新たなる価値の創造

昨日書いたこちらの電子ゲームの話の続きです。
今回はこの続きとしてゾイドワイルドを絡めつつ話を続けます。
ちょっと長いです。

前回の記事で、
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「時代にあえて挑戦しよう」私は、これってゾイドの大きな原点だなと思います。
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と書きました。
何故そう思うかを書きます。

何かの作品を作って発表する。それで商売をするとなれば、「時代の流れに乗る」ことは当然です。
ただ一方で、「流行に乗るだけ」ではジリ貧が待っているのも確かです。
ヒット作は「時代の流れを見極めそれに乗りつつ」同時に「新しい価値を創造する」事で作られていると私は思います。

「時代の流れに乗る」というのは「求められているものを求められた通りに出す」という事です。これは商売の基本です。
一方で「新しい価値の創造」というのは「新発見」「新体験」みたいな要素です。

たとえば今までラーメンと言えばあっさり醤油ラーメンしか知らなかったと。それがラーメンだと思っていたし好きだったと。
しかしある時こってりドロドロ濃厚豚骨ラーメンを食べて衝撃を受けたと。
「こんな濃い味のラーメンがあったのか! 知らんかった。めっちゃ美味いやん!!」
ドハマリしました。
こういうのが新しい価値の創造です。
新しいものを知り趣味・趣向・考え方などが今までと変わる事をパラダイムシフトといいます。

多分、醤油ラーメンだけ食べ続けてたら美味しくてもいつか飽きて食べる回数が減ってたと思うんですよね。ジリ貧です。
たとえ「より美味い醤油ラーメン」を食べたとしても、確かにそれは期待通りの味で美味しい。でも傾向が変わらない限りは飽きが避けられない。
ジリ貧は回避しきれない。延命に過ぎない。
でも全く別のタイプのこってりを出せばインパクトが凄くて衝撃を与える。

当たれば凄まじい引き込みができる。それが新しい価値の創造です。
まぁハズれたら「これ嫌い」となるリスクもあるんですが。


ちなみに「新しい価値」というのはあんがい昔の流行の中に隠れている事もあります。

私は最近の作品で最大級のヒットと言えば「艦これ」が思い浮かびます。
模型店で慣れ親しんだ1/700ウォーターラインシリーズのプラモの箱が艦これ仕様になっているのを見た時、スゲー………と思ったものです。

艦これは本当に凄いなぁと思います。
戦後に何度か「戦記ブーム」というのが起こりました。
戦艦大和、空母赤城、ゼロ戦、隼、紫電改、・・・。あの頃の少年達はこぞって艦や機を調べ、また戦いに胸躍らせました。
少年誌はこぞって大戦兵器をグラビア特集し、プラモは続々登場し好調な売れ行きを記録したのであります。
艦これブームはその規模にも劣らない凄まじい特大具合です。

さて艦これはなぜヒットしたのだろう。
これは私独自の研究ですが、「時代の流れに乗りつつ」「新しい価値を創造したから」です。
艦これのデザインは「エロめの擬人化」をしています。まさに時代の流れでしょう。でもこれだけだとそれ程のブームにはならなかった・すぐに消えていったと思います。
何故ブームになったかというと、流行だけに留まらない新しい価値を加えたからです。

艦これは「艦」「戦記」といった要素を非常に深いレベルで実装しています。
戦記マニアをもうならせる調査をしています。例えばダメージを受ける位置が実際の艦と同じだったりです。
しかも戦艦や空母ならそれもまぁ出来ようものですが、駆逐艦や潜水艦に至るまで徹底しているのだから凄いことです。

最初のフックはエロめの擬人化だったでしょう。もちろんその方面での絵のレベルも非常に高いものです。
ただ、それだけ……「時代の流れに沿って求められているものを求められた通りに出す」だけでは、それほど大きなブームにならなかったでしょう。

時代に乗った擬人化と同時に、ゲームをプレイすると「実際の艦や戦史にどんどん興味がわいてくる構成」という新しい価値を付加した。
こうして当初は艦や戦記にあまり興味がないユーザー(言い換えればキャラ絵を目的に寄ってきた層)をどんどん「教育」し、その方面の興味を植えつけた。
新しい価値を創造した。
だから強固に掴まれて、簡単には離れないようになったのだと思います。


こういうのが大ヒットする作品だと考えます。
「時代の流れを見極めその流れに乗りつつ」同時に「新しい価値を創造する」
です。

「時代の流れを見極めその流れに乗る」だけではダメなんです。
艦これを見て、「ヨッシャー今はああいうのが流行りだな。じゃあうちは戦車で同じようなのをやろう」となってしまうとどうなるか。
そういうのは時代に乗ってるから一定の成功はします。ですが自らが主役になる事はありません。
ありていに言うと艦これのブームに便乗しただけのもので終わる。


ただこれはとても難しいバランスでもあります。
会社は自社の「発展」を願っています。
発展するには大ヒット作品・商品が必要です。
大ヒットするのは艦これのような新しい価値を持った作品です。
ですがそういうのは作るのが難しいしリスクも高いです。
製作側が「新しい価値だ!」と思って製作しても、それが全く見向きもされず失敗する事だってあります。

