をかるがる越えているのだ。

「機体が持たねぇぞ…」
「ぐっ………」
そのまま跳ね飛ばされる。
唖然とする二人に目もくれず、キングゴジュラスはそのまま去っていった。

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

「大統領、ありゃあすげえゾイドです。電磁砲は効かん。ゴジュラス2機がかりでまるで動かん。野生体だが下手すりゃデスザウラーより強いかもしれないです」
「見た目はゴジュラスに酷似していました。おそらく…、激変したメタロゲージの環境にあわせ進化した特殊なゴジュラス個体かと…」
「ふぅむ…。まさか野生体でそこまで強いとは、な」

通常、ウルトラザウルスやマッドサンダー級であっても、野生体はそこまで強くない。
敵弾に耐える装甲、効率よく加速する為のブースター、ここぞという時に一気にエネルギーを放出する為のエネルギータンク、etc. 様々な人工パーツが加わる事により、強力な"戦闘用"ゾイドとして生まれ変わるのだ。

「明日、部隊を編成しなおして再び挑もう」

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後編に続く

HELLDIVER

先日のアンケートで質問した「ヘルダイバーは飛べるのか飛べないのか」ですが、結局半々という結果でした。
ですが趨勢として「飛べるというより「浮ける」程度。また滑空程度なら大丈夫だが飛行ゾイド的な動きは不可能」という感じになったように思います。
シーバトラス的な運用は厳しいのかもしれない。

なんだか、以前はシーバトラスと互角程度の飛行性能だと思っていたんですが、今回のアンケの結果を受け、「浮ける」「滑空できる程度」でも面白いなあと思いました。
まだ自分の中で結論は出てないんです。
ですが今回は、ヘルダイバーの飛行性能をひとまずその程度と考えた上で文章を考えてみたいと思います。

SS風にしてみよう。

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中央大陸の北西。バロニア諸島には小さな島が無数に点在している。島々を縫うように、共和国軍ウルトラザウルス艦隊は単縦陣で航行していた。
ウルトラザウルス7隻と護衛のバリゲーター12隻の堂々とした威容である。

「陣形そのまま。速度、第一戦速を維持」
旗艦のウルトラザウルスから指令が飛ぶ。

「チッ、嫌な場所に差し掛かるぜ…」
司令のリー中将がつぶやく。
そう、ここは共和国艦隊にとって実に嫌なポイントだった。
制海権は共和国側が掌握している。だが、バロニアの島の幾つかを、帝国軍は頑なに守り続けていた。
それらの島には航空基地があった。そこから対艦装備を積んだレドラーが飛び立ち、航行する共和国艦隊に攻撃を仕掛けるのである。
現在航行中の場所は、ちょうど攻撃を受けやすい海峡だったのである。

「各砲座、バリゲーター。迎撃準備をしておけ」
だが、既にレドラー対策は完成しつつあった。
護衛を務めるバリゲーターは対空用の特別仕様である。ノーマルの対空ミサイル4発から、一気に16発に増やしてある。
単発での威力は弾頭小さく低いが、航空機レドラー相手には十分であった。
12隻のバリゲーターが合計192発ものミサイルを放つ。無論、ウルトラザウルス自身の対空砲もうなる。レドラーをもってして、さすがにこれを避る事は難しい。
実際、数日前の戦闘で、リー中将率いる艦隊はレドラーの襲撃を見事撃退し、見方被害ゼロ、敵撃墜6という素晴らしい成績を残していた。

「中将、レーダーに感あり。7時の方向、高度2000、距離65000、機影多数。間違いなくレドラーだ」
「やっぱりきやがったか…。速度、第三戦速まで上げ。陣形、輪形陣に!」
号令で、陣形が素早く変わり艦隊の速度は一気に上がる。
「落ち着いて対処すれば負けん。こうして撃墜数を増やしていけば、次第にジリ貧になって島を放棄するハズだ…」

「敵、M1.0で急速接近中。会敵は3分後」
「いいか、撃墜するより被弾しない事を優先しろ。貴重なゾイドを沈める事は許さん」
今やデスザウラーが共和国首都を攻略。中央大陸のほとんどは帝国の支配下にある。
そんな中、ゲリラ戦で挑む共和国軍にとって最大の問題はゾイド不足であり、特にウルトラザウルスは最も貴重な存在なのである。

