中性子ミサイル

先日の記事のディバイソンコブラの画像で「中性子ミサイル」という部分に反応を頂いたのでそこについて。



先に、この号全体の流れを紹介します。

共和国船団にギル・ベイダーが襲い掛かる。次々に沈む船。
数機のサラマンダーが船から飛び立ったが、船団を守る事はできない。為す術もない共和国軍。
許せない…! そこでディバイソンコブラが地上基地から中性子ミサイルを放つ。

中性子ミサイルはみごとギル・ベイダーに直撃・・・・したのですが、何という事だギル・ベイダーは無事だった。
ギル・ベイダーはサラマンダーを撃墜し、悠々と帰還する。


というものです。

さて中性子爆弾は核兵器の一種です。中性子爆弾は最も非人道的な兵器とも言われています。その通りでしょう。
ディバイソンが撃っているのは中性子ミサイルですが、おそらく同じようなものと思います。

中性子爆弾は核兵器の一種ですが、大きな特徴があります。
通常、核爆弾は通常爆弾を大きく超える爆発力を持ち使用地点の一帯を吹き飛ばします。この破壊力こそが核兵器の威力です。
ですが中性子爆弾はここが大きく異なっており、爆発力は少なくなっています。せいぜいビルが数棟破壊されるくらいに留まります。
ではなにを目的としているかというと、中性子線の放射割合が極めて高くなっています。放射線強化型核爆弾とも呼ばれます。
中性子は一帯を飲み込む極めて広い範囲に浸透して生物を殺します。
爆発力は小さいけどこちらは甚大な範囲に影響を及ぼすのです。

「地下鉄程度であれば透過するため、都市圏であればほとんど助かる可能性はないと言える」

「中性子爆弾は、戦術核兵器として使用後の占領時に市街の建造物やインフラ設備を利用できるようにするために爆発力を縮小させており、主として自軍地上部隊の行動を視野に入れた運用が考えられていた。そのため、弾頭威力も核兵器としては小さく、残留放射能も少量になるように設計されている」

使用する側としては都合の良い兵器と言えます…。
爆撃で敵の都市を粉々にしてしまうと、占領後に再整備するのが大変で費用も極めて多くかかる。
共和国軍は第一次中央大陸戦争においてサラマンダー爆撃編隊をもって帝国首都を瓦礫にしています。
その結果としておそらく復興に多くの労力をとられたはずです。
D-DAY上陸後、帝国軍は半年で中央大陸西側を全て奪還している。
共和国軍としては、せっかく再整備したところで奪われたのだからたまらない。

また「暗黒大陸へ脱出しなかった市民」は帝国軍帰還後において積極的に帝国軍の活動を支援したと思える。
それが半年での奪還という奇跡的な成果につながったのだろう。
共和国軍にとって、敵性市民の存在は無視できぬ要素だったと思う。
(新世紀ゾイドの末期にもネオゼネバス帝国を良しとしない旧ヘリック共和国系市民が共和国軍を支援し・・・という事があった)

さて中性子爆弾を使えば敵の居る広範囲をインフラをほぼそのまま残して制圧できます。
軍人だけでなく民をも排除する事になるので、外道という事を除けば後々に反乱が起こる可能性も低く抑えられる・・・。

「黒い共和国軍」
共和国軍はインフラを残したまま敵を排除し、残留放射能が消えた後に簡単な再整備を行い自国民を移住させるという計画があったのでは…。
しかし最も非人道的な兵器であるこれを使えば秘匿する事は不可能だし、そうなれば自軍の兵士や共和国市民からも激しく非難される事は必至。
という事で、作られたものの積極的に運用される事はなかった…というように推測します。

あるいは抑止力として開発したのかもしれない。
またあるいは、兵器には「使用は条約で禁止されているが保有や研究は許可されている」ようなものもあります。その類なのかも…。
保有や研究を許すと負けが込んだ時にやけになって使おうとしちゃう国が多いんですが…。
もともとは使う気はなかった。しかしギル・ベイダーで暗黒大陸からの撤退寸前にまで追い込まれた共和国軍だから、やけになって撃ってしまった可能性はあると思います。
使用したのが海上だから秘匿もしやすいだろうし。

さてギル・ベイダーは中性子ミサイルをまともに受けて無事です。
爆発力においてそれほど高くないものだから、ギル・ベイダーが無事だった事はまぁ納得できなくもないかな…。
それでも大した防御力ですが。
核としては威力が低いといっても、それでもビル数棟を破壊する威力。翼に受けてこれは凄い。
ギル・ベイダーは「ウイングバリアー」なる防御機構を持ちますが、その影響だろうか。