会社は自社の発展を願いますが、現実的に言うと「存続」がもっと大きな必須です。
たとえば社員100人が居れば、毎月の給料を払うための金を生まねばなりません。
従ってリスキーなことはなかなかできない。会社の運営はシビアです。
ならどうするかというと、流行を調べてそれのパチもん・似たもんを作るのが堅実な方法です。
流行りものの亜流を一定のレベルで完成させれば、大ヒットはせずとも一定の成功はしやすい。
製作も見本があるから比較的容易です。

だから世の中には流行に乗っただけの作品が多いのです。
ただし本当に価値があるのは新しい価値を引っさげたタイトルだと思います。


「ゾイド」はトミー(タカラトミー)を成長させるまさに大きな価値を持ったシリーズだと思います。

ゾイドが誕生した背景は世の中が「宇宙ブーム」だったし「リアル系ロボットアニメブーム」だったし「電子ゲームが大流行」でした。
ゾイドは宇宙でありリアル系戦記という部分で時代に沿っていたと思う。
ですがそれに留まらず、あえて「手作りの良さ」を再確認したいと。そういう思いで「ギミックを持った組み立て玩具」という仕様になりました。
それを古臭いと言う人も居る。これからは電子の時代だと。そんなもの今更だよと言われた。
でも確かに魅力がある。それを再確認したい。
メカ生体ゾイドはそうして誕生した。時代に乗りつつ新しい価値を創造(再発見)し大成功したと思います。

「時代にあえて挑戦しよう」
「新しい価値を創造しよう」「今は忘れられている古い魅力を現代風に再発見しよう」
安易に流行に乗っかるだけじゃない。それだけじゃ大きな成功にはならない。
時代に挑戦し新しい価値を切り開く。ゾイドはそんな挑戦するシリーズだと思います。


ここからがゾイドワイルドの話になります。
このシリーズも大きな挑戦、価値の創造をしていると思います。

ゾイドは復活する際に、「時代の流れを見極めそれに乗りつつ」という部分をまさにやっています。
ゾイドワイルドの仕様は今のキッズに最適化されている。特にミリタリー要素を省き冒険ものを強く意識した世界観。キャラデザインは今の時代をよく示しています。
公式インタビューでも今の子に併せた仕様とたびたび言及されているのは周知の通り。

それはゾイドに新規層を惹きこむ最初のフックになったでしょう。
そしてそれだけではない。挑戦、新しい価値の創造・再発見も存分に盛り込まれています。

「動くプラモ」というものが市場から消えて久しい時代です。
今のチビッコはプラモが動くなんて未体験。そこにゾイドをぶつけてみよう。
ギミックの楽しさを伝えよう。それでもう一度ブームを起こそう!
この事がまず凄い挑戦、価値の創造・再発見だと思います。

仕様も「ランナーから切るのが当たり前」そんなプラモ業界に「ランナーレス」で挑んでいます。
ゾイドワイルドは、組む中でギミックの仕組みを理解し、組み上げて動かす時に大きな感動があります。
ランナーレスだから、より強調されてそれが伝わります。これは組んでいて強く思いました。
ランナーレスの仕様はゾイドの動くという部分をより分かりやすく伝えています。

大きな価値の創造が感じられます。
そんなシリーズだからこそ大きく惹かれ、また予想以上の売れ行きを出しているのだと思います。

新しい価値の創造がどれだけできるか。新しい価値をどれだけ分かりやすく魅力的に伝えるか。これはとても重要だと思います。
それが鮮烈であるほど大きなムーブメントを起こします。

今後展開する中でも更に新たな価値は示されるのか。
パラダイムシフトを起こしてくるのか。この事にも注目して行きたいところです。


ときにゾイドワイルドではカスタマイズパーツは出るんでしょうかねぇ。
これは、やはりあれだけハードポイントがズラリあるので期待しているところです。
頂点部にモールドがあるので何も付けなくても見栄えは高い。でもやっぱり付けたいよなぁ~と抑えきれない気持ちが高ぶります。

機獣新世紀ゾイドは1999年8月にキット販売がスタートし、8ヵ月後の翌年4月にカスタマイズパーツが発売されました。
ゾイドワイルドは現在キット販売から2ヵ月です。
今後出るのでしょうか。楽しみです。
その時に重火器……要するに従来シリーズ的な装備が出るのかどうか。
これはどっちだろう。というのもドキドキな所です。

多分ガチガチにその方向にはならないと思います。
ブースターやウイングなどの装備、あるいは格闘用武器が多いと思います。

ただゾイドシリーズの火器デザインはどれも凝った造形で最高です。
武器だけでもいつまでも見ていたくなる良さがありますね。なのでまた新しい火器デザインを見たいとも思っています。

ミリタリーものが今は思ったほどウケない。だから世界観を今の感じにした。
それは当然そうだと思いますが、そこで「ウケないからやらない」にするのではなく、今のキッズに受けるように示す事ができないか。
そういう検討もあるといいんじゃないかなーと思います。要するにこの面でもパラダイムシフトを起こすことはできまいかという考えです。
(もちろん検討した結果としてやる/やらないどちらの判断になったかというのは別問題です)

まぁ、カスタマイズパーツが実際どうなるかは分かりません。
そもそも出るかどうかも分かりません。
でも挑戦するシリーズを見ていると、ちょっとそんな期待もしています。
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