電ホビ@1999

今月から電撃ホビーマガジンの資料を改めて整理しています。
今までももちろん綺麗に整理していたんですが、更に綺麗にまとまらんかなーと思って改定に踏み切りました。
電ホビは……、ホビージャパンなどと違って、残念ながらこれ以上増える事がないであろう媒体。
なので、決定版な整理がしやすいです。
まだ作業途中なんですが、ほぼ完成に近づいてきました。



今まで使っていた中程度の厚さのファイルを廃止し、太めのファイルに換装しました。
上が新しいの。下が従来の。
厚みの差は見ての通りです。
新しいのは読みやすさを保った中で最も太いのにしました。
背表紙も改定し、年数を入れるなどより見やすくしました。


中表紙も凝ってます。ただしこれは以前からしていました。


インデックスも当然付ける。
これを見ているだけでニヤニヤ出来るようになってくると通です。あるいは末期ともいう。

それにしてもファイリングは凝れば凝るほど面白くなってきます。
今回の改定でファイルが見やすくなってたいへん満足しています。

さて電ホビを整理しているので、今回から、不定期で何度かに分けて電ホビを見つめなおしていきたいと思います。


整理にあたって全号のゾイド記事を見直したんですが、色々とこみ上げるものがあります。
1999年1月創刊。2015年7月号休刊。その間、ほぼ全号にゾイド記事が載っているという凄まじい雑誌でした。
ほぼ全号というのは末期の一部にはゾイドが載っていない事もあったということです。
まぁ、幾つかの歯抜けがあるのは仕方がないですね、、、、。ゾイドが展開していない時期があったし……。

しかし本当にゾイドにとってありがたい雑誌でした。
この本がゾイドに果たしてくれた貢献は本当に計り知れないと思います。
機獣新世紀ゾイドの初動は凄かった。電ホビが旧ファンを掘り起こした功績は特筆すべきでしょう。
コロコロは2002年に入ると徐々に息切れが目立つようになり、ゾイド特集がパワーダウンしてしまった。
ブロックス登場時期からは「バトスト」が掲載されない事も多くなった。
電ホビはそれを補うように設定面を掘り下げる特集記事の掲載を開始。ヘビーユーザーを大いに楽しませてくれた。
その後も非常に濃い特集を継続。
ゾイドが本当に苦しい時期にもそれは変わらず、リバセンやゾイドオリジナル(ゾイドSS)では展開の中心メンバーにもなりました。
本当にありがたい雑誌でした。


さて一回目の今回は、1999年のゾイド記事を振り返ってみたいと思います。

1999年

1999年の電ホビは「Zの伝説」というコーナーで毎号2ページずつゾイドを特集していました。
創刊時期はまだゾイドが復活する前でした。
なので、内容はいわゆる”旧ゾイドを紹介する”というものでした。
途中からはお便りコーナーや当時のゾイド公式HPの紹介も加わりました。


お便りコーナー。オルディオスの話題ですね。
「編集部では後期ゾイドの再評価が進んでいる」から分かる通り、この時期はファンの間で「末期=戦犯」な風潮がかなり強かった時代でした。

8月にゾイドは機獣新世紀ゾイドとして復活しますが、この年は12月号までずっとZの伝説として”旧ゾイド”を紹介する内容でした。
新世紀のキットは「発売日の告知」がされている程度です。


だいたい1/6ページ程度。
ちなみに隣の表は電ホビで集計した再販希望ゾイドアンケートです。
ウルトラザウルスが1位!

さて”旧ゾイド"の紹介ですが、これが大変な事だったとか。
というのも当時のモデルなんてなかなか用意できない。編集部やその知人が所有するものをかき集めてページを作ったそうです。
面白いのは4月号のサラマンダー。


墜落シーンのように写されていますが、実は部品が足りずに組み立て不可。それゆえこのようになったんだとか。
その他にも海外版で代用したものが多かったり、かなりツギハギな感じでありました。
(逆になんで海外版があったんだよという気もしますが……)
末期にはトミーからキットを借りる事もあったそうです。

毎号2ページずつ…というと少ないと感じるでしょう。
しかし本のサイズはA4。コロコロの倍です。情報量はかなりありました。
特集について補足すると、機体の簡易な解説、当時のゾイドスタッフへのインタビュー、当時の開発スケッチ、幻の未発売ゾイドのスケッチなどなど、非常に貴重な内容でした。