ただパイロットがこの後どうなったのかは想像したくないな…。
彼が無事に帰還し、その後において中性子を受けた影響が出始めたらと思うと……。
共和国軍にとって、ここでギル・ベイダーを逃してしまった事は大きな痛手だったのかもしれない。
暗黒軍は負けが込んできても徹底抗戦を続け、グランドカタストロフ後も生活が苦しくなる事お構いなしに軍備再建及び拡張を続け西方大陸戦争へ至るわけですが、この一件がものすごい影響を与えた(そして共和国国内では可能な限り秘匿されている)ような可能性もあると思います。

こうした観点から見ると…、ゾイド星の戦争は「中世の騎士のような」名誉や誇りを重んじる一方で、それだけじゃない、やはり全面戦争をしているのだからどす黒い部分も渦巻いているような所を感じてしまいます。
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コメント

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No title

やけになった…というより妥当だったのかもですねぇ
まさか敵味方入り乱れる戦場でフツーに核ミサイル撃ったら双方とも甚大な被害を被るでしょうし…
ギルベイダーが海の上にいるから汚染も最小限ですむ、うっちゃえー…だったと思いたいですね

No title

もしかしたら、中性子ミサイルはギルベイダーへの苦肉の策だったのかもしれませんね。
ギルベイダーの圧倒的な防御力の前に、既存の平気では歯が立たないと踏んだ軍部が、威力は低いモノの人間に対する殺傷力が非常に高い中性子兵器で、機体の破壊ではなくパイロットの殺害による無力化を狙った可能性もあると思います。
まぁ劇中の描写を見る限り、ギルベイダーには中性子線を含む対放射線防御力もあって意味がなかったようですが・・・

No title

 それは、今を去ること丁度五十年前のこと。

 当時の東京都にあった科学センターに、巨大なハサミを持った宇宙人が現れた。
 一週間前に現れた人型の宇宙人と違い、彼らはセンターの職員や調査に訪れた科学特捜隊の隊員すら凍結させてしまう。
 その後、彼らを知的生命体と判断した科学特捜隊は彼らと話し合いの交渉を持つが、価値観の相違や何よりも彼らの移住計画により交渉は決裂。宇宙人は巨大化を行い、破壊活動を行った……

 「ウルトラマン」第二話。バルタン星人のファースト・コンタクトです。
 で、この侵略者に対して、防衛軍は核ミサイル「はげたか」を投入。母船を見つけ次第粉砕するよう考えていました。

 核 ミ サ イ ル 「 は げ た か 」 で 。

 そのうえバルタン星人が巨大化するや否や、

司令官「はげたか発射」隊員「はげたか発射!!」ポチっ

  は げ た か 発 射

 何の躊躇もなく撃ち込まれる三連核ミサイルはげたか。バルタン星人もさすがに倒れ伏す。……が、高度な科学力を持つバルタンにとって核ミサイルも旧式兵器にすぎず、脱皮しただけであっさりと復活する。嗚呼この化け物を倒すにはどうすればいいのか……

 そんなことはどうでもいい! 問題はそこじゃなかろう! もうどこから突っ込んだらいいのかわからんけど! わからんけど!!
 何をさらっと都心部で核ミサイルを撃ち込んでいるんだ! しかも三発も! 明らかに人々は避難してないだろ! 隊員たちだって生身じゃねえか! いやそもそも核兵器廃絶とか何とか、もっとこう、なにかないの!?

 どういうわけだか大きめの火花が上がったぐらいで街もバルタンもどうということもなかったのですが……さらっと核ミサイルをぶっ放す時代というか世界というか、そんなのもあったようです。

No title

 ……すみません。どうしても中性子ミサイルについて、しゃべってみたくなりました。
 連続投稿ですが、申し訳ありません。
 ちなみにわたくし、今回三式さまの記事を読むまで「中性子ミサイル」のことをほとんど知りませんでした。
 実におぞましい兵器です。できれば、たとえフィクションでも、使わないでほしいものです……。


 さて、今回のディバイソンがぶちこんだ中性子ミサイルですが…

 ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーの破壊力が大きすぎることから「核弾頭だったのではないか?」と言われています。だから共和国にも核兵器の技術はあったのかもしれません。

