ゴムの劣化の話

問い合わせを頂きましたのでそれのテーマで!

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先日、機獣新世紀時代の未組立ゾイドを購入し、組んだあと部屋に飾っていたのですが、1,2カ月ほどでゴムキャップが割れてしまいました。
20年前の物だし仕方ないかと思っていたところ、最近になり部屋にあったギルラプターのゴムキャップも割れていることに気付きました。
他のワイルド世代のゾイドも確認したところ、ナックルコングやガブリゲーターなどデスメタル陣営のゾイドにキャップ割れが多く見つかりました。しかもディロフォスのキャップまで割れており、劣化の早さに驚いています。
そこで三式さんに教えていただきたいのですが、そもそもゴムキャップはどういった仕組み(原因)で割れてしまうのでしょうか?
これ程早く割れてしまった原因が気になります。
また、ゴムキャップを割れにくくする対策などあれば合わせて教えていただけると幸いです。

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ありがとうございます!

ゴムキャップですね。
ホントにゴムキャップはゾイドのアキレス腱ですね。
劣化前提で考えるべき素材なので、ぜひとも単品販売してほしいんですけどねぇ……。

個性派な色のキャップは替えが難しいという問題もありますね。
たとえばシールドライガーの白キャップとかデスピオンの青キャップとか。
ダメになったら替えがねぇ…!
黒、灰色とかだと別のゾイドの余りを流用したりしやすいんですが。

しかし、ワイルドも割れはじめていますか……。第一弾ギルラプターはともかくディロフォスは最近のゾイドですねえ…。
うちのワイルド機は全て無事なんですが、個体差もあるのかもしれませんね。
ただうちのワイルド機の全てがアタリ個体で、問い合わせ主さんのワイルド機がハズレ個体だったというのは考えにくい。
おそらく飾り方などの差かなぁと思いました。

といっても私も専門家ではないのである程度の知識と経験でしか答えられません。
完璧にあってるかどうかも分かりません。
その前提で以下、お答えします。


~ゴムの劣化の原因~

[オゾン劣化]

大気中に微量に含まれているオゾンがゴムを劣化させます。
「大気中にある=常に触れている」なので、当然ですが時間と共に劣化は進行します。
なにぶんオゾンは大気中に常に存在するので防ぐ事は不可能です。
強いて言えばケースの中に密封して入れておけばマシにはなるかも……。

オゾン劣化が起こったゴムは垂直方向に裂けます。
ゾイドのゴムキャップもよく垂直方向(縦方向)に避けます。

この赤で示した部分が割れてる感じ。よくありますね。

この原因がオゾン劣化と推測できます。
対策は上記の様に基本的に不可能ですが、「表面にワックスを塗る」又は「オゾン劣化防止剤という製品があるのでこれを塗る」方法があります。
私は試した事はないのですが、これをやってみてもいいかも……。

ワックスはゴム表面に薄い皮膜を作り保護する物理的保護。
オゾン劣化防止剤はゴムとオゾンの反応を抑えて劣化を防ぐ科学的保護です。
ただしワックスやオゾン劣化防止剤は通常、自転車や車のタイヤにするような対策です。
これをゾイドのキャップに使うことは果たして可能なのだろうか……という疑問があり試せていません。


[光酸化劣化]

日光などに含まれる紫外線、放射線、光そのものの影響でゴムが劣化します。
これは置き場所を変えることである程度は防ぐ事が可能です。
直射日光が当たる場所を避け、日陰になる部分に飾ると良いでしょう。
ただし光は反射するので、直射光を防いでも完璧とは言えません。


※画像は国土交通省HPより

上図の通りです。なかなか難しい……。
ですが、直射光を防ぐ場所に飾るだけで随分改善します。
また、見ない時は上に布をかけるなどをすれば更に改善するでしょう。それをするとついでにホコリ対策にもなります。
面倒くさいんですけどね……。

お金を惜しまないなら……、UVカット仕様のアクリル板やPET板があるので、それでショーケースを作るのもアリかも……。

光酸化劣化が起こったゴムはランダム方向に裂けます。オゾン劣化と同時に起こった場合は、全体がボロボロと崩壊するように崩れます。

ところで、光酸化劣化は劣化しやすい色としにくい色があります。
レッドホーンやモルガなどのライトグレーのキャップ。これは最悪です。
逆にゴジュラスやストームソーダーなどの黒キャップ。これは非常に強いです。
なぜかというと明るい色の方が光の影響を強く受けるからです。

