歴史が動く瞬間

以前、こちらの記事を書いたことがありました。
今思い返しても興奮せずには居られない。

学年誌の付録として手に入れた、幻の新ゾイドバトルストーリー2巻、メカ生体ゾイドバトルストーリー完結編の話です。
諸般の事情があり(ZAOD展示会の慌しさなど)、なかなかスキャンして画像を綺麗にして皆さんにお見せできる機会が訪れなかった事、お詫びいたします。

しかし今回ようやく、スキャンして綺麗な画像をお届けできる準備が出来ましたので、UP致します。


さて前回は、全12ページある新ゾイドバトルストーリー2巻、メカ生体ゾイドバトルストーリー完結編の内、前半1/3にあたるの4ページを掲載していました。

一応、もう一回掲載しておきます。


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中央大陸、共和国領のバレシア軍港はおだやかな朝を迎えようとしていた。
しかし基地のレーダーが暗黒大陸から飛行してくるゾイドの姿を捉え、けたたましいサイレンの音を鳴らし、静寂は一瞬で立ち消えてしまった。
そのゾイドは魔の怪鳥、ギル・ベイダーだった。
湾内に置かれていたウルトラザウルス、ゾイドゴジュラスが直ちに自動迎撃システムに切り替わり、激しい対空砲の嵐をギルに浴びせかける。
しかしギル・ベイダーはひるむことも無く一気に高度を下げ、猛烈な勢いでウルトラの側を飛び去った。
その風圧で海は荒れ、ウルトラの巨体が天に舞い上がる。
続いてゴジュラスも吹き飛ばされ、一瞬にして湾内の部隊は壊滅してしまった。

前年、ギル・ベイダーを完成させた暗黒軍は勢いに乗り、このところ連日のように中央大陸を襲撃していた。
マッドサンダーやサラマンダーF2の力をもってしても防ぎきれないギル・ベイダーの恐るべき能力に、共和国軍はかつてない恐怖を覚えていた。
共和国大統領のヘリックは、暗黒大陸に潜む恐怖の皇帝ガイロスの姿を思い身震いし、何とかしてこの状況を打開しなくてはと固く決意していた。
そしてその決意は今、新型ゾイドの完成という形を持って現実になろうとしていた。
ギル・ベイダーに唯一対抗可能な共和国最新鋭ゾイドであるオルディオスの量産体制が整い、急ピッチで生産が開始されたのだ。

ギル・ベイダーの襲撃に、完成したばかりのオルディオスが勇ましく飛び立ち、今、軍港に到着した。
共和国軍はようやく、ギル・ベイダーに対抗する力を得つつあった。

②オルディオスはギル・ベイダーに向けて一気に加速すると、サンダーブレードの強烈な一撃を浴びせた。
最高速度では劣るものの、加速ではオルディオスはギルを凌ぐ。
ギル・ベイダーのツインメイザーが粉々に吹き飛んだ。


ツインメイザーを破壊されたギルは、怒りに燃えてオルディオスを迎撃する。
最高速度で勝るギルは、ジリジリとオルディオスとの距離を縮めてきた。
しかしオルディオスのパイロットは、その事は承知の上だった。
オルディオスは、あるポイントへとギルを誘導していた。

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低空を飛ぶギルがビームスマッシャーの射程に捉えようとした瞬間、ビルをぬって改造ゴジュラスが現れ、必殺のレーザーネットをギルに浴びせた。
レーザーネットはギルを覆い、がんじがらめに締め付けた。
しかし怪力を誇るギルは、機体を揺さぶり強引に飛び立とうとした。
頑丈なゴジュラスのボディーがギシギシと嫌な音を出し始めた。
しかしこの瞬間が、オルディオスに貴重な反撃の時間を与えた。
反転し、一気にギルへ向け再加速する。


頭部のサンダーブレードにエネルギーを最大限に送り込む。
瞬間、オルディオスの前方の空気が、あまりの電磁波に耐え切れずに激しい音を立てる。
そのままギルに突っ込み、巨大な翼に必殺の一撃を叩き込んだ。

頑丈なギルの翼がバラバラになってはじけ飛ぶ。
しかしゾイド生命体の生きていたギルは、体制が不利と見るや緊急用ロケットエンジンを点火し、暗黒大陸へ逃走していった。
からくも中央大陸は守られたが、オルディオスには、もう追撃するだけのエネルギーは残されていなかった。