「中将、レドラーだが何かおかしい。半分くらい、やけにデカい爆弾だか魚雷だかを翼にぶら下げてる」
「何だと?一撃必殺の決戦兵器ってか…。何だかわからねえが、そんなにデカいもん積んでたら運動性能はガタ落ちの筈だ。ひるむな」

やがて爆音が響き始めた。もはやレーダーに頼るまでもなく、直接視認できる。
「対空砲火、撃ち方よーい」
レドラーが急降下爆撃の体制に入ったら、すぐさま対空砲火の嵐を見舞う。
しかしまさに対空砲火が撃たれるその直前、レドラーが動いた。
「敵、大型爆弾を射出! なんだこれは!?」

一斉に放たれたそれは、ウルトラザウルスを大きく逸れ、急角度で海に突っ込んでいった。
「なんだ…? 思ったより早く撃たれてびびったが……、失敗作か…?」
いやしかし次の瞬間、一隻のバリゲーターから大きな火柱が上がった。
無残に右後脚を吹き飛ばされ、機体は完全に横転している。

「何が起こっている!?」
続けざまにウルトラザウルスからも火柱。
「水の中に敵が居るのか!? ソナーはどうなってる!?」

「感なし! ウオディックもシンカーも居ません!」
共和国軍は、少し前に対潜用の新型ソナーを開発したばかりであった。
これはウオディックやシンカーが深く潜っても正確に捉えられる画期的なものであり、それを搭載して以降、ウルトラザウルスは再び海での最強の座を取り戻したのである。
しかし今、ウルトラザウルスは謎の攻撃を受けていた。

ドォォォォォォ…
再びバリゲーターが火花を上げ沈んでいく。
「中将、海面を! あれだ!!」
その時、クルーが謎の敵を遂に見つけた。
水中から背びれだけを出して、超小型のサメ型ゾイドが高速で走り回っていたのだ。

「大型爆弾なんかじゃない。敵が投下したのは小型ゾイドだったんだ!」
レドラーは翼下にヘルダイバーを吊下しウルトラザウルスに接敵。そこから射出し突入させたのである。
あまりにも小さく軽快すぎるので、レーダーで補足出来ない。
「くそっ、ちょこまかと!」
一発一発は大した事ない。これだけでウルトラザウルスが沈む事はない。
だが、こちらは一切の攻撃があたらない。悪戯に被弾だけが増えていった。

「中将! 残りのレドラーが来る!」
ヘルダイバーを搭載していなかった…、いつもどおりの対艦ミサイルを装備した攻撃機型レドラーが、混乱する共和国艦隊に突っ込んでくる。
「くそっ、対空砲火、撃て!」
だが今やヘルダイバーによって半数のバリゲーターが沈められている。
また対空砲火を撃つ中も、容赦なくヘルダイバーの魚雷がウルトラの巨体を揺らす。
「くそっ! 艦が揺れて照準が付けられねぇ…!」

海戦は、激しさを増していった。
ヘルダイバー初陣の日。この戦闘で、実に8隻のバリゲーターと3隻のウルトラザウルスが海の藻屑と消えたのであった。

ヘルダイバー。
レドラーの翼下に搭載され、海上から射出される。
海面に突入後、小型高機動の特性を活かし、共和国艦隊を翻弄する。
単体では搭載量・航続距離が少なく、広大な海では使用しづらいし決定打足り得ない。
だがこの機体はサメ型という特性を活かし、空中から射出後、そのまま海に突入できる能力を付加できた。
それにより、高空ゾイドに搭載される事で諸々の弱点をカバー。海戦で大きな威力を発揮する事となったのである。

射出された後、海へ向け一直線に突っ込む様は、まさにヘルダイバーという名に相応しい。

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という感じで、「ヘルダイバー」という名前からして「急降下アタックを空からかける」所は残したいし、でも「浮ける」「滑空できる程度」の能力でいい気もするし、という事で妄想してみました。
書いてて、自分の中のヘルダイバーはこれでいいかなと思い至りました。

なんにせヘルダイバー大好き。
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