マルダーのスケッチ。完成形に近いですが、砲の配置や形状が微妙に違います。
とにかく夢のような内容でした。

1999年の電ホビは、1月号から12月号まで全て「Zの伝説」です。
8月のゾイド復活以降も、新キットではなく旧ゾイドを紹介する内容でした。
紹介は1月号がゴジュラスで12月号がキングゴジュラスです。初期~末期までを一年かけてカバーする内容でした。
多分ですが、これは当初の企画から「一年かけてそうする」となっていたのでしょう。その貫く姿勢はとても良かったと思います。

電ホビは”旧ファン”を眠りから呼び覚ましたわけです。なので呼び覚ました者としての責任として、最終局面までを紹介したのでしょう。
復活以降すぐに新キット紹介に移行するのではなく、あくまでこの年は旧ゾイドを扱う。それはとても誠実だったと思います。
また、そうはいっても新製品の発売日告知などは不足ないようにされていました。
これは先に書いた通りです。このバランス感覚もとても良かったと言えるでしょう。


1999年のゾイド記事はそんな感じでした。

模型誌として、こういう試みはかなり珍しいんじゃないかな、と思います。
模型誌なのに改造するわけでもなく、ただただ「紹介」や「お便りコーナー」で構成するというのはとても珍しい感じがします。
絶版キットの特集が「単発」として一号だけ載ることはあります。しかし「連載」として一年も継続して行われたのはかなり異例です。
改造がないのは「貴重な旧キットを潰せるか」という事だとは思います。ただ、それならそもそも模型誌でゾイドを扱い始めた理由は?

私が思うに、電ホビというのはホビージャパンから分家した模型誌です。ただし内容は純粋な模型誌というより、ホビー誌の要素も混じった感じでした。
ここで言うホビー誌は「フィギュア王」「QUANT」「ハイパーホビー」などを指しています。
「模型の作例はない。ただ新製品の紹介やテーマを決めた特集やメーカーインタビューが充実してる」感じの雑誌です。
電ホビは創刊号からガンダムやスケールモデルの改造や作例が充実していました。それに加えてゾイド特集のような「模型誌…?」というページも多くありました。
「模型誌+ホビー誌」という複合な感じがします。

なぜこうなったかというと、私は以下のように考えます。
98年はホビー業界に大きな動きがありました。
「ペットボトル飲料にボトルキャップフィギュアがオマケとして付属」これは今日では珍しくもない事ですが、日本で初めてされたのがこの年です。
ちなみにペプシマンのフィギュアです。「デッデーデレ・デッデーデレ・デッデーデレ・ペプシマ~ン!」なCMを覚えている方も多いでしょう。
ペプシマンのCMやボトルキャップフィギュアは大きな話題になり、全種をコンプするコレクターも現れました。
この手の需要が高まってきた草創期です。

この流れを決定的にしたのが99年に大ヒットした「チョコエッグ日本の動物シリーズ」です。
これ以降、チョコエッグに続けと空前のブームが起き様々な食玩やペットボトルフィギュアがリリースされました。
(このころの私は海洋深層水MIUに付いてる深海魚フィギュアを集めていました)
これらは「シークレット」の存在も話題をさらいました。

数が増えれば造形レベルも上がる。食玩のレベルが上がれば食玩じゃない方のフィギュアの造形レベルも上がる。
食玩じゃない方のフィギュア……、私はこの時期のホビー業界でホットだったのは美少女フィギュアだと思います。
90年代中期~後期は、パソコンの性能向上と個人への普及がすすんだ時期です。
電ホビ誕生前夜というのは、「下級生とかTo Heartとかの美少女ゲームが大ヒットしフィギュアも人気を博する。
人気なので沢山作られ造形レベルが飛躍的に向上する」そんな時期だったと思います。
もちろんこの手の需要は昔からありましたが、パソコンの普及と大ヒット作によって一気に広まったという意味です。

こうした流れ・時期の中で誕生した電ホビ。
ホビージャパンから分家した電ホビは「ホビージャパンに勝つ」事を目標にしたでしょう。
その秘策として「模型誌+ホビー誌」のスタイルを採用したのだと思います。
その読みは正しかったと思うんだよなー……。
ホビージャパンも脅威を感じたのか、後に電ホビに追従するように同様のページを多く持つようになりました(特に版をA4に改定してからは顕著)。

さて、そんなわけで模型誌+ホビー誌のスタイルで始まった電ホビ。
そのスタイルゆえ、ゾイドが紹介されたのだと思いました。

今回は1999年のゾイド記事と電ホビの研究をしました。
2000年以降の記事は次回へ続きます。
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