軍事費6割

ガイロス帝国。
この国は西方大陸会戦前夜の時点で軍事力において惑星Zi最強であった……。


そんなガイロス帝国を考えたいんですが、この国家が惑星Zi最強になった理由は国家予算の実に6割を軍事費に回すという暴挙でもって戦力を充実させたことです。
6割っ凄いよなぁ……。
6割というのは戦時中においては普通ですが、平時においてはまずありえない数値です。
当然ですが福祉や社会保障に回す費用は低下する。

また西方大陸戦争以前の時代というと、これは「復興」が大事だった時期です。
ここに最大費用をかけるべきでありましょう。
民が生きるか死ぬか。そんなそんな
普通は暴動が起きてしまう。

漫画版の機獣新世紀ゾイドには戦争について正鵠を射た台詞があります。


そうなのだ、戦争は軍隊だけがやるもんじゃない。民の支持なくして戦争は出来ないのだ……。
ではなぜガイロス帝国が軍事費6割を実現できたかを今回は考えます。


一つは、「極悪鬼畜共和国がやってくるぞ」というプロパガンダ政策をしていたのだと思います。
この政策は旧大戦……第一次大陸間戦争が「グランドカタストロフでなし崩し的に休戦しただけで、いまだ正式な休戦条約は結ばれていない」という状況を考えればやりやすかったでしょう。

旧大戦のクライマックスはキングゴジュラス無敵。
学年誌のストーリーになりますが「小三」で暗黒種とダークネスへの攻撃が行われ共和国軍は勝利した。
おそらくその直後にグランドカタストロフが発生したと思われる。
見方を変えればガイロス帝国はグランドカタストロフに救われた面もある。あれがなければ完全に負けていたであろう……。

プロイツェンは旧ガイロス軍を徹底して批判したんじゃないかなぁ……。
実際にオルディオス登場後は負けが多く悲惨だった。旧軍の徹底した批判で民の指示を集め・同時に危機感をあおり、軍内での発言力をどんどん高めていったと思う。
「国の防衛には軍が必須であり民の我慢も必須なのだ」という思想に持っていったと思われる。


二つ目として、復興や社会保障も不満が出ない程度には行っていたとも思いました。
軍が中心になって。

軍というのは「戦闘」が注目されがちですが、その真価は「自己完結性」を持つことです。
自己完結性とは、食料・エネルギー・通信・移動、設営、インフラなどの必要な全ての要素を自分たちだけで用意する能力です。
外部に頼らない。この自己完結性があるからこそ、戦闘時にその力を存分に発揮できるのであります。
要するに軍は何でもできる。
建設でも、配送でも、通信でも。民間企業がなくても軍があればまかなえる。

さてガイロス帝国は軍に

1:6割の予算をつぎ込んで装備を充実させる。
2:軍に国が行う様々な事業をやらせる。兵はそこでゾイド乗りの技量を向上させる。

というサイクルをやっていたんじゃないかと思いました。

ふつう国が行う事業とは
1:事業が決定する(例えばビルの建設)
2:内容が公開され、受注を希望する業者(この場合は建設業者)による競争入札が行われる
3:企業が決定し、その業者が工事を行う
という流れが一般的ですが、2の段階で競合を行わず「軍に任せる」としたんじゃないかなぁ。

非常に効率的です。
「競合」というのはその形態ゆえ「より良いサービスや品質」が期待できます。
ですが競合はやはりお金が余計にかかるし企業数が増えるのは規模の小さい国家にとっては負担になったりします。
そこで軍に一極化して極めて効率化したんじゃないかなぁと思いました。

軍というのは質実剛健な造りをする。頑丈だが味気ないデザインのビルになります。装飾とは無縁。
民間だとデザインにまでこだわったりします。
ですがプロパガンダ政策を行い国民の危機感をあおっていたガイロス帝国ではこの事に文句を言う者は少なかったと思われる。

さて軍が様々な事業を行う。
その中で、例えば本来は輸送用としてはグスタフが最適でありその生産を急ぐべきである。
だが将来に備えてレッドホーンやアイアンコングのような[復興や各種j行にも使えるが将来的に戦闘用に転用可能な]ゾイドを優先的に増産する…ような「調整」もしていたんじゃないかなぁ。

