ベアファイター試作モデルの事

先日、試作機の話をしました。

さて試作品の中で最も形が違うのは間違いなくベアファイターでしょう。
もはや別物・・・・。



この形状、バトストでも頻繁に登場しています。
少なくとも一定数は量産されていた模様である。

ゾイドバトルリサーチでは、これを先行タイプとして解釈しています。
戦況が逼迫する中、ベアファイターは「完成したがまだ不安定で故障も多い」ような状態でロールアウトされた。

初陣がデスザウラー登場直後なので、そういうこともあると思います。
デスザウラーだけでなく、ブラックライモスも帝国軍の主力戦車として脅威度を増していた時代。
本来ならブラッシュアップしてから完成として量産・配備すべきである。しかし状況からやむなく「ブラッシュアップは量産しながら行う」とされたんじゃないかという解釈です。


キットの形状は、ようやくブラッシュアップされた形。

ただ別の解釈もできるのかな…とも思います。
面白い例を言うと、太平洋戦争の序盤において大活躍した飛行機に「97式艦上攻撃機」があります。
こちらについてですが、実は97式艦上攻撃機には「97式一号艦攻」と「97式二号艦攻」があり、どちらも同じ97式艦攻の名前を冠するにもかかわらず外観も開発会社も違います。


なんで二種類あるのか。
これは、「中島飛行機と三菱重工で次期艦上攻撃機のコンペが行われた。だが出来上がった試作機に決定的な性能差がなかった。そこで両方とも採用した」という経緯です。

両機の分かりやすい違いを言うと脚部ですね。
一号は引き込みタイプなのに二号は固定脚。
もっとも全体のサイズや大まかな形状は(脚を除けば)似ています。

開発は性能要求や空母に搭載するからサイズの指定などもあります。
そこから計算すると、だいたいの形状やサイズ感は似てきます。ただしやはり細部の仕上げは違ってくる。
その仕上げによって性能の優劣が出るので普通はコンペに勝った方のみが採用されるんですが、この場合は差があまりなかったので非常に珍しい例ですが両方採用されたわけであります。

さてベアファイターもそんな感じで解釈しても面白そうだと思います。
我々がよく知るベアファイターは一号タイプ。試作金型のは二号タイプ…というように。
「次期主力ゾイドとしてクマ型野生体を使用したHiユニット級重戦闘ゾイドの発注が共和国の2メーカーに出された」
コンペの結果良い方を採用しようとしたが、どちらも同じような性能だったので両方とも採用した。





ちなみに、上で例に出した「97式一号艦攻」と「97式二号艦攻」ですが、性能は似たようなものでしたが実は発展性に差がありました。
一号はその後改良されて飛躍的に向上した「97式三号艦攻」になりました(外観の差はほぼない)。
それ以降は「一号」「二号」の生産は停止し、全て97式艦攻は全て「三号」タイプで生産される事になります。

これはあれだなー、ベアファイターが最終的にNew Typeになったのと似ている。
この解釈でも面白いなと思います。



ただ……、難があるとすれば時期です。
「コンペ」はその形態ゆえ競争意識が生まれ高性能機を生みやすい。
反面、お金がかかる。
また似たものを二つ作らせるより、どちらか片方にして集中生産した方が効率が良い。

こうした事情があるのでコンペや並行生産は戦時中ではなくて平時の余裕がある時に行われる事が多いのであります。
ベアファイターはおそらくD-DAY後の猛攻する帝国軍…というヤバげな状況で発注されたゾイドだと思う。
なので、それを思うと私は最初に書いた推測の方が濃厚そうな気がしています。

とはいえ、色んな妄想のしがいがあります。
試作はやっぱり楽しい!
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コメント

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No title

お仕事、お疲れ様です。ご体調崩されませんよう…。
この試作品、大好きなんですけどね。メルヘン的なクマさん度は試作の方が上な気がします。顔とか。
戦記的な妄想も楽しいですけど、メーカーとしてはなぜここまでのデザイン変更をしたのか、それも気になります。
ニューカラーにすると、顔がシュッとしてる発売デザインはホッキョクグマにもみえてなかなかいいと思います。その辺が理由なのかな。

No title

試作型のほうが口の形状とか爪の形状が格闘戦強そうには見えますね?

No title

M4中戦車のパターンはどうでしょう。Wikipedia先生によると「鋳造生産能力の不足から…鋳造一体構造の…M4A1と板金溶接車体のM4が同時に量産された」「生産に関わった主要企業は11社にも及び…各生産拠点に適した…生産方法を採る形で並行生産させたため、多くのバリエーションを持つ」そうです。

つまり、制式化されたベアファイターは戦況の激化により生産計画が繰り上げられたが、当初の生産工廠での対応が遅れが生じたため、別の工場でも急遽増産することになる。その別工場での生産をスムーズにするため、多少の仕様変更が容認された…のが試作品のベアファイターという解釈です。

なお、西方大陸戦争で「ベアフャイター」なるゾイドが登場するのはまた別のお話ですね(笑

No title

スフィウスLABの堀井氏がTwitterで言及されてましたが、新製品は試作品に色つけてバトストのスチールを撮影していたそうです。玩具や模型みたいな立体コンテンツに手作り文化が強かった頃の名残ですね
こういうのは90年代半ばまではまだあって、「ガンダムW」ではプラモ説明書の次回作予告はだいたい試作品が掲載されてました。SEEDあたりだと模型誌の先行公開品もラピッドで3D出力した奴なんですけどね

No title

>マーネイスさん
甲乙付け難い完成度ですね。
デザイン変更は謎ですよねー。
多分試作モデルは安定感が悪く、歩行バランスの調整などが入ったものと思われます・・・が、それにしたって顔などここまで買える必要があったのか?と思えますね。
あと、この試作モデルのショットをカタログなどで後年まで使い続けたのも謎・・・。

>ヒューイさん
爪は特にライガーゼロの様に開いているので強そうですね。
口はちょっとおちょぼ口で開き具合は制式機の方がありそうです。

>ネームレス Mk-II 量産型さん
M4的な解釈も面白いですね。
ただ別メーカーでの生産…とはいえ、ここまで外観に差が出るかなあという疑問もあったり。
しかし実際の地球の開発史を見ても色んな例がありますよね。
それを元にゾイドを妄想すると面白いなあ。

ベアフャイターは、うーん。
重巡洋艦の利根が「TONE」なので米軍からは「トーン」と呼ばれていたみたいな現象ですかねえ。

>NoNameさん
バトストをよく見ると塗装が一部はげていて試作モデル特有の字腹の色が見えているのもありますね。
実に興味深いです。
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