新ゾイドバトルストーリー2!!!!

今日から年度が変わりますね。
4/1といえば、毎年恒例のあれだー!
ということで、今日は念願かなって手に入れた「新ゾイドバトルストーリー2」を大紹介します!!!!

2011~2013年にかけて、新年度最初の日に数ページずつ紹介してきました。
ですが紹介したのは数ページだけで、完結部分まで紹介したことはありませんでした。
今年は最後のページまで紹介いたします。見届けよ!

……以前に紹介したのが随分前なので(あの頃の事をリアルタイムで見てた方はいらっしゃるかしら)、既に今まで紹介したページも含めて全ページ掲載します。


表紙&裏表紙
クリックで拡大
やはりキングゴジュラスですな。
背表紙はキンゴジュ、ガン・ギャラド、バトルクーガー、デス・キャット。まぁ順等でしょうか。


そして・・・・、中身!


立ち向かう白い翼 -ギル・ベイダー迎撃戦闘勃発-
クリックで拡大
①中央大陸、バレシア軍港はおだやかな朝を迎えていた。しかし、静寂は長くは続かなかった。基地のレーダーが、暗黒大陸から飛来する巨大な影を捉えたのである。けたたましいサイレン温が鳴り響き、基地は緊張に包まれた。
巨大な影は、不死鳥ギル・ベイダーであった。湾内のゾイドゴジュラスやウルトラザウルスが、キャノン砲を撃ち上げて迎撃する。たちまち、青い空が爆炎で覆われた。
しかしギルはひるまなかった。海面スレスレまで下降し、猛烈な勢いで部隊の中央を飛びぬけた。その瞬間、猛烈な風で海が荒れた。巨大な波でゴジュラスが吹き飛んだ。ギルが飛ぶ度に波が高くなる。遂に、ウルトラの巨体までもが耐え切れずに天に舞った。湾内の共和国部隊は、ギルに傷一つ付けられないまま全滅した。

前々年、ギル・ベイダーを完成させた暗黒軍は、中央大陸に魔の手を伸ばしていた。
ゴジュラス、マッドサンダー、ガンブラスター、サラマンダー。主力ゾイドは必死でギル・ベイダーに挑んだが、その猛攻を止める事はできなかった。恐るべき強さ。共和国軍は、かつてない恐怖を感じていた。
否、唯一だけ経験があるとすれば、それはデスザウラーであろう。デスザウラーがそうであったように、ギル・ベイダーを先頭にした暗黒軍は中央大陸を瞬く間に攻略するかもしれない。ヘリック大統領は、暗黒軍とそれを操るガイロス皇帝を思って身震いした。
だが、希望の芽は既に育ちつつあった。ギル・ベイダーに唯一対抗可能な最新鋭ゾイド、オルディオスの量産体制が整い、急ピッチで生産が始まっていたのである。バレシア襲撃の報を受け、完成したばかりのオルディオスが飛び立ち、今、到着した。パイロットは、港湾施設や燃料タンクに狙いを定めるギル・ベイダーの姿を捉えた。

②オルディオスは一気に加速した。最高速度こそギルに劣る。だが、旋回性や瞬間的な加速力では大きく勝っている。好位置を取り、グレートバスターの強烈な一撃を浴びせた。
ギルは回避を試みたが間に合わなかった。その瞬間、ツインメイザーが粉々に吹き飛んだ。

③傷を負ったギル・ベイダーは、怒りに燃えてオルディオスを猛追した。全力で飛ぶギルが、ジリジリと距離を縮めてくる。だが、それは作戦通りであった。オルディオスは、所定のポイントへとギルを誘導していたのである。
目標位置に到達したオルディオスは通信を入れた。「今だゴジュラス、カラスを檻にぶち込め!」


クリックで拡大
④ギル・ベイダーがプラズマ粒子砲の射程にまで距離を詰めた。発射ボタンに手をかける。だがその瞬間、ビルをぬって2台の改造ゴジュラスが現れた。必殺のレーザーネットをギルめがけて放つ。
レーザーネットがギルに巻き付き、がんじがらめに締め付けた。怪力を誇るギルは、機体を揺さぶり強引に引きちぎろうとする。頑丈なゴジュラスのボディがギシギシと嫌な音を出し始めた。しかし、これがオルディオスに貴重な反撃の時間を与えた。反転し、再びギルへ向けて突撃する。

⑤サンダーブレードにエネルギーを集中する。そのままギルに突っ込み、必殺の一撃を叩き込んだ。頑丈なギルの翼がバラバラにはじけ飛ぶ。しかし狙いはわずかに逸れた。致命傷を逃れたギルは、非常用エンジンを使って暗黒大陸へ逃げ帰った。
からくも中央大陸は守られた。だが、オルディオスにも追撃するエネルギーは残っていなかった。