軍が復興や事業を行う中心になる。
軍が滞りなく作業を完了させる。「軍は頼りになる」と民からの支持を高くする。
更に共和国へのプロパガンダ政策を行い、グスタフよりレッドホーンを生産したとしても「仕方ない。運べる量は多少減るが将来を見据えれば我慢すべきだ」と国民に思わせる。
そんな風にして、軍事費6割で不満の出ない国に仕上げたのだと思いました。

ただし軍に過度に依存するのは極めて危険な事でもあります。軍の暴走が起こりやすくなってしまうし。


さてガイロス帝国の国家予算の6割を今回はこのように考えました。
ガイロス帝国はまだまだ考えたいことがあります。
なぜか色について旧ゼネバス軍に近いカラーをしていたり、かといって純ガイロスカラー(紫)のゾイドも混在していたり、その法則がよく分からない……。
デススティンガーは昨日の記事のように考えましたが、他のゾイドはまだまだ謎が多い。
その辺もいずれ考えていければと思っています。
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コメント

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No title

軍は平気で自国民を撃つし、政治家も自分のことしか考えてないもの。
国民は他国の侵略を畏れるのは勿論ですがそれ以上に自国政治家や軍上層部との駆け引きは常に意識しなければなりません。
例えその動きが本物の政治家をも阻害するリスクを秘めていたとしても、市民が脆過ぎる存在である以上これは仕方ない。
そういう動きがマスコミなどによって刺激され、良識のある政治家には本来必要とされることの2倍3倍頑張ってもらわなければならないという不公平が生じ、世代が進むにつれ更に凡政治家を生み出してしまうのかもしれませんが、、、

国民の協力、というのは三式様の仰る通り絶妙な事前教育あってのものですね。
洗脳、というと北朝鮮とか戦前日本末期などが挙げられますが、より緩く迂遠なものとして微妙に反対意見が言えないようにする(賛成意見を積極的に唱えるようにするわけではない)とかがあります。
こういうのは周囲の人間や教科書とかのニュアンス次第で時間をかけて自然と育ってしまうもので、ある意味「文書によって知識を受け継ぐ」という現代人にとって不可欠な行為、それそのものに常に内包されるリスク。
本当に上手い煽動者はこのリスクの範囲を越えず暗躍するものと思っています。
大抵はその匙加減が次世代に受け継がれず、困ったことになるのですが。

プロイツェンが旧暗黒軍を批判したというのは大いに有り得ると思います。
その際、旧ゼネバス軍まで矛先が向かわないように腐心もしていたかもしれないなと。
普通は真っ先にそっちがやり玉に挙げられそうですからね。。。
ゾイドはディオハルコンが無くなった以上構成がゼネバスに寄るのは自然ですが、何か一種、象徴として形だけでもガイロス主力ゾイドが欲しいものだと思います(一応ガイロスがゼネバスを従えているという形を取るため)。
それも不要になるまでに意識改革が成功していたとなると凄いものです。

No title

旧暗黒軍やゼネバス帝国の民からすれば共和国には負けていたかもしれない、また強力なゾイドを携えて襲われるかもしれないってあおってたのかもしれないですね

そんなおそろしい共和国のために強力な戦闘ゾイドは必須であるとプロイツェンは国民たちを納得させたうえで自分たちの中央大陸帰還の野望をくわだててたのかもですね
自分と同じ境遇のゼネバス国民の立場も考えれば負けて惨めな思いをするくらいなら・・・と納得させやすかったのかもしれないですし

しかしマンガのプロイツェンは立派なこといってますねぇ・・・

No title

自分は軍事費が国家予算の6割になったのは信頼の積み重ねによる結果であり、軍の構造も国家にや国民に利益をもたらせるよう構築されていたものだと推測しています。

グランドカタストロフは惑星Ziにとって未曾有の大災害であり、皮肉にもそれが最初に軍の人心掌握に繋がったのだと考えています。
日本のように被災地域の秩序が守られる地域は一握りで、大抵は生存本能や私欲によって犯罪が横行します。
しかもその範囲が大陸の広範囲に及んでいるとなるとどうなるかは説明するまでもありません。
そういう時にこそ尊ばれるのは「自利に動かされることのない秩序と規律があり、それを強制できる力と資本を兼ね備えた治安維持機関」であり、地球でも軍隊が該当します。
そうして恩人となった軍は民から絶大な信頼を得るため、軍隊に救われた、軍隊は頼りになるといった前向きな第一印象を根付かせることができるでしょう。

