アニメを振りかえろうvol.7

アニメイトで募金はじまってる!
さすがアニメイト。

来週は日本橋に近く行く予定があるので、その時に支援したいと思います!
しかし店頭募金。アニメイト店舗が近くにない方も多いと思うので、まだまだ他にも支援が立ち上がると良いですね。


さて、今回はアニメの感想の続きです。

今までに書いたもの・・・。

全体の感想さらっと
第一章
第二章
第三章
最終章
全体の感想を改めて1


・世界観とか
今作の世界観は……「設定は最高だが見せ方が悪かった」と思います。
そう設定は凄く魅力的なんだ…。

広大なワイルド大陸。少年は故郷であるイナカ村から旅立ち、大陸の様々な場所を知る…。

これはもう冒険モノの王道としてワクワクしないわけがない!

ですが残念ながら作品を見ていると世界の広さをあまり感じられなかった……。
風景があまり変わらなかった。
出発点・故郷であるイナカ村の下層部には「森」が広がっていましたが、これと同じ風景が作中の大半であった。
なんていうか…、遠くに来たなぁという感じがあまりしなかった。凄く狭かった。

例えば我々の住む地球で言うと…、日本を出て世界を見るとして…、
・南米の鬱蒼としたジャングル(むろん木の性質は日本と大きく異なる)を超えた。またそこで巨大な大河を見た。
・エジプトの灼熱に焼かれながら砂漠を越える。その最中に巨大なピラミッドを見た。
・極寒のツンドラ地帯で雪と氷でできた住居を見た。
・定まった住居を持たず移動しながら暮らす遊牧民に出会った。

などなど、こういう風に描けば旅をしている感じになると思うんです。
このように異国に来た感じがあると良かったんですが…、極めて薄かった。

気候もどこへ行っても同じ感じだった。同じような森ばかり。ちょっと違う風景が出てもまたすぐに森に戻る。
冒険モノとしてこれはかなり致命的だったと思います。
例えば北の方に行けば服装も厚着になるとか、南に行けば薄着で陽気な感じになるとか。
そういうのがあったら良かったんだけどなぁ……。
(上山先生の漫画版機獣新世紀ゾイドはこうした点における見せ方が抜群に上手い)

色んな街や村は出てきましたが、それらを見ても大陸の全体が見えてこない。その村が大陸のどの位置にあるのか。どういう背景で今の文化になっているかは全く考えられていないと思う。
何となく、という感じでしかなかったと思う。
各地の村を総合して見ると大陸全体の雰囲気が見えてくる…ようになっていればなぁ……、と思います。

逆に「狭い」と感じる要素は非常に多かった。
ペンネと何度も偶然遭遇していた(後半は意図的だが当初は任務を告げられる前なのでホントの偶然である)し、サンラータンは旅をしているアラシたちを探して追いつく事がすぐに出来るし。
言語が共通なのはまぁ仕方ないとしても…、貨幣は共通のゼニーが使われているようだったし。

実際に狭かったのかもしれない。大陸というより少し大きめの島程度とすればしっくりする気がします。が、それならば最終話あたりで「俺たちは大冒険して世界を知ったつもりだった……けど、そうじゃなかった。世界はまだまだ広かったんだ。よし更に知ってやるぜ、ワクワクがとまらねぇ!」みたいなのが欲しかったなぁ。

まぁ、「移動ごとに作中の風景をどんどん変えていけ」というのは製作に多大な負担をかけるから週刊アニメでは難しいかもしれない。
しかし、であるならせめて「地方により生息するゾイドが違う」ような要素があって良かったんじゃないだろうか。
ここもラプトール。そこもラプトール。ラプトールばっかり。
別のが居たとしてもせいぜいカブターかクワーガ。生息するゾイドはそんな感じでした。これでは変化が少ないよ……。

もっと多彩なゾイドが居ればなぁ…。
個人的にこんな風景が見たかったというのは…、例えば

大きな川がある。そこには野生のガブリゲーターが数多く生息し泳いでいた。キャビアの一件からガブリゲーターを警戒する一行だったが、野生の(洗脳前の)ガブリゲーターは不必要に人を襲ったりはしない温厚な性格だった。またそこにはガノンタスもおり、仲良く共存していた……。