赤、青、緑などのキャップは黒色ほどではないが割と強い印象です。
クリアーは……よくわかりません。ただ透明なのでパーツ内部で光が反射すると思います。なので強くはないと思います。


ゴムの劣化の代表的な原因は上の2つです。
その他は…、


[熱や寒さによる劣化]
これは夏の暑さでへばる。冬の寒さでへばるということです。
ゴムには耐熱性や耐寒性があります。これは通常は夏の暑さや冬の寒さに耐える設計ですが、長年使い続けると少しずつ劣化し次第に耐えられなくなります。

高温ではゴムに亀裂が入りやすくなります。
低温ではゴムが硬化し、酷くなると「結晶化」と呼ばれる状態になります。結晶化したゴムとはカチカチになったアレです。

両方とも、瞬間的に熱くなったり寒くなったりする程度なら大丈夫です。しかしその温度のまま長時間が過ぎると徐々に影響が出てしまいます。

昨今は夏が異常に暑くなりました。高温の劣化は起こりやすくなっていると思います。
気をつけたいところです。

対策としては、暑い時は室温に気をつける位かなぁ……。
寒い時は、キャップをはずして湯に漬けるとかしています。


[経年劣化]
長年使うことによってゴムが疲労し劣化するものです。
これは仕方がない事です……。

ただし、はめたままで置いておくと劣化は早まります。
たまに外して適度にほぐすと、若干は寿命を延ばせます。ストレッチをさせるようなことです。
もっともやりすぎると逆にユルくなったりして逆効果です。
このタイミングというのは難しいので各人で感覚をつかむしかないと思います。


もちろん、劣化はどれか一つの原因で起こるわけではなく、色々な原因が複合して起こります。
「どれか一項目を完璧に」ではなく「できるだけ色んな要素を広く浅く対策」した方が効果が上がると思います。


ここからは補足です。

[ブルーム/ブリード]
ゴムの表面に白い粉が吹くことがあります。これをブルームと呼びます。
ゴムの表面に液がしみ出てくることがあります。ゴムが汗をかいたような状態です。これをブリードと呼びます。

温度差がある場所に長期間置いておくと発生します。
ゾイドの場合、特にブリードが起こりやすい感じがします。


画像だと分かりにくいと思いますが、ブリードしてます。
個人的な感覚ですが、白や灰色のキャップはブリードしやすいと感じます。

これが起こっても特に品質上は問題ない……そうです。しかし私の経験上の主観だと、ブリードは劣化のサインという印象があります。
ブリードしてるけど品質は問題ないというケースは稀で、ブリードしてるキャップは硬化していたりする事が多い感じです。
できるだけブリードを見ないように日々の管理をしようという事でしょうか。


[黄ばみ]
これはゾイドではおなじみですね。
プラと同じく、表面に付いた皮脂などが化学反応を起こして黄ばみを作っていると思われます。
触る際は石鹸で手を洗ってから。これをするとだいぶ改善できるでしょう。
黄ばんでしまったらワイドハイターEXで。


☆劣化が起こりやすいキャップ☆
ここまではゴムの品質に関係なく、劣化のメカニズムを解説しました。
しかし当然ながら劣化はゴムの品質そのものにも左右されます。劣化しやすいゴムと劣化しにくいゴムがあるのです。


[金銀キャップ]
新世紀版ヘル・ディガンナーの銀キャップなどの、光沢粒子の入ったキャップは他に比べて脆いです。
これは光沢粒子が非常に粗いから、そこを起点にして裂けが発生しやすい為です。


[一部の生産時期のキャップ]
どのゾイドが、とは言いかねますが、異常に脆いキャップがあります。
うちのゾイドだと恐竜博レッドホーンのキャップが異常な速さで硬化し触るだけでボロボロに崩れました。明らかに他のゾイドにはない酷い状態でした。
時期によっては品質が低下しているキットがあるのかも……。
特に機獣新世紀~ジェネシスの海外生産ゾイドは品質が安定していない傾向にあります。

限定ゾイドの「白レドラー」のキャップは低品質の上に金キャップなのでダブルで酷いキャップだったようです。
残念ながら低品質のキャップには対策がないと思います。
代替で他のゾイドの余りキャップを付けるしかないでしょう。同じ色のキャップがあれば良いのですが……。


そんな感じでしょうか。
あまり対策を語れていない気がしますが、少しでも参考になれば幸いです。
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