前年から、共和国軍は新型ゾイドを続々と完成させていた。オルディオスを始めとする新鋭は、共和国軍の力を大きく底上げした。
また従来機も、対暗黒用の改造が進んでいた。共和国軍は、ようやくギル・ベイダーに対抗できるようになっていた。
しかし一方で、一対一で勝てるゾイドが存在しないのも事実であった。
共和国軍が全力を挙げれば、ギル・ベイダーの撃退は不可能ではなくなった。だがギルは、撤退までにいつも手痛い被害を与えていた。また撃墜に至ることはなく、取り逃がしてばかりでもあった。暗黒軍は当然、ギルを修理し再戦力化していた。共和国軍は、オルディオスの増産を続ける一方で、何よりギルを超えるゾイドの開発を望んでいた。



新生共和国軍、ほえる -共和国軍、暗黒大陸攻略作戦再開-
クリックで拡大
①戦況に不安は残っていた。だがヘリックは、ここで再び攻勢に出る決断をした。
共和国軍が、再び暗黒大陸に進出した。タートルシップには、積載量のギリギリまで物資やゾイド、そして兵士が載せられた。航路の安全は、全域にオルディオスを飛ばす事で確保した。ヘリックは、一隻の被害も出さぬよう厳命した。
こうして、猛烈な勢いで戦力移動は進められていった。三週間後には、以前の上陸作戦時を超える戦力が暗黒大陸に届いた。
エントランス湾は久々の活気で賑わった。暗黒軍はこの動きを察知したが、オルディオスに睨まれ効果的な攻撃ができなかった。
あのギル・ベイダーを抑え込んだ。この事は共和国軍の士気を大いに上げた。共和国軍は、各地で順調に勝利を重ねていった。
数ヶ月前が嘘のようであった。暗黒軍は防戦一方で、ジリジリと追い込まれていった。

②目覚しい活躍を見せたのはバトルクーガーである。対地能力も高く、地上の敵を発見すれば急降下で一気に仕留める。ダーク・ホーンの射撃をもってしても防ぐ事はできない。バトルクーガーは、上空からの支援で味方を大いに勢い付けた。

③小型メカ、TFゾイド味方と連携して大きな戦果を挙げた。緒戦で猛威を振るったデッド・ボーダーや暗黒コングも、既に戦術が確立された現在では効果的な戦いが難しくなっていた。
共和国軍は、全力を挙げてこれらのゾイドの生産と輸送を進めていた。

④再上陸から半年、戦況は予想以上であった。前線の兵士は、もはや戦勝は近いだろうと話しあった。
しかしヘリックには不安もあった。あの暗黒軍がここで終わる訳はない。その疑念が拭えなかったのである。
たしかにオルディオスの完成は敵の予想より早期だっただろう。しかしこれだけで完全に倒れるものだろうか……。まだ切り札が残されているのではないか……。
これまでの戦いの経験は、ヘリックにそうした疑念を強く抱かせるのだった。そしてそれは、ある日現実になった。



第二の黒い竜、出現 -暗黒軍の逆襲-
クリックで拡大
⑤明け方、ガンブラスターが集結する重砲部隊基地が暗黒軍高速部隊に襲撃された。基地司令部は事態に落ち着いて対処した。
「あわてるな。ジーク・ドーベルかガル・タイガーだろう」
しかし、レーダーに映る機影はジーク・ドーベルより遥かに高速であった。司令部が首ひねった時、最初の一撃が叩き込まれた。
敵の正体は、ジーク・ドーベルを改良した新型、アイス・ブレーザーであった。最高速度は実に時速四00キロに迫る。アイス・ブレーザーは嵐のように基地内を駆け抜けた。
ガンブラスターが迎撃に出たが、黄金砲は空を切るばかりであった。アイス・ブレーザーは余裕をもってそれを避け、反撃に出た。強烈な一撃でガンブラスターが倒れる。
もはや防ぎきれない。基地は高速部隊の救援を要請した。実はこの時、共和国軍も新型高速ゾイドを完成させていたのである。
この時点では、共和国軍にはまだ余裕があった。

⑥オルディオス、そして新鋭のキングバロンが全力で現場に急行した。ビーム砲がうなる。
暗黒部隊は速やかに撤退に移った。だがオルディオスが翼を広げて空から追撃する。
いかにアイス・ブレーザーといえども、飛行ゾイドの速度には勝てない。この戦いは、いつものように共和国側の勝利で終わるはずであった。