次に問われるのは「災害から改善が進んでも尊ばれるか」です。
軍以外に依存できる組織が出来てしまっては信頼は薄れていき、最終的には暴力装置として疎まれる存在に逆戻りします。
これを防ぐ方法は多岐にわたりますが、他の組織はすがるに値しない存在だと知らしめるということが最終目標となります。
年齢からしておそらくプロイツェンの手腕はここから発揮されたと思いますが、これは単純な物量や良心ではどうにもできない駆け引きが必要なことであり、彼の人間離れした調整力を窺い知ることができます。
信頼を脅かす敵はありとあらゆる分野から出てくるので、結果として軍は様々な機能を内包せざるを得なくなったとも感じます。

これらを突き詰めることでやっと軍は唯一無二の扱いを受け、多くのものを専断できるようになり、国民はおろか覇王ガイロスにも野心が露見しないわけです。
プロイツェンはその気になれば人心を掌握したままガイロス帝国を簒奪することも容易だったと思います。
それだけの傑物がガイロスを地獄の底へ落とし、祖国ゼネバス再興のために人生を捧げ、(おそらく)悪人として後世に名を残すというのが感慨深いですね。
ゼネバス再興の信念があったからこそ素質を全てそこに注ぐことが出来たという側面があるのかもしれませんが。

余談ですが、軍の専断で最も割を食ったのは貴族だと推測します。
人心は概ねプロイツェンに掌握され多くが二戦級の儀礼部隊というお飾りに甘んじており、持ちうる血筋と富を活かせない国体に仕上がっていたとしたら、気骨のある人物にとっては歯がゆい状況だったことでしょう。
そこからシュバルツについて考えると、時折見せる直情的な行動にも納得がいき、彼もまた運命に翻弄されたなと実感します。

No title

軍事費60%というのは戦時の国家総動員体制になる前の数字だとすると、脅威的ですよね。公式設定を疑い出すときりがありませんが、ガイロス脅威論を唱える共和国側のプロパガンダと見るのもありではないでしょうか。

ガイロス帝国は旧ソ連(共産圏)のイメージをもっているので、行政(復興)でも軍が大きな働きをしていたという後者のご意見には同意します。「インフラ復興を軍の工兵隊が行う」「一般市民の医療を軍病院が行う」ことで建設予算や福祉予算を軍事予算として計上し、工兵や衛生兵の訓練や物資・燃料の蓄積を行い開戦の準備をしていたのでしょう。

逆に、プロイツェンが「暗黒軍を非難して利用した」というのは厳しいと思います。というのは、公式FBの1巻はガイロス没後1年からスタートしていますが、ガイロス存命中の批判は皇帝への批判になるからです。老いたとは言え失脚したわけでは無い皇帝を擁護しつつ旧軍の体制のみを批判するというのはハードルが高いと思います。

余談ですが、漫画版のプロイツェンは実に有能な政治家として描かれていて流石ですね。漫画EX版でも「帝国史上でも卓越した超一流の政治家」という趣旨の説明があったはず。バトスト版でもかなり器の大きい人物だと読み取れるのですが…アニメではどうしたああなったのかw

No title

軍事費6割と言う数字ですが、それが何年続いたのかも気になるところですね
アイアンコングの配備状況でゴジュラスと10倍以上の差がありましたが、これはゴジュラスの個体減が理由とも考えられますし
そしてシールドとセイバーでは2倍ぐらいの開きでした
何より軍備増強が目立てば共和国の諜報機関が気付きますが、開戦まで目立った対応をしてないところ他の記事で示唆されている国家総動員法をベースにした管理社会システム化して軍事費に福利厚生費などの民間へのサービスや食料の配給を一つにまとめていたゆえの数字だったのだと思います
同時に隠れ蓑にしたアイゼンドラグーンの組織構築や共和国内の旧帝国派との連携の予算獲得も含まれていたのだと思います

No title

プロイツェンは暴徒鎮圧で活躍したという記述がありましたが、拡大解釈するとやはりニクスでは内紛が断続的に起きていたのではないでしょうか。
ロシアは一次大戦が終わった後にソ連が出来、準内戦状態で戦間期を経過したため軍が諸外国に比べ大規模に維持されていたと聞きます。そんな感じでしょうか。

