キングゴジュラスというゾイド

さて、バトリサ3巻のために、大陸間戦争の略年表を作っています。
新ゾイドバトルストーリーはオルディオス参戦で終わっている。
なのでそれ以降については極めて大変な作業ですが、ミッシングを解き明かす重要なものになるので気合を入れて頑張っています。

ZAC2051 
共和国軍VS暗黒軍の戦い…、大陸間戦争が開戦した。
デッド・ボーダー、ダーク・ホーンが猛攻を振るう。
共和国軍は暗黒大陸への上陸作戦を行ったが、強力な暗黒ゾイドを前に大苦戦し失敗した。


ZAC2052 
ガンブラスター完成。無敵の砲力でデッド・ボーダー、ダーク・ホーンを没落させた。
ガンブラスターを得た共和国軍は、再びの上陸作戦を敢行し今度は大成功させた。
暗黒経陸への上陸を果たした共和国軍は、内部へ向け順調に進撃していった。


ZAC2053 
10月、ギル・ベイダー完成。恐るべき能力で猛威を振るった。
不利になった共和国軍は、戦線を大きく後退させていった。
また、暗黒大陸内の共和国部隊だけでなく、共和国首都への空爆も敢行し大戦果を挙げた。


ZAC2054 
5月、作戦の不備によりマッドサンダー大部隊を一気に失う(トライアングルダラスでの海戦)。
共和国軍は総崩れとなり、暗黒大陸からの撤退寸前にまで追い込まれる。
6月、オルディオス1号機が完成し対ギル・ベイダー用として投入される。見事に勝利し共和国軍の戦線崩壊を防いだ。



-ここまでが新ゾイドバトルストーリーに掲載された内容-

ここからは、学年誌の記事を中心に戦史を読み解く必要があります。

ZAC2054(続き)
オルディオスが大活躍し、多数のギル・ベイダーを撃墜、あるいは撃退する。
ギル・ベイダーを無力化できた事から、共和国軍は再び前進を始める。


ZAC2055
順調に進撃する共和国軍。暗黒軍はアイス・ブレーザーやガン・ギャラドを完成させ抵抗した。
しかし、それでも苦戦し徐々に戦線を後退させていった。
ついに、共和国軍は暗黒首都近くにまで到達した。


9月、暗黒首都攻略戦が始まった。
同じころ、キングゴジュラスが海底に造られた秘密基地で完成しようとしていた。
完成したキングゴジュラスは、浮上しそのまま暗黒大陸へ上陸し猛威を振るった。


ZAC2056
暗黒首都が陥落する。残存する暗黒部隊は首都を放棄し逃亡した。

共和国軍はこれを追撃する。
ガイロス皇帝が最強合体ゾイド「ギルザウラー」でキングゴジュラスに挑むも敗北した。
これによりようやく平和が訪れたかと思いきや、彗星が飛来しグランドカタストロフが発生した。



という感じになるのかな とまとめました。

アイス・ブレーザーやガン・ギャラドの登場時期は迷いました。
学年誌情報だけだと、この両機が登場したのがZAC2054年なのか2055年なのかが断定しにくいです。
(学年誌にはZAC歴が載っている事は少ない)

ZAC2055年とした決め手は「ガン・ギャラドが戦況にそれほど影響を与えることができなかった」点です。
ガン・ギャラドはオルディオスを倒せる強力機です。
共和国軍が「オルディオスでギル・ベイダーを押さえたから再び進撃できた」のなら、そのオルディオスを潰せば再び力を失う筈。
しかし、そうはなっていない。それどころか、暗黒首都近くにまで攻め込まれる始末…。
この事から、「ガン・ギャラドは高い性能を持ちオルディオスキラーとして活躍する事が期待されたが、完成が遅れた事で生産が追いつかず、善戦しつつも局地的な活躍しかできなかった」と考えます。
すなわちオルディオスより1年程度遅いZAC2055年の就役と判断しました。

※以上は推測なので、異説はあると思います。[10好き]さんではガン・ギャラドをZAC2054年と推測されています。
 ですが、異説は認めつつもバトリサ3巻ではおおむね以上の年表を採用しようと思っています。

