21話!!

21話でした。

※現在は配信終了

今回はかなり異色の回だった気がします。

予告がこんな感じだったんですよね。

なので当初はホラー回だと思っていたし中盤まではそんな雰囲気だったんですが、そこから意外な展開を見せました。


旅を続ける一行は、廃墟となった街に一棟だけ美麗な姿を保っているビルを発見する。
そこで調査をする事になったのだが……、


頑丈なシャッターで入り口は完全に遮断されている。
どうやらこれが侵入者を阻みビルを守ったようだ。
調査、あるいはお宝探査のために中に入ろうとするのだが当然開かない。
と思いきや、不意に自動で開く。
疑問を感じつつも一行は中に入る。

内部は侵入者から完璧に守られていたようで、ゾイドクライシス以前の状態がありありと分かるものであった。
ビルは下層部が各種テナントが入った商業施設、中層階以上は会社オフィスや住居という構造のようだ。
大型ビルによくある感じですね。

侵入者から完璧に守られた稀有の建物。
内部でアイセルはゾイドクライシス以前の記憶を濃厚に感じる。

そしてまた、建物内では徐々に怪奇現象も起こる。


誰も居ないのに突如として送付されるファックス。
一行を誘うように動くエレベーター……。
そして一行は、上層部の部屋でAI搭載型人形「アリス」に出合うのだった……。


ということで21話でしたが、改めて異色な回だったと思います。
その中に意外と重要な要素が隠されていたと思いました。

バズは今回はギャグ要因だった。
現実主義者らしい金持ちに憧れる感じ、お宝探しにワクワクしてる感じ。
そして現実主義な割にお化けを恐れる感じも面白いですね。
バズのおかげで物語が軽妙に進む。
そしてアイセルとの掛け合いも良い感じ。このお二人はどんどん仲良くなって欲しい!


-ビル内での描写について-


CD聴いてましたね。
流れていた曲は前ED、千田葉月さんの「ヒカリ」。
我々の世界では配信専用なんですが、作中世界ではディスクでも発売されていたのか…。うらやましい限りだ。

…話を戻します。
CDは寿命がある。基本的には100年もはもたない(反射膜のアルミが劣化する為)。
よほど良い状態で保存されていたか、あるいはビル内の空間が本当に時が止まったようになっていたのか……。
(ただしヘッドホンは年月相応に劣化していたが)


通路やオフィスはちょっと綺麗すぎる気がする。
ゾイドクライシス時の状況、おそらく一刻を争う緊急避難が行われたのであろう……を見ると、もう少し散らかっていそうな気がするし、遺留品が残っていそうなんですが。

物が乱雑に散らかっているだろうし、もっと言うと逃げ遅れた者のミイラ化した遺体があるような状況の方が自然に思えます。
が、それは対象年齢を鑑みて描写しなかったのかな。

アイセルはビル内でゾイドクライシス以前の記憶を濃厚に感じていた。


多分これはアイセルが考古学者だからじゃないかな。
考古学者というのはわずかな手がかりからその時代のリアルな姿を組み立てる。
わずかな手がかりからリアルな映像を頭の中に作り、そしてその時代を想像するような事も多いでしょう。
時に現実を忘れるほどに自ら思い描いた映像に没頭する。それは彼女の考古学者であるという所をよく示していると思います。
そしてそういう彼女だから後の「アリス」「マリア」に対する態度になったように思う。


AI人形・アリスは凄いな……。
「対話可能なAI人形」は実現できると思う(個人で購入できるのは凄いと思うけど)。
ただアリスは……、もはや「持ち主との対話」というレベルではなく「ビル全体を自らの体とする」レベルであった。
侵入者の監視、電話(FAX)の呼び出し、エレベーターの操作、鍵の解除、etc.