砂漠地帯では無数のスコーピアが居た。同種ゾイドの出現にペンネのスコーピアが仲間を見てはしゃぎ出した。


とか、こういうのがあれば良かったな。川や砂漠くらいなら制作の過度な負担もかからないだろうし。
各ゾイドの生息域を示す事で大陸における「この地方の特色」が出せるし…、上の例で言えば野生のガブリゲーターを描いてこそ、よりいっそうデスメタル帝国の行為が深く感じられると思う。
ペンネ機の例は…、たとえば「同種ゾイドの出現にはしゃぐスコーピアを見て、ペンネは野生にかえす決意をする。だがスコーピアは同種ゾイドの群れではなくペンネに寄って来たのであった」とか。そんな風に描けば「人とゾイドの絆」も、いっそう表現できたんじゃないかなー……。

非常に惜しいです。


・ゾイド
ゾイドへの踏み込みは半端であったと思います。
今作のゾイドと人の関係は
1、人々はゾイドを恐れている
2、しかし一部にはゾイドと絆を結ぶ者も居る
3、デスメタル帝国はゾイドを兵器運用し大陸中に脅威を与えている

というのが基本とされていますが、1について「そうなのか…?」と思ってしまった。

アラシの故郷、イナカ村はそうだったし、幾つかの村ではそうなっていたと思います。
ただ全体として言えば、人々はあまりゾイドを恐れていないと感じました。

10話に出てきた町はラプトールの群れを「この街では普通のことだ」と受け止めていたし、ゾイド大道芸(トリケラ&ギョーザ)を大いに楽しんでいたし。

9話ゾイドを癒す少年の村は…、ここはゾイドを凄く嫌っていた。でもあまり恐れてはいなかった。


街に入ろうとするワイルドライガーとガノンタスを追い出そうとしている。怖がってはいないよなぁ…。

1は世界観の根幹を為す非常に重要なところと思いますが、ちょっと…設定との乖離が激しかったと思います。

もっと一般人はゾイドを恐れてるという感じを出せば良かったんじゃないかなぁ。
その要素は徹底して欲しかった。
その上で、
人はなぜゾイドを恐れるか。これを描いてほしかった。
「圧倒的に強くて生態系の頂点に君臨しているから」というのではいまいち具体性に乏しい。
できれば、ゾイドが出現したことで人々の暮らしはどう変わったのか。なぜゾイドは恐れ嫌われるようになったのか。
これを丁寧に分かりやすく描いて欲しかったです。

そうしてこそ2や3の要素が活きたと思います。


・デスメタル帝国
・相棒か、兵器か

デスメタル帝国はなー……。けっきょく何だったんだろう。彼らが掲げる理想を描いて欲しかったな。
深くなりそうな欠片は幾つもあったのに活かせなかった感じがする。

何度か書きましたがR.A.P隊は活かすべきだったよなぁ……と思います。「村にお金を送るために兵として働いている」ということは「地方には仕事がない」「デスメタルは雇用を生む」という事実に他なりません。
また、初期に出てきたラプトール隊隊長も注目だった。彼らは物語中盤でクビになりましたが、「ミス→即処分」ではなく、降格となった後にそれでもミスを繰り返したのでようやく解雇になった。ちなみに隊長たちはデスメタル帝国での暮らしを良かったと捉えていた。
四天王のキャビアはカンゴク施設を失うという巨大な失態をしたものの、整備員として再雇用された後に四天王に復帰した。
なかなか立派な組織体系をしていて、割とマトモな部分もあると思うんだよなぁ。

それに「ゾイドを無理やり操る」という部分にしても、本作の基本が「人はゾイドを恐れ嫌う」であるなら……、「ゾイドを自在に操るデスメタル」には一定の支持層が居てもおかしくない気がする。
「デスメタルがゾイドを制圧してくれるなら万々歳だ。その利があるんだからちょっと位奴らがいい思いをしても目をつぶろうじゃないか」という考えは自然に出ないかなぁ…。
ましてデスメタルは「雇用を生む」んです。見方を変えれば世界の救世主ではないか。

ただしゾイドが猛烈な被害を被っている事を除けば、ですが。

デスメタルが掲げる正義。それは「人の幸せ」を確かに叶えている側面はある。
でもゾイドを愛する主人公にとって、その一面をもって全て納得する事はできない。主人公はゾイドの幸だって考えたい。そうして両者が主張ををぶつけあう構成にして欲しかったなー…。
デスメタル側は「人」を基準にした正義が確かにある。それを支持する者も当然いる。
だがゾイドを不幸にするものでもある。そこに主人公達は切り込む。
そんな感じにならなかったのがとても残念です。