ところで私がもっともリアリティに難を感じているのは鉄竜騎兵団のような大規模な組織をどうやって秘匿していたのか、ですね。新世紀は大好きですが、プロイツェンスゲーでは済まされないレベルな気がして。
プロイツェン家は由緒ある摂政輩出の家系でもあるらしいですが、そういう記述から貴族豪族がそれなりに幅を利かせているお国柄とも読めます。暗黒軍は割拠する豪族達を対外戦争をダシにガイロスがまとめたものだったのかもしれません。
PK師団を(比喩表現だとは思いますが)「私兵」と表現している箇所もあります。ナチスの親衛隊が組織上はナチ党の私兵であり国防軍ではなかったように、元来ガイロスは準正規軍のような私兵組織が普通に存在する国で、プロイツェンはその他の私兵団は解体しつつ自身の私兵団は拡大し、その成れの果てが鉄竜騎兵団みたいな組織の発生につながるのかな、などと妄想しています。
三式さんにはいずれこの点もご考察頂きたいです。

No title

>場末の葦さん
私は政治家はまあ志の高い方もらっしゃるとは思いますが、根本的に政治とは国の豊かさを目指すものであって国民の豊かさを追求するものではないと考えています。
これは結果として同一になる事もありますがならない事も多いので日頃より意識するべきと思っています。

さて国民の協力には絶妙な事前教育が確実にあったと思います。
(それがあったゆえにプロイツェンの反逆後の国民の事を想像してもまたふくらんでいどうな気がします)

プロイツェンは旧暗黒軍の批判と共和国へのプロパガンダを同時にやったんでしょうね。
ゼネバス帝国は逆に持ち上げていたのかな。
けっこう開戦当初の色ってゼネバス的でしたし。ヘルディガンナーまで…。

>ヒューイさん
まず、あおられなくても恐怖はあっただろうし、あおられたらますます信憑性が上がって怖くなったでしょうね。
上手く利用したと思います。

漫画版のプロイツェンは本格的に動き出す前に終わってしまったのが残念でした。

>アザレアさん
なるほど。たしかにガイロス帝国は軍ありきの国ですからね。
自然と6割になったのかもしれませんね。

書かれている考察、お見事です!
プロイツェンの思いや行動が見えてきました。
「プロイツェンはその気になれば人心を掌握したままガイロス帝国を簒奪することも容易だった」からの文章は確かにそうですね…。
ゼネバス再興の信念があったからこそ素質を全てそこに注ぐことが出来たという側面がある、はまさにその通りだと思います。

>ネームレス Mk-II 量産型さん
6割は平時としてはありえない数字ですね。
共和国側のプロパガンダの可能性も考慮しました・・・・・・が、機獣新世紀ファンブックって、いわゆる「神の視点」で書かれていると思うんです。
これはメカ生体ゾイドのが共和国側のしかも一退役軍人の視点で書かれていたのと対照的です。
神の視点なので基本的にはフェイクは入っていない(無論全て正しいわけではない、これはフェイクではなく調査不足による誤りという意味)と思います。

暗黒軍の非難…はわたしはあると思いますねぇ。
これは、末期の暗黒軍をみれば「そりゃ、批判されるわ…」という状況だった為です。
むろん言葉遣いなど気をつけるべきところはありますが、痛いところを付く発言くらいから初めて徐々に発言を大きくしていったんじゃないかなあと思います。
もう一つ、ガイロス自身が独裁というより他者の意見は聞くものであったとも思います。

ガイロスは中央大陸戦国時代に名が出てきます。
ガイロス帝国皇帝は彼の子孫と思います。
中央大陸戦国時代のガイロスはヘリックの意見を聞き即座に暗黒軍(当時)と戦うくだいには融通が利きました。
その辺の総合ですね。

>デスペラードさん
たしかに何年続いたんだろうなぁ…。
でもホエールキングなどは特に建造に年単位で時間がかかりそうだし、けっこう長く続いた気もします。

共和国の諜報機関が気付いていないのもたしかに要注目なところですね。
色んな所から補強していきたいです。

>マーネイスさん
グランドカタストロフ後はいろんなことがあってない粉状他イナジ気も合ったのかもしれませんね。
あの時期は大陸中に遺棄された兵器が落ちていただろうから、そういう状況にもなりやすいし……。

鉄竜騎兵団はたしかに考えたいところですね。
仰るとおり何でも間でも「プロイツェンの反逆であった」とするのは便利すぎる…。
ある程度にしておかないと逆に薄っぺらくなると思うので、他にも多角的な要素からみていきたいですね。

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