⑦だがオルディオスは、突如として飛来する謎の影に遭遇した。
高速で接近する黒い大型飛行ゾイド。ギル・ベイダーではない。それは新型飛行ゾイド、ガン・ギャラドであった。
あわてるオルディオスの背後を楽に取り、ガン・ギャラドはハイパー荷電粒子砲を放った。その一撃で勝負は決まった。
ヘリックの不安は今、現実になった。暗黒軍は、早くも対オルディオス用ゾイドの開発に成功していたのである。
ガン・ギャラドは、続けて重砲部隊基地を襲った。既に高速部隊の攻撃で半壊していた基地には、ガン・ギャラドに対抗する力は残っていなかった。
暗黒軍は久々の勝利を得た。そしてこの日から、暗黒軍の大逆襲が始まった。



両国の大きな決断 -謎の超巨大ゾイドを巡る攻防-
クリックで拡大
①ガン・ギャラドは、オルディオスを中心に共和国の精鋭を襲った。総合力ではギル・ベイダーに劣る。だが、対ゾイド戦では無敵の強さを発揮した。共和国軍の進撃は完全に止まった。
事態は更に悪化した。オルディオスの登場で、ギル・ベイダーは被害を恐れて出撃が制限されていた。だが強力な護衛の登場で、制限は解除された。再び積極的に動き出したのである。
ここへきて形勢は逆転した。共和国軍は必死に防衛をした。だが、時間と共に崩壊するのは目に見えていた。
ガイロスは、戦況の好転を見て命令を下した。
「共和国はひるんだ。今こそ機は熟した」
その力を万全と判断し、再び中央大陸への進撃を決意したのである。共和国に大きな危機が訪れようとしていた。
だがガイロスには、一つだけ不安があった。それは、前線の兵が噂している、オルディオスとは別の共和国新型ゾイドの事であった。
「共和国が秘密基地で巨大ゾイドを作っている」
戦場にこの手の噂話は尽きない。よくある与太話に過ぎないだろう。ガイロス自身、初めて聞いた時は一笑に付した。
だが、幾多の死線を乗り越えてきたガイロスの本能は、この件に妙な胸騒ぎを感じた。
ガン・ギャラドを主力とした特殊部隊が編成された。部隊には、共和国軍秘密基地の調査が命じられた。
はたして、それは真実であった。ヘリックは、暗黒大陸再進出と同時に新型最強ゾイドの開発を指示していた。それが今、完成に向けて進んでいたのである。
暗黒軍が大攻勢に出た今、ヘリックはもはや時間はないと確信した。今こそこの新型ゾイドを動かし、暗黒首都を攻略するしか勝利の道はない。

奇しくも、両国トップは同時に最終作戦を発動した。
共和国は新型ゾイドの仕上げと敵首都攻略を。
暗黒は新型ゾイドの調査と中央大陸攻略を。
ここに、ゾイド戦役史上最大にして最後の決戦が始まろうとしていた。

②暗黒軍は、共和国軍秘密基地をシラミ潰しに探した。だが調査範囲は広い。成果はなかなか出なかった。
そんな中、ついに有力情報に辿り着いた。密かに敵地に忍び込んだヘル・ディガンナーが、膨大な電力を消費する海底基地の存在を掴んだというのである。
暗黒軍は調査部隊を集結させ、付近を出入りするゾイド、艦船、航空機を徹底的に監視した。
ついに、海底基地に物資を運ぶ輸送用改造ウルトラザウルスが現れた。暗黒軍は直ちにこれを拿捕、航路から海底基地の正確な位置を割り出した。
暗黒軍は、すぐさま基地潜入部隊を編成した。

③潜入部隊が海底基地に辿り着く。守備隊があわてて迎撃に出るが、それは想定内であった。
ガン・ギャラドが火炎放射を広範囲に放射し、敵の視界を奪った。敵が怯んだ一瞬の隙を逃さず、その横をすり抜けて先へ進む。
今は倒すのが目的ではない。噂される新型ゾイドの情報を探り、持ち帰る事がこそ課せられた任務なのである。
完璧な動きを見せる潜入部隊。浮き足立った共和国軍は、早々に内部への侵入を許した。

④守備隊を突破したガン・ギャラドと改造ガル・タイガーが、猛スピードで基地内を駆け抜ける。
混乱する共和国軍は、いまだに事態に対処できていない。勝利の女神は、勇敢な暗黒軍潜入部隊に微笑みつつあった。

⑤突然、目の前にゴジュラスが現れた。思わず立ち止まりハイパー荷電粒子砲を発射する。だが弾はゴジュラスを逸れ、格納庫の壁に当たった。
破壊された壁から濛々と煙が立ち昇り、たちまち一切の視界が奪われてしまった。