・・・ところで、改めて思ったのですが、ギル・ベイダーの完成がZAC2053年10月で、オルディオスの完成がZAC2054年6月。
ギル・ベイダーの無敵時代って1年にも満たないのか………。

参考までに、デスザウラーはZAC2044年に完成しZAC2048年9月(マッドサンダー登場)まで無敵時代を築いた。無敵期間は4年。
マッドサンダーは、ZAC2048年9月に完成しZAC2053年10月(ギル・ベイダー登場)まで無敵時代を築いた。無敵期間は5年。
(デッド・ボーダー参戦までを無敵期間とするならZAC2051年3月までとなるが、それでも2年半ある)

ギル・ベイダー……。もうちと頑張ってくれよ…。
まぁ、その一年にも満たない期間で暗黒大陸にある共和国部隊を壊滅寸前にまで追い込んだのだから凄い事は確かなのですが…。

対抗機が出るのが凄く早かったんだなぁ…。
デスザウラーへの暫定的な対抗機であるディバイソンは、ZAC2046年に登場しています。これはデスザウラー登場から2年以上経っています。
タイミングが早かっただけじゃなく、本来は「暫定的な」対抗機に留まるべきオルディオスがギル・ベイダーに完勝しちゃったのだから凄い事です。
ギル・ベイダー。悪魔のように強いゾイドですが、ちと哀れ…。

さて、今回の記事はここまでが前置き、ここからが本題です。
隕石衝突でうやむやになったとはいえ、上記の様に大陸間戦争は実質的に共和国軍の勝利で終わろうとしていた。
暗黒首都は陥落しガイロス機も敗北した(なお生死は不明だが、機獣新世紀バトストの描写を複合するなら生きていたと考えるべきか)。

共和国軍大勝利における最大の功労機はオルディオスで間違いないものでしょう。
大陸間戦争を極めて簡潔に書くなら、
●デッド・ボーダーやダーク・ホーンが猛威を振るう
●ガンブラスターがそれらを倒す。ガンブラスターを味方につけたことで既存ゾイド(マッドなど)も活躍の場を取り戻す
●ギル・ベイダーが登場し全ての共和国ゾイドに脅威を与えた
●オルディオスが登場しギル・ベイダーを倒す。共和国軍は勢いを取り戻し進撃を再開した。
●暗黒首都攻略戦開始。その最中にキングゴジュラスが完成し共和国部隊に合流する。
●共和国軍勝利

という感じ。

以前に「マッドサンダー不在の場合」というアンケートを行ったことがあります。
マッドが居なければ共和国は勝てたのか否か です。その時は意見が割れた感じでした。
ですが、「キングゴジュラス不在の場合」を行ったら、ほぼ全会一致で「共和国の勝ち」になるんじゃないかなぁ…。
だって、不在の時に暗黒首都にまで到達できているのだから、これはもうそのまま押し切れるでしょう。

こう考えると、ちとキングゴジュラスの意義が薄いなぁと思えます。
ですが、キングゴジュラスにもメカ生体シリーズの最強ゾイドとしての華は添えたいと思います。
「ダメ押しだった」
ではなく、確かな意義があった。必須だったというものが欲しいなぁ…と思うのです。


これを考えた時、やはり残念ながら戦史的な意義は薄かったと思わざるを得ない。
キングゴジュラス不在のままの共和国軍が暗黒首都にまで進撃しているのだから、それはもう言い訳ができないと思う。
多分、いやおそらく確実にいなくても勝っていた。

ですが、心理的な効果を生むために開発されたのだとすれば説得力があるかもしれないなと思いました。
不在のままの戦勝を迎えたら…、まぁ結果として戦勝なのだから構わないといえば構わない。

でも、共和国の国民からは「最強ゾイドは敵軍のものだった」と思われるのは色々と良くない。
敗戦国の民から「でも最強ゾイドは俺たちのゾイドだったじゃん」と思われるのも良くない。
戦後の政策を考えると、やはり共和国軍としては「何一つ言い訳ができないくらいコテンパンにやっつけた上で戦勝した」と思われる事が望ましかったのかなぁと思いました。

