歴戦のマッドサンダー

問い合わせをしていただきました! のでそれについてです。
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ゾイドのマッドサンダーに憧れこの度購入致しました。
ネットで、検索していたところ、ホームページにあげられているマッドサンダーの塗装のクオリティの高さに感動し、自分も同じような形で塗装したいと考えております。
大変恐縮ではございますが、もし分かりましたら、各パーツの塗装の下地の色や、仕上げの色の種類を教えていただくことは可能でしょうか。
また制作過程でのアドバイスやテクニックなどおりましたら大変嬉しいです。

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ありがとうございます!

これですね。
歴戦のマッドサンダー。

そのように仰っていただきとても嬉しいです。
製作工程を思い出せる範囲で書きます。

技術的にたいした事はしていないです。というのも模型的なスキルはあんまりありません。
ただ「技術がなくても思い通りの仕上げにしたい」と思って作った作品ではあります。
参考になる部分があれば幸いです。


■歴戦のマッドサンダーの基本の考え■
マッドサンダー=巨大ゾイドです。デカい=塗る面積も多い。塗装するのも大変です。
なので途中で力尽きないように、ものぐさでも完成できるように作りました。

おそらく多くの場合において、模型の塗装は「薄く綺麗に均質に塗る」ことを目指していると思います。
ただし本作においては「ムラがあってもいいじゃないか」という考えを前提にしています。

特に古い兵器においては近くで見るとあんがい塗膜くが厚ぼったい場合があります。

これは前線部隊に塗料(ペンキ)を送る→現地の者が合間の時間で塗るという対応をする場合があるからです。
また現場で酷使された機体は色も日焼けなどによりムラが出てきたりします。
このような考えにのっとり、ムラがあってもいいじゃない!それもまたリアルじゃない! という前提を置きました。


■塗料と筆■
塗料は水性アクリル塗料を使い、筆塗りをしています。
理由はいちばん手間がかからないからです。
塗料は同じ色で「ツヤ」「半ツヤ」「つや消し」の3タイプがありますが、全てつや消しで行っています。

具体的に言うと装甲の灰色部分にはタミヤカラーの「XF-12明灰白色」を使っています。
元の成型色に近い色です。

マグネーザーには「XF-1フラットブラック」を使っています。

その他の部分はすみません、、、番号を覚えていません。ただ成型色に近い色を選んで使いました。
色は厳密にこの色じゃなければダメということはないと思います。
塗料はフタの色がその色になっていますので、売り場でこれが近いかなーという何となくで決めています。


ちなみに私はタミヤカラーを使っていますが、クレオス社から出ている水性ホビーカラーを使用しても良いでしょう。
たいていにおいてホビーショップに行けばクレオスとタミヤの水性アクリル塗料はズラリ並んでいます。
(どうでもいい話題だけど昔からプラモをやってる方はクレオスよりグンゼと言いたくなるよね)

筆は普通の平筆です。面倒くさいので1本で塗っていたと記憶しています。
たいていは塗料売り場の横に置いてあるので、1本買っておけばOKです。


■塗りかた■
平筆で塗るだけです。
やはり塗装をすると表面の質感が変わりますね。プラスチックの質感から本物のような質感に変化します。

模型誌やwebで講座を見ると、
①パーツを洗う(パーツついている離型剤を落とす)
②下地処理をする(サーフェイサーを塗る)
③塗装をする
という手順になっていると思いますが、なにぶん大変なので③だけしかやりませんでした。いきなり塗ります。

①の離型剤とは金型から外すために必要なものです。
分かりやすく言うとタイヤキの焼き型に油を塗っておかないとひっついてしまいますね。
プラモの成型時も同じ事が言えます。成型後に型からきれいにはがれるように離型剤が塗ってあるわけです。
これが製品にも残っています。
残っていると塗料をはじいたりして塗膜が多少汚くなります・・・が、気にしません!
なぜかというと「基本の考え」で述べた通りムラがあってもいいじゃない! 汚くてもいいじゃない! それもまたリアルじゃない! という考えをしているからです。

②の下地処理ですが、サーフェイサーを塗ってから塗装をすると発色が格段に良くなります。が、①と同様に特に求めないので省きました。

いきなり塗ります。
塗りですが、筆でやるとどうしても筆跡が出たり塗りが均質にならなかったりします。
出来るだけ丁寧にやりますが、どうしようもならない場合は特に気にしないで進めます。


本作は元の色に近い塗料を選んで塗っています。
これは私が「マッドサンダーの配色が好きだから」でもありますが、「元の色に近ければ多少の塗り残しや色ムラが出ても目立たないから」でもあります。
分かりやすく図解しましょう。