 ただ、その割にはゾイド世界で、「核兵器」に対する言及が少なすぎるのが気になるんですよ。使われた帝国軍では、それが核兵器だとわかっていないフシがあります。

 そこで今回考えたのは「地球の中性子ミサイル≠惑星Ziの中性子ミサイル」説。

 実はゾイドの「荷電粒子砲」は、現実(現代地球)の荷電粒子砲の原理とは違うと言われています。詳しい原理は理解できませんが。
 そこから演繹して、今回使われたのは地球の「中性子爆弾」ではなく、なにか特別製の新型試作ミサイルだったのではないかなーと。もっとも「中性子」なんて言葉を冠するぐらいだから、よほどブラックな研究の結果だったことは間違いないと思います。

 例えば、ゾイドコアを積み込んで何かしらの技術を組み込み、通常ミサイルを桁外れに上回る威力をたたき出すとか。ゾイドコアはゾイド核とも書かれます。まあ意味は違いますが、その核を使って妙な試作ミサイルでも作ったのでは。
(新世紀バトストでは、ゾイドコアは使い方を変えると恐ろしく強力な爆弾と化すことが語られています。しかもその時使ったのは未成熟のゾイドコアだったのに)

 無敵を誇るギルベイダーに使ったことや、その時のセリフがかなり感情的というかヤケクソ気味なところから見て、威力は期待できるが倫理的な面でかなりヤバい代物だとは推測できます。


 そもそも共和国は後にとはいえゾイドコア砲を作っていますし、例のザ・デストロイヤーもそしてこの謎の中性子ミサイルも、弾頭の中身はゾイド核を使ったナニカだったのかもしれません。

No title

地球の中世の騎士道は本当は騎士道(笑)なぐらい黒いものだったので彼らがそうであるかどうかはわかりませんが・・・

所詮地球人の借り物の技術なので、自分たちで最初から核実験したり、積極的につかったり、ましてや我々のように使われたことなんてないでしょうから、たぶん、開発者さえどれだけ説明されても「なんかやばい兵器」程度にしか思えなかったのでしょう。原理やどういうものかわかっていても、それを実際に使い使われなければその危険性は本当には理解できないでしょう。
よくわからないまま作り配備し、使ってしまった。
状況的に被害の確認もできないでしょうし、今回でも核の恐ろしさは彼らは理解できなかったでしょう。

というかゾイドに放射線は効くのでしょうか・・・
じつはキングゴジュラスの野生体は共和国の杜撰な核実験で被爆した・・・・

No title

>w15さん
負けようものなら国がどうなるやら…という状況ではありえる選択のキモします。
海の上にいるのは都合が良いですね、、。
周囲の海にはいまだ浮かび救助を待つ見方も居るという事を除けば、ですが・・・・。

>NoNameさん
ギル・ベイダーのキャノピーは半開放式だから、そこに目をつけた可能性はありますね。
しかしギルのコックピット。あれでいて宇宙運用も可能と言われているようなので何らかで外気を遮断する術はあるのでしょうね。
という事は放射線を防ぐ装備がある可能性もあると思います。
暗黒軍が中央大陸を監視しつつ共和国軍を外道と判断していたとすればあらゆる対策を練っていてもおかしくはない・・・・・・・。

>ハデスさん
アニメや特撮は日本が原子力発電を推進していた時期にイメージアップの為に盛んに利用されました。
多くのアニメや特撮に登場する核はそうした背景もあるのですね、、、、。一言では言い表せないものがあります。
核の恐怖の象徴であったゴジラさえ一時期は人類の明確な味方になりました。

火砲の威力は初速を同じとすれば口径の三乗に比例します。
ウルトラキャノン砲360mmとデストロイヤーキャノン1200mmを比べれば一発につき37倍ほど威力になります。
更にもともとのキャノン砲やゴジュラスキャノンも搭載しています。
さすればウルトラを中心とした部隊全機が全弾を撃てば帝国軍迎撃部隊およそ5000機を葬ったのも分からなくはないのかなと思います。

コロコロでは「一撃で」と書かれていたのでホントに一発なのであれば核ないしそれに匹敵する技術でしょうね。
ただ、この辺りはニクシー基地砲撃の描写も併せて考察する必要があります。
ニクシー基地はキャノン砲が焼け付くほど撃ってようやく陥落しましたが、一発で5000機破壊できる威力ならもう少し楽に攻略できた気もします。
なかなかに難しい問題です。

>3aさん
実際に使ってから威力に驚愕したなんて事もありますもんね・・・。
ツァーリ・ボッバとか衝撃波が地球を3周もしてますしね、、、、、。
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