特にゾイド星人の気質を考えると「直接戦闘で最強」を印象付けるのは意味が大きいと思います。
圧倒的最強ゾイドで「強い共和国」を印象付けた上勝つのか、あるいは、ゾイドの強さでは負けていたが「国力の高さで勝っただけ」と印象付けられる差というか。
それにより戦後の政策に妙なシコリが出来るか出来ないかが変わってくるような気がする。
そんなわけで、もはや勝つだろうという見通しは立ったわけではあるが、それでもあえて「ヘリック大統領が乗る」という要素まで加えてあのようなゾイドが開発されたのかなあと思ったりしました。
キングゴジュラスは、共和国軍の強さの象徴として誕生したのである という風に思いました。

もちろん、ギル・ベイダーより更に強力なゾイドが誕生する事を見越しての開発だったのかもしれませんが。

キングゴジュラスは戦史研究をすると「こいつがいたから勝った!」にはなりにくいゾイドだなぁと思ってしまいましたが、それでもその意義を見つけ迫りたいなと思います。
キングゴジュラスが登場した意義。
中々に興味深いテーマだと思います。
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コメント

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No title

なるほど…勝つという見通しが立ったからこそ作る余裕があったのかもしれませんね。
ゼネバスもガイロスも量産することを考えず一機のみに莫大な予算と労力を注ぎ込めば現存するものより強力な機体を作ることはできたかもしれない。
しかし戦争で一機だけ強くてもあまり意味がない。
同じ予算で2段階くらいグレードの低いものを200機作った方が軍としては強力なのは間違いない……キンゴジュの描写を見ると揺らぎますが。
それまでの最強ゾイドは相手軍に追い込まれることによって誕生したものがほとんどですがキンゴジュはオルディオスの活躍によって生み出されたオンリーワンの機体という感じでしょうか。 
 
しかしオルディオスの登場は早いですね。キメラ型は普通の野生体より開発に手間取りそうなイメージですが…。
ギル登場以前から構想はあったということですかね。

No title

大統領自身が搭乗ということを考えると、プロパガンダ的考察は合致しますね。
(…この人も結構イケイケなプレジデントですなあ)

ギルにはもっと絶対的な存在との当時の記憶があったのですが、やはり資料を精査することが大切ですね。
印象の一人歩きは怖いものです。

原爆?

不謹慎かもしれませんが、キングゴジュラスは原爆のようなものかと感じました。
原爆は使用しなくても米国は勝利していたでしょうが、①早期終戦で犠牲を減らす②時間と資金の浪費だったという批判を回避する③戦後ソ連に対して優位を維持するという理由から投下されたと言われています(異論はあるでしょうが)。
キングゴジュラスも似たような背景があったのではないかと思いますね(特に②)。

No title

キングゴジュラスは大きくて強そう・・・
国民にも分かり易いっていうのが一番なのかな
小さいより大きい方がインパクトあるし

No title

キングゴジュラスは、対ギル・ベイダーゾイドとして開発されたのだと思います。ただ完成するまでに時間がかかるため、同時進行でオルディオスも開発してキングゴジュラスが完成するまで耐えしのぐ予定が想像以上にオルディオスが強くて目的を果たしてしまったのだと考えました。そしてオルディオスだけでも暗黒軍に勝てたのに、なぜ開発を続けキングゴジュラスも投入したのかはへリック大統領の性格だと思います。バトストなどを読んでへリック大統領は自軍のパイロットやゾイドを大切にする人だと感じました。例えばウルトラザウルスの開発も、デスザウラーのような破壊力のあるゾイドを作ることで自軍を強くするのではなく、指令機能を持つウルトラザウルスを開発し自軍をまとめることで強くしようとしたところが、自軍のパイロットやゾイドの被害を減らしたいというへリック大統領の想いを感じました(当時はそう思いませんでしたが、今はそう感じます)。なので暗黒軍との最終決戦は暗黒軍も最後の抵抗をして、いつも以上に激しい戦いになることを予想して、少しでもパイロットとゾイドの被害を減らすために戦いをすぐに終わらすためにキングゴジュラスを投入したのだと考えました。そして最後の悪あがきで何をしてくるかわからない危険がいつも以上にあるので大統領自ら操縦したのかなと考えます。

