ラストリベリオン -中編-

こちらの続き
長くなってきたので、当初は前・後編にするつもりでしたが前・中・後編にしました。

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機体を前傾させ、ビルよりも低い体勢を保ちながら進む。
こうすれば敵のレーダーで易々捕らえられる事は無い。

敵の機影ははっきりとレーダーで捉えられた。
「…敵はいい気なもんですね。全く警戒せず行動しているみたいだ」
「この辺の帝国ゾイドは全滅したと思ってやがるのか…」
「あるいは出てきても問題ないと思っているでしょう」

全く気付かれないまま敵に近づく。ついにビル一つ挟んだ所まで進んだ。
「よし…。じゃあ始めるぜっ!」
デスザウラーを一気にフルパワーまで引き上げ、巨大なクローと加重力テイルでビルを殴る。
途端、巨大なビルが粉々に崩れ去った。
煙と瓦礫を越え、ディバイソンの前に巨体をさらす。
突然のデスザウラー登場に動揺するディバイソン。

「久しぶりだな。さっきの礼をしにきたぜ」
そのままディバイソンの角を掴み、強引にブン投げる。
しかしディバイソンは転げまわりながらも何とか起き上がり、こちらに銃口を向けた。
「ほう、思ったよりずっとタフだな」
「少佐、余裕ぶるのもいいですが早めに片付けましょう。あの大砲を撃たれたら幾らデスザウラーでも大ダメージだ」
「…そうだな。じゃぁ、そうするか!」

頭部のビーム砲を撃ち込む。
装甲を貫通するような威力ではないが、起き上がり始めたディバイソンの体勢を再び崩す程には充分だった。
もがくディバイソンに近づき、再び巨大なクローで掴み上げる。
巨大なクローに力をこめると、ディバイソンの分厚い装甲が軋み、音を立てて砕けた。
ディバイソンのツインアイの光が消え、脚がだらしなく下を向いた。
力をゆるめると、そのまま大地に落ちる。
ピクリとも動かないディバイソンを見下ろし、デスザウラーは満足げに低く唸った。

「少佐、新たな機影2、急速に接近中。この動きはおそらく…」
言うが早いか、巨大な砲弾が至近距離で炸裂した。
「ゴジュラスMK-IIか」
「撃ちまくりながら突っ込んでくる!」

「報復ってわだな。返り討ちにしてやるぜ!」
俺はデスザウラーをゴジュラスMK-IIに向けて走らせた。
「敵、2手に分かれます。挟み撃ちにする気だ」
「構わねぇ。好きにさせとけ」

左右のビルの合間から、ゴジュラスの巨体が現れた。
「挟み打ちにしたい気持ちも分かるが、そんな戦い方じゃ自分たちが格下って言ってるようなもんだぜ」
片方のゴジュラスに狙いを定め、一気に加速する。
シュッ!
あっという間にゼロ距離まで迫り、巨大なクローを振り上げる。
この加速力と瞬発力。接近戦でのデスザウラーの動きはサーベルタイガーをも越える。

ザシュ!
クローを横一文字に振る。
ゴジュラスの腹部が脆くひしゃげ、ゾイド生命体がむき出しになった。
「腹部4連ビーム砲だ!」
むき出しの生命体に容赦なくビーム砲を浴びせる。

「後方から残る一機が突撃してきます!」
「後部ミサイル撃て!」
腰部ハッチが開き、16連装ミサイルの嵐がゴジュラスに吸い込まれる。
喉元に集中砲火を喰らったゴジュラスは大きく体勢を崩した。
その隙に機体を反転させ、正面から対峙する。
「どうもお前はもっとタフだった印象があるんだが、腑抜けたか?」
いまだ体勢を立て直せないゴジュラスの喉元に牙を立てる。
そのまま食い千切ると、機体はそれ以上動かなくなった。

「なんだかんだ言ってやっぱりデスザウラーはすげえぜ。負ける気が微塵もしねえ」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

三週間後、もはや交戦回数も覚えていなかったが、俺たちはまだ生きていた。
あの一件以来、強力な敵の噂は瞬く間に広がったらしい。
幾多の共和国ゾイドが俺たちを狙ってきた。
俺は噂を聞いた残存帝国兵も集まるかと思っていたが、それは無かった。
あの少年兵もどうなったか分からなかった。

俺たちは、デスザウラーをマンクス海峡が見える位置まで移動させた。
この海峡を越えればニカイドス島に到達出来る。
共和国軍は、いまやこの海峡を突破し、ニカイドス島への上陸を図っている。
俺たちのデスザウラーは、最後の砦の様に、この付近で共和国軍を撃退していた。

デスザウラーは健在だった。
いまだ荷電粒子砲も温存されており、全く補給が無い状態にも関わらず、実弾系の弾も何とか足りていた。
もしやこのまま何とかなるのではないかという希望さえ芽生えつつあった。
だが悪い事はついに起こった。

偵察中のシールドライガーと交戦に入った俺たちは身構えた。
敵は一定の距離を置きながら、俺たちと対峙し続けた。
援軍を呼ぶ気かと思った俺たちは、一気にケリをつけるべくビーム砲の照準を定めた。
しかしその瞬間、シールドは大きく飛び上がり、空中から必殺の一撃を放った。

直撃する。だが衝撃も何も無く、機体ダメージも示されない。
何がなにやら分からぬ内に、シールドライガーは彼方へ去っていった。
「何だったんだ、ありゃ…」
「一応、機外に出て被弾箇所を見てみましょう…」

「……ますますわけがわからん。何だこれは」
被弾箇所には、黄色いペンキのようなものがべったりと付いていた。
「嫌がらせか?まぁ確かに嫌だが……」
だがそれはとんでもないものだった。

イエローフラッシュ。そう呼ばれる、我が軍がかつて開発運用した特殊装備があった。
この特殊な液体は常に強い電波を発するもので、浴びれば最後、もはや障害物に身を隠そうが地中に潜ろうが、正確に位置を補足できるものだった。
いつの間にか共和国軍は、この帝国が誇った特殊装備をコピーしてしまったらしい。

昼夜を問わず、戦闘が起こるようになった。
身を隠すことが不可能なことを悟った俺たちは、もはや寝ることも許されず、わずかな仮眠を繰り返しながら朦朧と戦った。
マトモに食事をする暇さえ無かった。
疲労は、肉体的にも精神的にもピークに達していた。


ふいに、敵の攻撃がピタリとやんだ。
「…何が起こったんだ?」
「……嵐の前の静けさってやつでしょうかね」

果たしてその通りだった。
あまりにも粘る俺たちに、ついに共和国軍も本腰を入れて総攻撃に出たらしい。
レーダーに無数の敵影が写った。
「へへっ…、年貢の納め時かもしれんが…、まだ切り札も残ってんだ。タダではやられねぇぞ」
遂に肉眼で見えるほどに、敵が近づいてきた。
先頭にマッドサンダーが一機、その脇にウルトラザウルスが2機。
周りには10機を超えるゴジュラスがうようよ居る。

「ついにこれを使うときが来たか。三連荷電粒子砲、チャージ開始だ」
オーロラインテークファンが回転し、膨大なエネルギーがチャージされていった。


後編へ続く
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