なんていうかなぁ…。世の中って絶対的な正解と間違いがあるわけじゃなくて、複雑で色んな矛盾もある。でもその中で、相互理解を進めて出来るだけ良い方法を探して、出来るだけ多くの者が幸せになれるようにしていくものだと思うんだ。
ゾイドを管理下に置けるデスメタル帝国。人基準で見れば確かにそれは生活に安心が訪れる良い事だった。
でもゾイドだって生き物で、無理やりにこちら側の意志だけで動かすってどうなの? 倫理的にも許されるの? 我々はゾイドを恐れそれゆえ管理下に置く事を良しとしたが、もっといい方法があるかもしれない…。
ゾイドに向き合って理解することに挑戦してみるか、あのアラシという少年のように。
みたいな、そんな風になっていれば良かったのになぁと思います。

「子供向け」であってもその辺はうまく表現できたんじゃないかなー…と思います。
むしろ終盤のデスメタル側がいよいよ絶対悪となっていったあたりはとても残念で…、これこそ向き合っていないと私は思いました。


…と厳しい事をいろいろ書きましたが、ホントに「惜しい」と思う部分が多いです。

感想は次回で最後まで書ききる予定……。あまり間が空きすぎない内にUPしたいと思います。
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

素晴らしいお考えの数々、もう三式さんが監督になってゾイドワイルド全部作ってれば良かったんじゃないですかね

ガブリゲーター……

おはようございます。

ちょっとしたひねりで面白さが増すだろうというような記述にはかなり共感できます。
もし「専用機」ではなく「野生体」のゾイドがもっと居たなら、たとえそんなに種がなくとも、深い世界観が描けてたんじゃないかなぁと。仰る通り、ガブリゲーターが野生ではガノンタスと仲良くする構想とか……。
……そうそう、ガブリゲーター。
未だにキットの出来はワイルドでベストなんですけど、いかんせんアニメでの使役者がマヌケで不憫でした。もっと扱いを良くしてくれたらなぁと悔やんでおります。アニメ効果って結構大きいですからねぇ……別シリーズでは「デジモンアドベンチャー」とか、そうですし。あの作品が「デジモン」シリーズのその後を左右したといっても過言ではないのです(結果、懐古ばかりがターゲットの商売になってしまいましたが)。

同感です

生息するゾイドのバラエティが少ないのは同感です。世界感が狭く感じるのもそうですが、戦いのバリエーションが乏しくなりますからね。レジスタンスなんかラプトールやクワーガで戦ってばかりなので、「そりゃ勝てんわ…」としか感じなかったですし。ガブリゲーターやガノンタスで戦うレジスタンスがあってもよかったのに。

あとデスメタル帝国が絶対悪になってしまったのは本当に残念です。侵略者であることは間違いないですが、そこそこ豊かな生活がおくれているうえに住人の表情も暗くなかったですしね。「ゾイドのせいで住処を追われ悲惨な生活をおくっている者もいる。また、身内や大切な人を殺された者もいる。その悲劇を終わらせるためにゾイドを支配下におかねばならない。」といった主張がデスメタル帝国にもあれば深みも増したと思いますが。
長文失礼しました。

No title

アニメの描写の物足りなさについては公式がたまにあげてる設定資料の日付にも注目するとまた違った面が
見えてくるかもしれません。
キャラデザ自体は2年以上前に出てるのにたいし舞台美術が結構カツカツだったり・・・
どういった制作現場だったかは推し量ることしかできませんが、個人的にはその中でできるものはやってくれたんじゃないかなと思っています。

No title

すみません、名前を入れ忘れました。
2019-07-21 11:54 のNoNameは私、レイです。
投稿し直しますので、お手数ですが最初の方は削除をお願いします。

野生ゾイドがSサイズしか出てこなかったことも、種類の少なさに拍車を掛けましたね。元々7種類しかいない上に、カブター以外はメインキャラと極力被らないようにしている様子もありましたし。そんな時こそ、各ゲームで推している亜種が役立つものを…。