持ち主の「マリア」との別れの際は「お出かけ?」と呑気に問いかけていたので、おそらくこの時点では持ち主との対話が可能な程度の能力だけだったと思える(外の様子が分かっていない)。
しかし帰りが遅い事からマリアの状況を積極的に探ろうという動きに出た。そして徐々にビルのネットワークに侵入しその機能を自らの支配下に置くような事を100年続けていたのだと思う。
持ち主を待ち続けながら孤独に進化を続けるのは機械ゆえの高性能と忠実さ、そして悲しさを感じる……。


「アリス」はAI人形すなわち人造された生命と言えるでしょう。
否定的な書き方をすると、「確かに会話はできるが、だからといって生きてるわけじゃない」とも言える。
でも本話でアリスの「想い」や「生命」はとても強く尊重されていた。
守ろうとし、ジャミンガに破壊された際は激し怒りになった。
これは私はとても大きな意味を持っていると思いました。

話がゾイドワイルドじゃなくなるんですが、ゾイドで人造生命というとやはり「ブロックス」を思い出さずにはいれません。
今回の話は、人造ゾイドであるところのブロックスを肯定する内容でもあったと思います。

ブロックスは……、新世紀当時は「兵器としては極めて有効だが、ゾイドとしてはあまり良いものではない」と扱われる事も多かったと思います。例えばシュトルヒ付属の公式ファンブックEXです。
-----
「おまえこそ、これを見て何も思わねえのか?」
低く、かみ殺したような声が、かえって深い怒りを感じさせる。
「味方は優勢です。喜ぶべきかと思いますが…」
「これはゾイド乗りの戦いじゃねえ!」
もともとアクアは血の気の多い士官だ。だが彼のこの言葉は、ほとんど全てのゾイド乗りの思いを代弁している。今、この星の戦いの形が、ゾイド乗りの望まぬ方向へと大きく変わろうとしていたからだ。
 
発端は、数年前に生まれた新たなテクノロジー。人工ゾイド核が開発されたのだ。
これは戦闘ゾイドの生産に、野生ゾイドを必要としなくなったことを意味する。低コストで、大量生産でき、個体差による性能のバラつきもなく、機体とパイロットの精神リンクも必要としない、誰にでも扱える人工ゾイドが造れるようになったことを意味するのだ。

<中略>

技術は進歩し続ける。より合理的に。キメラはより強く進化し、コントロールの問題も解消されるだろう。やがて。
そう思いながらもサファイアは、2人のゾイド乗りの舞いに魅せられていく自分を止めることができなかった。
-----

この冊子ではブロックスではない生粋のメカ生体であるところのゾイドに乗って戦う「本物のゾイド乗り」が語られています。

今回の話は「ブロックス」にこれまでより一歩進んだ議論をするきっかけになるのではないでしょうか。
ゾイドワイルドシリーズは従来シリーズよりも「生命としてのゾイド」を強調しています。
その魅力「メカだけど生きている」を伝える事に全力を尽くしている。
でもその一方でバズのジープ…「無生物で完全な機械」を同行させているし、今回のようなAIという人造生命を登場させたりする。
そこが深いなぁと。考えるきっかけになるなぁと思います。

ただし現状で「じゃあこれは?」と思うのはジャミンガかな。
ジャミンガは一切の容赦なく破壊されてるんですよね。まぁ明確な脅威だからそりゃ排除するのは当然なんですが、ジャミンガもまた「不完全な姿で生まれてしまった悲しき生命」ではあると思うんですよね。
今後はそこに付いての踏み込みもあると良いなと思いました。


AI人形アリスはジャミンガに無残にも破壊された。
そこからのアイセル&ラプちゃんの鬼神の如き強さは圧巻。


砲身も焼けつく暴れっぷり。

だが戦いは虚しい。
ジャミンガを破壊しても過去は戻らない。
このビルもまた間もなく廃墟になるだろう。
眠りについたアリスを残し、一行は再び前に進むのだった……。



ぶち壊しになるようなツッコミをすると、アイセル達はビルに侵入する前に開いたゲートの位置に簡易なバリケード(その辺の廃材でも使用して)でも作るべきだったね……。
そうすれば少なくとも短時間でジャミンガの侵入を許すようなことはなく今回の悲劇も防げたと思う。


アリス。
アイセルは感情移入しすぎていた。なので「アリスの無事だった機械の一部がラプちゃんに組み込まれ生き続ける」ような展開もあるのかなーと思っていたんですが、それはなかった。
当初は「自分が本当にマリアである」という位に感情移入していたんですが、破壊されたところで一歩冷静になって「アリスに誤認されるほど似ていたとはいえ、やはり自分はマリアではない」と思ったのかな。
だから「本物のマリアを待つ」状態で眠らせてあげた(それがありえないことは分かりつつも)。
自分が持って行くべきではない、と考えたのかなぁと思いました。

今回は異色の回でしたが、長い旅を続けていくと色んな体験や経験をする。
そんな回でもあったと思います。


あと、冒頭の帝国皇帝まわりの描写も必見だったかと。


今後どうなるかに大注目です。
あと侍女のジーンさんも。


フルネームが!
うん、大注目ですね!