共和国軍最終兵器出現 -あらわれた最強ゾイド-
クリックで拡大
⑥立ち込める煙の中、赤外線レーダーを持つガル・タイガーが格納庫に飛び込んだ。そこで見たものは、既に動き出した、あまりにも巨大なゾイドの姿だった。
絶叫に近い通信が響き渡る。
「調査中の共和国新型ゾイドを発見! しかしその姿は予想よりはるかに巨大で……!」
潜入部隊との通信はそこでプツリと途切れた。

共和国最終兵器「キングゴジュラス」は、危うい所で起動に成功していた。
「ここが暴かれるとは予想外だった。だが無事に撃退できて良かった」
「試験前の交戦になりましたが、幸い機体に異常は一切出ていません。このまま戦えます」
「強さも問題ないようだな。いや、予想以上だ」
「こいつはどんな敵にも負けません。最強の機体です。ご武運を、ヘリック大統領」
秘密基地での開発指揮、そしてパイロットを務めていたのはヘリック大統領その人であった。ヘリックは満足げに頷くと、再び操縦桿を握った。

キングゴジュラス。共和国開発部が総力を挙げて開発した究極のゾイドでる。格闘戦、砲撃戦、電子戦、果ては水中戦にまで対応した万能さを誇る。
計算上の能力では、格闘戦でマッドサンダーを遥かに凌駕する。砲撃戦では、胸部のスーパーガトリングはデスザウラーの装甲をも簡単に貫く。更に、新開発のスーパーサウンドブラスターは広範囲の敵を一度に倒してしまう恐るべき兵器であった。また、ぶ厚い装甲は敵のいかなる攻撃うにも耐えるだろう。

⑦キングゴジュラスは、海中基地から浮上しそのまま暗黒首都を目指した。
これまでの戦いで、数え切れない人やゾイドを失った。しかし、今は悲しむ時ではない。ヘリックは、もはや今作戦では自らが果てるまで戦う覚悟をしていた。
浮上後、群がる暗黒軍を片っ端から叩き潰す。鬼神の如き強さ。いつしかキングゴジュラスの後には、残存する共和国部隊が合流していた。
「大統領、お供します」
ここに、共和国最終決戦部隊が編成された。いよいよ、ゾイド戦役のクライマックスは近づいてきた。



暗黒首都突入 -無敵!キングゴジュラス-
クリックで拡大
①共和国軍が、暗黒首都に到達した。ここまで、キングゴジュラスはあらゆる暗黒ゾイドを圧倒していた。オルディオスをはじめ、友軍各機も勢い付く。部隊は、雪崩れのように首都内に侵入した。
しかし、強力な部隊だが数は少なく補給もない。時間をかければジリ貧になるのは明らかだった。共和国軍は、短期決戦を目指して全力を尽くした。

②キングゴジュラスは、首都でも無敵の力を見せ付けた。勢いは俄然共和国側にあった。
だが暗黒軍も必死だ。ついに決死隊のアイス・ブレーザーが、圧倒的な速度で距離を詰めてきた。
他のゾイドには目もくれず、一直線にキングゴジュラスを目指す。ビーム砲を全開にしながら、凄まじいジャンプ力で飛び上がった。

③懐に飛びこまれては堪らない。至近距離から強力なビーム砲を浴び、さしものキングゴジュラスも一瞬ぐらついた。
その機を逃さず、ガン・ギャラドがハイパー荷電粒子砲の発射態勢をとった。
しかしヘリックは焦らずマイクをとった。
「友軍機、直ちに衝撃に備えよ」
言い終えるや、キングゴジュラスが凄まじい咆哮をあげた。スーパーサウンドブラスターである。直撃したガン・ギャラドは跡形もなく吹き飛んだ。周辺の暗黒軍ゾイドも、その余波で一様にダメージを受けている。
「予想以上の威力のようだ。友軍各機、被害はないか?」
「ショック体制をとっていたので何とか。しかし大統領、耳栓をする間はなかったもので、キンキンいっております」
「次からは気をつけよう。しかし威力はともかくエネルギー消費は激しいな……。この先はできる限り使いたくないが」
鬼神の如きキングゴジュラスだが、補給だけは泣き所だ。ヘリックは、友軍に命令した。
「全機、残存する暗黒ゾイドに向かえ。敵が回復する前に速やかに排除せよ」
スーパーサウンドブラスターで敵は動きが鈍っている。今やアイス・ブレーザーやデス・キャットは弱りきり、シールドライガーが仕留めた。残るゾイドは、マッドサンダー、ゴジュラス、ガンブラスターが仕留めた。