この年、共和国軍はオルディオス、バトルクーガー、ゴッドカイザーなどの新鋭機を次々に完成させ、ようやく対ギル・ベイダーの戦術を確立させつつあった。
また同時に、貴重な犠牲から得た戦訓により、ゴジュラスはじめ共和国の従来機も、対暗黒軍用に次々改造されパワーアップを果たしていた。
しかし同時に、正面からギルを倒せる共和国ゾイドが居ない事も確かであった。
また、オルディオスはじめ新鋭機がそろってかかれば、ギルを迎撃することは難しくなくなっていた。
しかし驚異的なパワーを誇るギルに、いつも手痛い被害が出るのは確かであり、またいつも撃墜に至らず取り逃がしている事も事実だった。

共和国軍は、オルディオスの増産を続ける一方、何よりギルを超えるゾイドの開発を急いでいた。



今回は、この続き4ページを掲載いたします。
なにぶん古い本のスキャンで、その扱いに苦労しています。
なかなか一気に出来ない事を再度ご了承願います。

次からは、ガン・ギャラドなど登場します。

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オルディオス始め、強力な新生共和国ゾイドは、着実に暗黒軍を追い詰めていった。
空ではバトルクーガーが機動力を遺憾なく発揮し、地上ではゴッドカイザーの格闘力がものを言った。
オルディオス隊と連携し、ゴジュラスやマッドサンダーなど、既存の部隊の活躍も、再び勢いを戻していた。
一時期、中央大陸への侵入を許した共和国軍であったが、その勢いはもはや、暗黒最強のギル・ベイダーの力をもってしても、防げなかった。

全軍からも、もはやギル・ベイダーは決して勝てぬ敵ではないという意識が芽生え、士気もいよいよ高まっていった。
ここへきて、共和国軍総指令のヘリックは、重大な決断を下した。
「この勢いに乗じ、一気に暗黒首都・ダークネスを攻略せよ」
その言葉は全ての兵士が待ちわびた言葉だった。
「大統領、作戦は?」
湧き上がる歓声と質問に、ヘリックは作戦内容を説明した。
「オルディオス隊を前面に置き、ギル・ベイダーを絶対に阻止する。ギルさえ居なければ、マッドサンダーとガンブラスターの陸戦部隊が我が軍に勝利をもたらすであろう」
ひときわ歓声が大きくなり、ヘリック自身も思わず笑みを浮かべた。
同時に、思わず湧き上がる思いを抑え切れなかった。
弟ゼネバスがもし本当に生きているのなら……、
それは、数日後に分かるだろう…。
ヘリックは自身に言い聞かせ、作戦決行の合図を全軍に送った。


しかしこの時、ヘリックは、いや共和国の誰も知らなかった。
暗黒軍は早くも、対・オルディオス用ゾイドを完成させていたのだ。
ギル・ベイダーに続くドラゴン型として登場したゾイドは、名をガン・ギャラドといった。

飛行速度でオルディオスを凌ぎ、機動力でも互角を誇った。
火炎放射器やハイパー荷電粒子砲といった強力な火器に加え、キラークローやゴッドテイルと格闘用兵装も充実していた。
また何よりの特徴は、機体を飛行形態から格闘形態へ瞬時に変形できる事であった。
これにより空戦は勿論、地上での戦闘も強力なものになっており、その能力はマッドサンダーを以ってようやく互角という程であった。

戦場に登場したガン・ギャラドは、一直線に共和国部隊に襲い掛かった。
オルディオスでようやく互角といった呈で、他のゾイドはことごとく敗れ去った。
再び、ガン・ギャラドを護衛につけたギル・ベイダーが戦場に現れ、共和国軍の作戦は、脆くも崩れ去ろうとしていた。

暗黒軍皇帝ガイロスは、ガン・ギャラドの能力に自信を持ち、密かに決戦を決意した。
「共和国軍はひるんだ。今こそ機は熟した」
しかし彼には一つだけ、心配な事があった。
それはかねてより噂された、オルディオスとは別の、共和国新型メカの事であった。