ヘタッピに塗って塗膜がこんな感じだったとします。厚い部分や薄い部分がある。

下地と塗りの色が違うと…、

塗膜が薄い部分において下地の色が透けて見えますので違和感が出てしまいます。

しかし下地の色と塗りの色が近いと…、

透けていたとしてもほとんど分からない感じになります。

むろん厳密に全く同じ色ではないのでよく見ればムラがわかります。でもそれはそれほど気になるものではありません。
これくらいのムラだと「現場で酷使されて塗膜があせてきたんだろう」くらいのリアル感に感じられると思います。

(サーフェイサーは元と違う色にしたい…例えば青いシールドライガーを黄色く塗りたいような場合は必須と思いますが、私の場合は似たような色に塗る場合は省く場合が多いです)

質感については、多少塗りにムラがあってもばっちり良い質感になります。
塗り残しにさえ気をつければ、あとは多少ムラがあっても大丈夫でしょう。出来るだけ丁寧に、という位で進めます。
その他で気をつけることがあるとすれば…、乾くまでは触らないくらいでしょうか。


書いていて改めてものぐさ仕様なやりかただなぁ・・・と思いました。ズボラ塗装ですな。
ズボラと言えば筆の洗い方もズボラでした。
1本しか筆を使っていない上にそこまで丁寧に洗わずに使いまわしていました。いやもちろんジャブジャブ洗いはしますが、そこまでド丁寧にはしていませんでした。なので「奥の方にわずかに黒い塗料がこびりついてる」ような状態で灰色の塗料の塗りに入ったりしていました。
これをするとどうなるかというと、灰色を塗るとき筆の奥の方から残った黒塗料が染みてきます。
でもなにぶん少量だからそれほど気になりません。否むしろ、その染みによって色がわずかに変わる。それが戦場で使い古された感を出したりします……出したりするんだ……とズボラに言い訳をしながらテンションを保って作業します。


基本塗装はこんな感じです。次に仕上げです。

…そうそう、テクニックというほどではないんですが本機は幾つか傷を付けました。
これは使い古して切れ味の悪くなったニッパーを使って傷を付けています。


こうやって敵と対峙したらこの辺に被弾するかなー…と考えながら付けています。

これは基本塗装の前に行うと良いですが、塗った後でも別に構わないでしょう。後からやる場合は、その部分だけプラスチック地が出てしまうと思うので、追加で塗装しましょう。

んで基本塗装ができたら仕上げですね。
ここで使うのは「銀(アルミシルバー)」「茶色」と「黒」「土色」です。

私のやり方はかなり特殊だと思うんですが、まず銀を使っています。
筆に、わずかだけ銀塗料を付けます。
次に、水にドボンとつけて軽く洗います。
次に、自ら出して軽く水を落とします(洗いバケツのフチで2~3回ほどなでる程度)。
こうすると、筆が「水多量・銀塗料ごくわずか」な状態になります。
この状態でパーツ全体を適当に塗ります。すると銀塗料が全体にわずかに付着します。何となく金属感がUPする気がします。
好みの銀具合になるまでやります。

茶色と黒は汚れとか錆びの表現に使います。
私の場合は、筆に黒塗料を付けます。次にそれを水で洗います。
銀の時と同じように、軽く水を落とします。その状態で塗ります。何となくここが汚れそうかなーと思う箇所は多めに筆を入れます。
茶色も同じようにします。

「傷付け」をやっていた場合は、その部分に茶色、黒、銀を多めに塗って、いかにも傷ついた感を出すといいですね。

マグネーザーのような格闘戦で多用するであろう装備には銀でドライブラシをかけました。
ドライブラシは
①筆を銀塗料につける
②塗料をふきんなどで可能な限り落とす
③パサパサになった筆でパーツ表面をこすると、わずかに残った銀がパーツに塗られる
というやつですね。エッジ部分をなぞるように付ければそれっぽくなると思います。


全部やったらこんな感じに。

あとは、脚などには歩行時に付くであろうドロ汚れなどを表現しました。
(私はXF-59 デザートイエローの色が好きなのでそれを使っています)
これはドライブラシと同じように付けています。
ただドライブラシはエッジを立てるように行うのに対して、ドロ跳ねのような動きで黄色を付けるのが違いですね。


仕上げはどの順でやっても良いと思います。また好きな具合になるまで繰り返しても良いと思います。

あとはデカールを張れば完成です。
デカールはゾイド付属のシールよりもスケールモデルなどの水転写デカールの方が綺麗です。図案はゾイドシールの方がそれっぽいんですが…。
最近は模型店で水転写デカールが豊富に打ってあるので、好きなものを探して貼ります。

そんな感じでできています。

私のやり方はかなりズボラなやり方です。たぶんモデラーの方が見れば憤慨するような足り方じゃないかなー。
でもまぁ、楽しめて完成すればOK! という感じで。
参考になれば幸いです。
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