「今のところ味方に被害なし」
最初のラウンドは共和国軍の完勝であった。だが暗黒首都の深部に行くほど、強力な敵が続々と増えるだろう。その時、どれ程の犠牲が出るだろうか。いや、そもそもこの作戦は成功するのだろうか……。
「全軍へ告ぐ。このまま前進を続ける」
休む間もないまま、共和国部隊の進撃は続いた。



ゾイド戦役最終局面 -ヘリック最後の決断-
クリックで拡大
④月が辺りと照らし始めた頃、ようやく暗黒首都最深部が見えた。共和国部隊は、ようやくの小休憩を取った。
深部には、多数のギル・ベイダーを含む最精鋭が配備され、共和国部隊を待ち構えている。さしものキングゴジュラスも、これを全て撃破する余力はないだろう。
ヘリックは危険な賭けに出た。
「ウルトラザウルス以外のゾイドは全て自動操縦に切り替え、首都深部へ直進させよ」
部下全員を集め、そう命令した。
「大統領……、それは」
残存部隊全てを囮にした大胆な作戦だった。
「残った兵は全員ウルトラザウルスに乗り込み中央大陸へ脱出せよ。最終決戦は私一人でつける」
もはやヘリックは、ただ一人で首都最深部を攻略、そしてガイロスを捕えるつもりだった。これ以上の犠牲を出さずに戦争を終わらせる。それにはこの方法しかないと決断したのである。
しかし、兵たちが納得する筈はなかった。
「大統領、自動操縦のゾイドじゃぁ、大した時間稼ぎはできません。それより俺たちが乗ってゾイド共々生き延びてみせますよ」
次々に同調する声が聞こえた。
「どう転ぶにせよ、最後までお供させて下さい」
夜明けと共に共和国部隊が動いた。囮部隊が堂々編成され、出撃準備を整えた。
かしこまった敬礼が終わると、囮部隊は朝日を全身に受けながら、首都深部へと消えていった。ヘリックはそれをいつまでも眺めた。
やがて巨大だったゾイドの姿が小さくなり、最後まで見えていたウルトラザウルスの長い首さえ見えなくなった。その時になって、ヘリックは思わずコックピットに突っ伏した。だがひとしきり泣き終わると、決意を固めて再び前を見るのだった。

⑤囮部隊は、わざと見つかりやすいよう派手に暴れた。すぐさまギル・ベイダーを中心とした強力な暗黒軍が駆けた。
キングゴジュラスを欠いた部隊は劣勢が否めない。だがこの敵の数と強さ。囮部隊が見事に役割を果たしている、何よりの証拠であった。
「俺達が時間を稼げば、それだけ大統領の突入が成功する確率が上がるんだ」皆はそう言って力を振り絞った。

⑥飛行部隊は、首都深部の更に奥に秘密基地を発見した。これこそが、ガイロス皇帝の潜む真の本拠地であった。情報は直ちにヘリックに伝えられた。
囮部隊が敵を引きつけている隙に、キングゴジュラスは秘密基地へ急行した。
失敗は許されない。ガイロスを捕え停戦を。共和国を救う。そして……、弟ゼネバスの安否は。
ヘリックは、ついに秘密基地に乗り込んだ。



地獄の最終決戦 -対決、ヘリックVSガイロス-

クリックで拡大
①不意にレーダーがけたたましい音を発した。眼前に巨大なゾイドが迫っていた。デスザウラー……? いや、背中にギル・ベイダーの翼を装備した改造タイプだ。
そのゾイドの名はギル・ザウラー。暗黒軍が最終決戦用に開発した究極の改造ゾイドにして、皇帝ガイロス専用機であった。
ギル・ザウラーは信じられない程の加速で距離を詰めた。見た目はデスザウラーに近いが、その能力はギル・ベイダーを足したものである。必殺の剣を振り、キングゴジュラスの腹を切りつけた。
激しい火花が散り、これまであらゆる攻撃を跳ね返したキングゴジュラスの装甲がばっさりと切れた。
荷電粒子ブレード。これはビームスマッシャーを応用した恐るべき兵器で、キングゴジュラスの装甲さえ紙のように切り裂く。
傷は深く、ゾイド生命体が外から見える程であった。
ギル・ザウラーは更に猛攻した。キングゴジュラスは、何とか砲を撃とうともがいた。だがわずかな隙さえないギル・ザウラーを相手に、それは叶わなかった。
キングゴジュラスは防戦一方で、ジワリジワリと追い込まれていった。