次週はアルドリッジが活躍するみたいで! 楽しみです。
またオメガレックスの発売も近くなってきたので、そろそろか!? という所も心待ちにしています!
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

No title

3月は色々と忙しいのに、コロナ対応・学校休校対応(内の会社はパートさんが子連れ出勤になりましたw)でバタバタしていたので、お久しぶりでございます。

頑丈すぎるシャッターとか、経年劣化しない(スポンジ以外w)街とか、子ども向けにしては高性能すぎるAI人形(コレは攻殻機動隊の世界観か)とか色々不思議な世界でした。以前にあった時間の止まった街との関係があるのかと思いましたが、キューブは無いようですので、関係なさそうでしたね。

アイセルはもしかするとマリアの子孫なのかもしれません。マリア→アリス→アイセルってちょっと似ているような気もします。考古学を目指したのも、もしかしたら遠い昔の遺伝子が騒ぐ気質があるのかも。

前回がラピュタ要素がありましたが、今回の後半はジュラシックパーク風な感じでした。ジャミンガ相手とは言え、ラプトリアの大活躍も素晴らしい(レオのライダーキックも相当なものですがw)。終盤は、アイセルとラプトリアでダブルヒーローが熱かった。

で、最後のEDに表示された「エレシーヌ・リネ」に『はぁあぁぁぁっ!?』と声を上げてしまったオールドゾイダーは私だけではありますまい。後から見返すと、お茶を入れてと指示された返事の「ただいま」の意味が全く変わってきます。おかえりなさいませ〜♪

もう塩コーヒーは入れないで下さいよ

…ところで、「ジーン」は女性名のjean/jeaneでしょうが、geneを当てると遺伝子の意味になります。受け継がれたのは何の遺伝子か…?

個人的には特にマリアとアリスの名前にも気になりました。白雪姫のモデルとなった人物がマリア・ゾフィア・フォン・エルテルという方らしいのです。アリスはもちろん不思議の国のアリス。不思議の国のアリスの冒頭ではアリスの姉が登場していて、今回のゾイドワイルドZERO本編でもマリアがアリスを妹だと言っていたのでそこもオマージュしているのかなとも。アリスが眠りについた所も白雪姫が毒林檎によって眠ってしまった所をオマージュしているのかも?

No title

エリシーヌ・リネ、だと…⁉︎もしや子孫?
しかも、声までご本人とは。これは、実は侍女が本物の皇帝という線もありか。

そして、ギレルがまさかの皇帝の護衛に就任。しかし、護衛機であるスナイプテラのガトリングが撤去されているのは何故なのか。いざという時にギレルに全力を出させたくない=皇帝の暗殺を狙う何者かの影が見える気がします。
ある意味もっと驚いたのは、それを普通に話題にするアイセルです。そんな重要な帝国の人事を何故普通に知っている?

ところでレオ、また一段と強くなってませんか?機械化したのは左半身のはずですが、右足でジャミンガを蹴り飛ばしてましたし、表面に出ていないだけで、実は全身機械化してるのでは…。


エリシーヌ・リネといいアイセルといい、不思議な血の繋がりを匂わせる回でしたね。

No title

人間には、それとも生物でしょうか。
心にフィルターがかかっています。それがあるから自己と他者を分け、生きている訳です。

今回のアイセルは、自分が感じ取った「物語」によってそのフィルターを外された形かなと思いました。
生命を定義するのは今でも曖昧で、肉体の活動要件であったり、思考であったりしますが、「物語」もその要件の一つです。
漫画。小説。ゲーム。ドラマ。映画。人間は時に、それが非生物だと理解していても感情を入れ込みます。
それが物語です。
そして、アリスに至るまでに感じ取った物語が、アイセルをあれだけの想いへと走らせたのでしょう。
そして、彼女の優しさが、アリスの前でマリア(望まれた役)を演じる心理へと辿り着かせたのだとも考えます。