No title

 オルディオスを乗りこなせるパイロットがクルーガしかいなくて、そのクルーガが操縦してギル・ベイダーに勝てる確率が1%。
 クルーガの乗ったオルディオスは試作機であってほしいです。それか、確率を計算した人が悪いと思います。

No title

>しめじさん
結局のところ、今回も共和国軍は最初から勝ち戦をしていたのかもしれませんね。
国力は偉大なり・・・。

キングゴジュラス、おそらく各部品質なども完璧な品質が求められていたと思います。
量産機はライン生産方式だと思いますが、キングゴジュラスは量産を見越さない兵器であるゆえに入念過ぎる調整ができた事情などもありそう。

キメラは開発に時間がかかりそうですよね。
しかし、第二次中央大陸戦争の頃から、ケンタウロスをはじめ幾つかのキメラが登場しています。
なので、その技術は既に蓄積されており、万全を期した上でオルディオスに使われたのかもしれませんね。

>メカカブト虫さん
ギル無敵時代はもっと長い印象でした。
なので私もビックリでした。
イメージも大事ですが、資料と照らし合わせ確認する事も大事ですね。
正直に言うとその辺りの資料を重視せずイメージ重視で一人歩きさせてしまったのはリバセンだと思っているところがあります、、。

>YHさん
まさにそのイメージです。
地球でもゾイド星でも象徴的なものは実際以上に大きな力を持ちますからね。
共和国軍は正義として描かれることが多いですが、けっこうえぐい所もあると思います。

>ぬりさん
国民の一人ひとりにまで「説明するまでもなく最強だわ」と納得させることが大事なんでしょうね。
「オルディオスがギルを倒した!」は説明されないと納得できないと思いますが、キンゴジュだと有無を言わせず納得できますもんね。

>ようへいさん
対ギル用とすれば少し引っかかるのが、①開発に要した期間が短すぎる ②対ギル用なら飛行タイプにしそうだがそうなっていない
の二点です。
後者は特に、キンゴジュが対空用に使用できるのは口腔内のサウンドブラスターくらいです。
(ジャンプで飛行ゾイドを捕獲できるイメージが付いていますが、あれはギルザウラーが超低空に舞い降りた失態だったに過ぎない。実際に多くのギルは飛べる利点を活かしキンゴジュを苦戦させています)
ただ、開発中にギルが出現したので、「対ギル戦も想定した強さに仕上げてくれ」と要求値が挙げられた可能性は濃厚だとも思います。
キンゴジュの性能を見ると、対ギルや対ガンギャラドではなく、「対暗黒軍用」という有無を言わせず全てを叩き潰す性能を求めてるような気がしますねー。

ヘリック大統領の性格は諸説ありますね。
バトスト3巻には「兵士の命はどんなゾイドよりも大事」なんていう発言もありますので、一概にはなかなか難しいです。
少なくとも兵士の命は重視していたようなので、あえて危険を冒す任務には自らパイロットに という事はあると思いますが。
ケンタウロスにも乗っていましたしね。

>bohoouさん
クルーガーのオルディオスは試作機で間違いないですよ!
よく見ると形状に製品版との差があります。
その時点ではピーキーでとても完成とは言えないが、それでも戦況は投入せざるをえなかった。その為に1%の可能性を持つクルーガーが・・・という感じだと思います。
もしかすると、本来は翌年くらいにならないと完成しない筈だったオルディオスを、むりやり投入したのがあの戦いだったのかもしれませんね。
しかしそれが結果として功を奏し、ギル・ベイダーを倒しただけでなく実戦データが採取できた為に完成時期も大幅に早まった  のかなあと思いました。

No title

 原爆とともに、アメリカの公園においてある、40.6センチ砲に貫かれた、大和型(信濃か、超大和型)の前盾を思い出しました。

No title

あれはありえない至近距離から撃ってるのでそりゃあ撃ち抜かれますよ・・・って感じですな・・・。

ただ、そう解釈できるのは詳しい人だけで、多くの人の印象を操作する事が出来る というのは確か。
そういった目的で撃ち抜き展示してあるんでしょうね。
キングゴジュラスもそういった一般人を分かりやすく共和国強い!という印象にもっていきたかった思惑を感じます。
(まあキングゴジュラスの場合は実際に強いのですが)
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