-共和国が秘密基地で、ギル・ベイダーを超える超巨大ゾイドを作っている-
戦場では尽きない噂話で、彼自身本気にしていたわけではなかった。
だが幾多の死線を乗り越えてきたガイロスの本能は、この件を放置する事を許さなかった。
ガン・ギャラドを主力とした特殊部隊が編成され、共和国秘密基地へ襲い掛かろうとしていた。

共和国の島々に点在する無数の基地が、次々に狙われた。
成果は少なかった。
しかしそんな中、ついに有力な情報を暗黒軍はキャッチした。
偵察部隊として、密かに敵地に潜入していた隠密用ガル・タイガーが、かつてない規模の電力を使用する海底基地を発見したというのだ。
ついに、ガン・ギャラドは、共和国新型メカが開発されている、秘密基地への潜入を開始した。

海底基地へ進入するとすぐ、オルディオスを中心とした基地守備隊の精鋭がガン・ギャラドに襲い掛かった。
しかし火炎放射を広範囲に吐き出し、敵をひるませる。
今は敵を倒す必要は無い。
この隙に奥に忍び込み、噂される新型メカの情報を持ち帰る事が、課せられた任務なのだ。


敵を突破したガン・ギャラドとガル・タイガーが猛スピードで基地内を駆け抜ける。
混乱する共和国軍は、いまだに反撃の準備を整える事が出来ない。
勝利の女神は、暗黒軍特殊部隊に微笑みつつあった。


突然、目の前に守備隊のゴジュラスが現れた。
思わず立ち止まり、ハイパー荷電粒子砲を発射するガン・ギャラド。
だが弾はゴジュラスをそれ、基地格納庫の壁にぶち当たった。
破壊された壁から、濛々と煙が立ち昇り、たちまち一切の視界が防がれてしまった。



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奪われる視界の中、偵察型で赤外線装置を持つガル・タイガーが、格納庫の中へ飛び出した。
しかしそこで見たものは、既に完成し動き出した、あまりにも巨大なゾイドの姿だった。
絶叫に近い緊急通信が聞こえる。
「未確認共和国ゾイドを発見!しかしその姿は予想よりはるかに巨大で…」
それきり、ガル・タイガーの交信はプツリと途切れた。

共和国最終兵器-キングゴジュラス-は、あやうい所で起動に成功していた。
「ここが暴かれるとは予想外だったが、無事撃退出来て良かった」
「戦った後ですが、機体に異常は一切ありません。このまま戦えます」
「うむ。しかし、先の一大作戦が失敗した時の事を思って進めさせたこの開発だったが、見事役に立ったな」
「こいつはどんな敵にも負ける事はありません。最強の機体です。ご武運を、ヘリック大統領」

秘密基地でキングゴジュラスの開発指揮を執っていたヘリック大統領は、満足げに頷くと、そのままコックピットへ再び座った。


ヘリック大統領の乗る共和国最終兵器・キングゴジュラスは、海中基地から単機で浮上。
そのまま暗黒軍首都への進撃を開始した。
先の一大作戦で、共和国の精鋭は壊滅した。
あまりにも多い犠牲を前に、もはや次の作戦では自らが果てるまで、ヘリックは戦う覚悟であった。


群がる暗黒軍を片っ端から叩き潰す。
鬼神の如き強さ。
いつしか、キングゴジュラスの後には、わずかに残存した共和国部隊も続いていた。
「大統領、お供します」
いよいよ、本当の最終決戦が始まろうとしていた。



いやはや、やはりメカ生体ゾイドバトルストーリーは素晴らしいです。
この後、最終決戦が続きますが、そちらのスキャン&画像補正がすみ次第、出来るだけ早い段階で公開したいところです。

それにしても、それと同時に思うのは、これだけ凄い本を、付録で終わらせるのは本当に惜しかった。
今からでも再編してきちんとした本にならないのかなぁ…。
原版がもう無いんだろうか…。
何とかならないものかと、切に願うばかりです。
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コメント

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No title

去年はまんまとやられましたからね。
もう騙されないぞ!(笑)
(*´∀`*)

No title

今年は別のネタでも良かったんですが、続きを作りたくて^^

完結編は来年ですかねぇ?
楽しんでもらえたなら幸いです!
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三式

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