3色出てきたギルラプターでさえ各1体だけだったので、オニギリの、赤いギルラプターは珍しい、という台詞も説得力が薄いままでした。

種類の少なさは、ワイルドの歴史の浅さからやむを得ない面もありますが、色替えなどの工夫があれば充分補えたという気もしています。

No title

うーん、ゾイドの情景に関しては、ちょっと設定と物語がどういう具合なのか分からなかったのですよねー。

一般の感覚である「この世界の人間がゾイドを恐れている」っていうのがあるのと。
「デスメタルをはじめとしてゾイドを発掘して蘇らせて使っている人々がいる」という設定と。
「野生のゾイドも存在する」という設定が混在していて。

どれも真実だとは思いますが、場所によってまちまちという感じで。
物語の中で変わっていったのか、それとも場所によって常識がまちまちだと言いうことを描きたかったのか。
どうなんでしょうね?

アニメは何というか、始めるにあたって余裕がなかったかのような印象があります。
計画性についてもちょっと疑問で、まず始めてしまったかのような印象さえ受けます。
しかし、まず始められる訳がないので、スケジュールが足りない中で制作されていたんじゃないかなーという感じです。
番組が進行していく中でTBSが番組の時間枠の提供を取りやめたのもありますし。

何かしら、もっと大きな動きの中で翻弄されていたのかなーという印象を持っています。
それでも、その中でも直情なアラシが苦悩する場面に立ち会って成長している姿は素晴らしかったかなと思います。
その点については、良く描けていたのではないかと。

No title

>NoNameさん
作品を作ることと作品を評する事はまったく違うので「作れば良い」に直結はしないと思いますよ。

>スサイド生田さん
ガブリゲーターやガノンタスは「水」に適応するので見せ場も作りやすかったと思うんですよねー。ぜひ出して欲しかった。
ガブリゲーターは後半でやや持ち直してくれましたけど、やっぱり最初のダメダメっぷりが悲しかったですね・・・・。

>YHさん
Mクラスのゾイドで戦うレジスタンス! 見てみたかったですね。
デスメタルのラプトール部隊を一掃するレジスタンスのMクラスゾイド。
それを更に一蹴する四天王。
こんな風に描けば良かったのになー・・・。

デスメタル側はもっと深掘りして欲しかったですね。
彼らの理念も描かないまま絶対悪として扱ったのは、、、どうなのかなぁ、、、。

>てるさん
製作の事情は分からなくはないのですが製作が大変だったからここは仕方ないと過度に配慮してしまうと逆に失礼だと私は思います。
私も以前にゲームを製作しておりスケジュールがやばすぎるとかスタッフが途中でいなくなるとか出来るわけないやんという状況も経験しました。ですがその事情があったとして発売日が伸びたとか内容が悪かったとかを許してくれとは言えないし、ましてユーザーからこういう事情だから仕方ないねといわれたら逆にプライドが保てません。
まあ過度に攻められれば当然にして「いやそうはいっても今回スケジュールきつかったし・・・」となるのも事実なので、要するに双方ともバランスかなとも思います。

>レイさん
スコーピアやグソックも、ワンオフにせずもっと登場してもよかったと思うんですけどねー。
後半に登場したディロフォスも、もっと活かせたと思います。
あそこまでラプトール頼みではちょっと寂しかった。。

Mサイズゾイドももっと登場していれば。。。
各キャラの特別感を出そうとしすぎて逆に世界観が「?」になってしまった部分はあるかもしれませんね。

>やまさん
設定はたしかに「?」な部分が多かったです。
発掘するという割に野性ゾイドも多かったですね。
キャンディーのカブターが「雷で目覚めた野生種」とされていましたね。
なので事情も徐々に飽かしていく予定はあったのだと思いますが、結局そこへの踏み込みはあまりなかったなぁ…。

「走り出してから考える」スタイルは悪くはないと思いますが、もう少し軸を持った上で走り始めれば最低限はぶれなかったと思うのですが、んー。
放送はもはやYOUTUBEオンリーでいいんじゃないかと思ったりも…。

アラシの成長は全編を通して見ると良かったですね。
やはりレジスタンス組織でのやり取りなどが印象深かったです。
プロフィール

三式

Author:三式
>HP(本家)はこちら
>掲示板

コメントはお気軽に!
コメントは
 @初めましての方も大歓迎
 @関係ない話題でもOK
 @但し宣伝のみ等はNG
 @名乗って頂けると嬉しい
という感じでお願いします。

リンク
カレンダー
07 | 2019/08 | 09
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
新着記事
最新コメント