②ガイロスにとって、キングゴジュラスの登場は想定内であった。だがここまでの強さであった事と、量産前に総攻撃を仕掛けられた事は大きな誤算であった。それゆえ、首都までの進撃を許す事態になった。
しかし逆に言えば、量産されていないのだからこの一台を潰せば共和国軍は終わる。
ギル・ザウラーはその為のゾイドであった。汎用性はないが、対キングゴジュラス能力だけを徹底的に追求した究極の改造ゾイドである。
ギル・ザウラーはその目的の通り、キングゴジュラスを追い詰めていた。

ふいにギル・ザウラーが飛んだ。両翼が怪しく輝きだす。恐るべきことに、このゾイドは飛行能力とビームスマッシャーさえ持っていたのである。
地獄の光輪が迫る。喰らえばやられる。とっさに身を引いたが、かわしきれずに尻尾が吹き飛んだ。
コックピット内に激しい警告音が響く。満身創痍のキングゴジュラスは、もはや立っているのがやっとだ。
ガイロスは舌打ちをした。ビームスマッシャーで勝利を決めるつもりだったのだ。
だが、圧倒的優勢に変わりはない。次で決める。ギル・ザウラーがニ撃目のビームスマッシャーを翼に溜める。翼が再び輝きだした。
ガイロスは、必中を期して機体を降下させた。先ほどはかわされた。だがこの距離なら外しようがない。発射ボタンに手がかかった。



決着、そして…… -ゾイド戦役の終わりに-
クリックで拡大
③ガイロスは決して油断したわけではなかった。だが、キングゴジュラスの底力が予想を超えていたのである。
否、このゾイドの底力を予想する事など誰にもできなかっただろう。瀕死の状態からこうも動くとは。
高度を下げるギル・ザウラー。ヘリックは、逆転のチャンスをここに賭けた。全力でのジャンプ。腕を伸ばしてギル・ザウラーをがっしりと掴んだ。
ヘリックの目には、驚くガイロス皇帝の姿がモニター越しにハッキリと映った。
時間が止まったような錯覚を覚える。一瞬、ガイロスが笑みを浮かべたように見えた。
最後の力を振り絞り、キングゴジュラスがスーパーサウンドブラスターを放った。追い討ちで胸部の砲も全開にする。激しい音が辺りに響いた。
ギル・ザウラーは、機動力と攻撃力を強化した仕様でしかない。デスザウラーと同じ装甲では、キングゴジュラスの攻撃を受けきれる筈はなかった。
翼が砕け、腹には大きな穴が開いた。ゾイド生命体も貫かれ、ギル・ザウラーは停止した。満身創痍になりながらも、キングゴジュラスは最終決戦に勝利した。

ガイロスは生きていた。だがもはや抗う素振りを見せる事はなく、ヘリックに拘束された。
ガイロスは全軍に停戦命令を送った。それを機に各地で戦闘が止んだ。
程なくして、囮部隊がヘリックの元に駆け付けた。部隊は大きな被害を出していたが、まだ多くは生き残っていた。ヘリックと部隊は喜びを分かちあった。 
ゾイド星の長い長い戦いはようやく終わる。誰もがそう思った。

④最終決戦後も、一部の徹底抗戦を唱える暗黒部隊は戦いを継続した。だが、応急修理を済ませたキングゴジュラスがこれに対抗する。
万全状態には遠いが、これに対抗できる暗黒ゾイドは居ない。
残党を片付ければ、いよいよ終戦に至ると思われた。だがこの時、予想だにしないものがゾイド星に迫っていたのである。

⑤それはまるで、意思を持っているかのようにゾイド星に向かっていた。
直径十キロを超える巨大彗星。長い尾を引いたそれは、ついにゾイド星を眼前に捉えた。
それに気付く者は、まだ誰も居なかった。



勝者なき結末
クリックで拡大
有力なゾイドを持った最後の残党。デスザウラーがキングゴジュラスと戦っていた。ちょうどその時である。彗星はゾイド星の三つの月の一つを直撃した。
砕け散った月の破片はゾイド星を襲った。空が真っ赤に燃え、破片は隕石となって猛烈な速度で降り注いだ。
月の一つを失ったゾイド星は、引力バランスを崩し地軸がずれ、落下した隕石は大爆発を起こして数十キロもの大クレーターを造った。その衝撃は地殻変動や大津波を引き起こし、中央大陸は三つの大陸に引き裂かれ、暗黒大陸の一部は海の中に沈んでいった。

ゾイド戦役の結末と共に……。

我々がもし戦いをしなかったら。地球人の技術を人々の幸せの為にだけ使っていたら。
そうすれば、隕石の接近は容易に察知できただろう。
ヘリック共和国とガイロス帝国。両国が力を合わせれば、到達前に撃退できていたかもしれない。
彗星は、愚かしい戦いを続けた我々への応報であった。