ゾイドが生物であることを強調されている以上、このことについては引っかかるものがあるのであれば、各々が考えてみるといいのではないかなと思います。

シュトルヒの古式ファンブックEXで人工ゾイドコアのゾイドに対してはいらだっていたゾイド乗り達だって、実は正しいと言い切れるものではないのです。
工場で創られようが命は命です。ゾイドは……ゾイドです。そこに個性が感じられなかったからって違うものだと憤るのは、「俺の知っているものと違う」というワガママな理由ですらあります。
見方を変えれば、命の奪い合いにロマンチシズムを抱いている勘違いした人間であることも甚だしいとすら糾弾できます。
そして、それらを否定し切れないのが人間の業ですらあるとも思う訳です。
それは、私の中にもありますので。他人にそこを突かれたら、歪んでいる自分を肯定せざるを得ないでしょうね。

そうした諸々の要素から、今回はゾイドというものを扱った作品では受け入れられる範疇にあると思いました。
後は、今回のエピソードを見た方々がどう結論付けるかにかかっているのではないかなとも思います。

最後に。
フィオナ皇帝ですが、どうやら実権を持たない神輿のように見えました。
彼女の言葉は、それを裏付けているようにも感じます。
だからこそ、シーガル准将のようなやり方が通ったのかも知れませんね。
となると、代理同士で話し合っていた共和国の大統領も、どれだけの実権を持っているか……。
今後が気になる人物達でもあります。

No title

>レイさん
>護衛機であるスナイプテラのガトリングが撤去されている

ギレルはフィオナが「赤き死に神の注意に興味を持ちました」というので呼んだので、護衛というのは名目(建前)なのではないでしょうか。恐らく、フィオナの希望でスナイプテラごと呼ばれたわけで、殿様の前で帯刀しないのと同じ理由で武装解除になったのだと私は解釈しました。

No title

>ネームレス Mk-II 量産型さん
返信ありがとうございます。

なるほど。ギレルとプテラはあくまで話を聞くために呼んだだけで、本職の護衛は恐らく別にいるというわけですね。確かにそれはありそうです。貴重なご意見ありがとうございました。

No title

>ネームレス Mk-II 量産型さん
今回は不思議な感じでしたね。
でもこういうのもアリかなと思いました。

キューブは関連してると思っていました。全然関係なかったんですね。
そういう流れからビルの調査になったのに、意外でした。

マリアとアイセルは関係あるのかなー。
そこはちょっと気になりますよね。終盤でその辺が明かされたりするのかなぁ。
確かに、あまりにも似すぎている気もします。
私は今回の記事では「アイセルが考古学者だから」と考えましたが、その可能性もありそうですねー。

エンディングの名前はびっくりですよね。
早く本格登場してほしい!

>NoNameさん
文学的な回でしたね。
深読みするととても面白い!

>レイさん
びっくりですよね!
ただしフィオナ皇帝も意味深な名前です。
海外版ZOIDSではフィーネが「フィオナ」と呼ばれていたので、関係ないわけではないです。
あえてその名前の要素を二人に分けた意味もあるのかな。
今後が楽しみです。

ギレルのスナイプテラは言われてみれば確かに。
私はそこまで気にしていなかったんですが、そういう可能性もあるかもしれませんねー。

話題にするアイセルは私も気になりました。
ロイ・ジー・トーマス氏を思わせる情報通ですな。
両国の信頼関係の為にフィオナ皇帝が情報発信しているのかなー。

>やまさん
とても深い考察、なるほどです。

ゾイドが生物である事を是とし、生物でない事を非とするのはエゴとも言えますね。
とても深いテーマですが、今回の話がそれを考える良いきっかけになった事は確かだと思います!
異色な回でしたが、こういう話もあっていいなーと強く思います。
プロフィール

三式

Author:三式
>HP(本家)はこちら
>掲示板

コメントはお気軽に!
コメントは
 @初めましての方も大歓迎
 @関係ない話題でもOK
 @但し宣伝のみ等はNG
 @名乗って頂けると嬉しい
という感じでお願いします。

リンク
カレンダー
07 | 2020/08 | 09
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
新着記事
最新コメント