グランドカタストロフ。彗星飛来に端を発した一連の災害は、後にそう呼ばれるようになった。
多くの人、そして多くのゾイドが命を失った。だが、人もゾイドも生きていた。
いまだ星は安定せず、不安定なままであった。人もゾイドも、明日をも知れぬ生活をしている。
だが、人々は手を取り合い、どうにかして今日を生き抜き、明日を信じている。

この長く苦しい戦争に何かの意味があったとするなら、それはゾイド星に住む我々一人ひとりが平和の尊さを心の底から知ったことである。ゾイド星の未来は、人々が平和の尊さをどこまで継いでゆけるかにかかっているのであろう。

<完>












そんなわけで、今日はエイプリルフールなのでそこんところをよろしくお願いしますね!!
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

No title

うおぉー遂に完結まで!
リアルタイム(見てましたぞ!)から今まで待ってた甲斐がありました。。。

そして、著者が(笑)
いや、そこに載る資格は十二分におありですよ。
まじで最高の構成です。

No title

アイス・ブレイザー強いですね。ガン・ギャラドと並べるとなかなか格好良いと思うのですが、デザインでは一部で否定的な意見もありますが、奇襲には無類の強さを発揮しますよね。

半ばメカ生体ではデッド・ボーダーの金魚のフンというかお供え物の漬物と化していたヘル・ディガンナーの手柄も見事でした。

残念なのはサンダーカノンが登場しなかった(学年誌でも紹介だけでストーリーに関わらなかった気が……)ことと、デス・キャットの超重力砲の出番が無かった(天体級の質量って、撃ったら星が変形するのでは?)事ですね。サンダーカノンは最高時速がとても後期ゾイドとは思えない遅さで、部隊への随伴は厳しいですが、弾の直径自体はゴジュラスの42cmを上回っていると思うし、新機軸のパワーコネクタでキングゴジュラスにつなげたら共和国最強のキャノン砲になったかもしれませんね~。

No title

冒頭のゴジュラスがやられている場面と最終局面でマグネーザーが折られている場面がフェイクでしょうか。

後者は正しい画像がわかりませんが、前者は確かガンブラスターがやられている場面だったはずです。

凄い力の入りようですね……

めちゃくちゃ力が入ってますねぇ。新規撮影にせよ既存編集にせよかなり惹き込まれましたよ。
最後のメッセージ―愚かな戦争さえしなければの旨―は結構心に響きました。「こんな考察もできるし、そして人類の命題にも通づるなぁ」と感嘆しました。

No title

バトルストーリー1冊分まるまるの長文記事とは…、恐れ入ります。
読んでて改めて新バトスト2出てほしかったなと思いました。

最後のグランドカタストロフ、文章はすごくいい事書かれてるんですが…当時この終わり方してたら「今までの戦いはなんだったんだよっ」って思ってたろうなあ。
新世紀込みで見ればインフレが起きていたゾイドの性能をリセットし、初期ゾイドにも見せ場を新たに作る名采配だったのですが。

No title

ガンブラスター対ガン・ギャラドの場面だけ出典が分かりませんから、これがフェイクかな?
それと、キングゴジュラス対ガン・ギャラドの場面には「謎の爆発」と緑色の電撃が本来無くて、最後の場面には隕石が本来「右上から」じゃなく「視点めがけて」落ちていた。他の明らかな画像編集を見かけなかったが(所々の「謎の爆発」を除いて)、マッドサンダー対ギル・ベイダーの場面と彗星の場面は本来関係のないストーリーでした。

全部の偽りを見つけられなかった気がしますが…

No title

今日は新元号の発表と言う大ニュースもありましたが、
その前に新バトスト2巻完結と言うビッグニュースに感動しました。

個人的には2012年~2013年頃あたりのモノはリアルタイムで拝見したと思います。

今回、改めて全編通して読んで、あの新バトストの続きがここにあると思いました。

エイプリルフールに留まらず、バトリサの様に手に取って読んでみたい、
そう思えるくらい素晴らしい作品を拝見できて、とても嬉しいです。

No title

素晴らしい。。。このまま本にしちゃいましょう!

>今やアイス・ブレーザーやデス・キャットは弱りきり、シールドライガーが仕留めた。

この一文にぐっときました笑

No title

遅ればせながら、渾身のバトルストーリーを堪能させていただきました!(^ワ^)
当時、新バトストの続刊を心待ちにしていたのに、いつになっても出なかった
あの切ない気持ちが、時を越えてようやく満たせたように感じます。
ただ、他の方のコメントでも言われてまずがやはり隕石ENDは子供のときに
読んでも納得いかなかったでしょうねw
「なんでや!気持ちよく共和国勝利で終わらせえよ!!」と黄金期ジャンプ的な
テイストを望む気持ちでいっぱいになったろうなあ・・・(苦笑)。
(JOJO3部ENDを期待してたら6部ENDを見せられた気持ちというか)

しかし小学館は新バトスト1で最終決戦だとあおりを入れてたということは、
小学館的にはガイロス帝国が勝利するのが正史なんでしょうかね(ぇ)

No title

>場末の葦さん
めちゃくちゃ勢作に間が開いてしまいました・・・が、ようやく完結まで持っていけました。
長かった…。
作者、まぁ以前にテレビにも出ちゃったし移していいカナと思いああなりました(笑
お遊びも各所に入れたい!

>kageさん
アイス・ブレーザーは390km/hですからねー。ガンブラスターのような鈍足機では相手にならないと思います。
デザインは同じ高速タイプの万能アップタイプのグレートサーベルに比べると荒いかなーと思います。
武器てんこ盛りで、どちらかというとシールドMK-II系の火力UP/スピードダウン系の方向に見えます。
ただし、「末期の超技術」という要素を足すと、あの無茶苦茶さがかえってかっこよい感じがしますね。
アイスメタル装甲も暗黒技術の粋という感じで好きです。
リバセンで再販して欲しかったなー。

ヘル・ディガンナーは緒戦では共和国Hiユニット級各機やゴジュラスMK-II量産型相手にめちゃくちゃ活躍していましたぞ。
デッド・ボーダーと一緒である一時からほとんど登場しなくなってしまったんですが、、、。

サンダーカノンは元となる学年誌で一切の登場がない事。
デス・キャットは学年誌で登場はしてるんですが…、これがまた全然活躍してないんですよね。。
キンゴジュに超重力弾砲を放っているシーンもありますが、まるで効果なし。。。。

「小天体」っていうのは定義がどうなってるかですね。
天体というのは言ってしまえば「惑星間塵」も該当します。
惑星間塵はセンチメートルサイズ程度~以下の天体です。
「惑星間塵」よりも大きいのは「小惑星」ですが、小惑星ではなくて小天体と書かれている事は興味深いです。
この点も後々切り込みたいですね。

サンダーカノンは砲身が短いのでカノントータスと同じような臼砲だと思います。
あの時代なので構造はロケット化してるかな?
威力が不明なままなのは惜しまれます。ただ・・・、カノントータスと同じく携行弾数の問題がありそうですね。

>YHさん
すみません、、、今年はクイズじゃないんです。
行ってみれば全体がフェイクですね。

>スサイド生田さん
最後のメッセージはゾイド公式ストーリーの中からそのまま抜粋してます。
締めはこれしかないよなーと思いました。

>しめじさん
バトスト1巻分だとこれの倍必要ですね。
いずれ完成させたいなー。

最後の隕石は当時だと絶対そう思うでしょうね。
ただ常に戦いの愚かさを説いていたバトストが「勝ったぞやった!」で終わるわけには行かないのかな・・・とも書いている中で思いました。
「今にして思えば」ではあるんですが、良い終わりカタヲしたなーと思います。

>Falcariusさん
さすがにお詳しいですね。
ただ今年はすみません、、、。全体まるごと偽でした。
よろしくお願いいたします!

>ラウルさん
リアルタイムでご覧頂いていたということは、めちゃくちゃお待たせしてしまいましたね。
お待たせしてしまった分、なかなかの完成度にできたかなと自画自賛しています(笑
公式からも出て欲しいものです。
そういう奇跡も起こっていいと思うんですけどねー。

>BLACKさんさん
迷った末に入れた一文でしたが入れてよかったです(笑
シールドライガーはけっこう末期まで頑張ってるんですよねー。

>Jスターさん
堪能していただけて何よりです!

隕石エンドは「当時」に読んでいたらなんでだよと泣いていたでしょうね…。
(しかし小二ではマジでそうしちゃってますが)
逆転裁判3から4への流れの如き。

新バトストは共和国が希望をつないだ、バトスト2巻のトンネル作戦成功のくだりのようなイメージだったと思います。
プロフィール

三式

Author:三式
>HP(本家)はこちら
>掲示板

コメントはお気軽に!
コメントは
 @初めましての方も大歓迎
 @関係ない話題でもOK
 @但し宣伝のみ等はNG
 @名乗って頂けると嬉しい
という感じでお願いします。

リンク
カレンダー
04 | 2020/05 | 06
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
新着記事
最新コメント