24話追加その2

アニメ24話の更に続きです。
24話の見所はまた、ランド博士側の描写でもあったと思います。
毎回毎回どんだけ内容濃いんですか!

~ランド博士~


ゾイドの強さを追いかける狂気的な部分が見えてきたランド博士。
若かりし頃の映像もたくさん流れました。
現在は物腰は極めて落ち着いている一方、最強ゾイド開発にかける狂気的な熱意はむしろ若い時以上に煮詰まってる感じがする。

居るんだよなぁ。こういう、自分の思ってる事は絶対に正しいと信じ一切の疑いも持たない人って……。
でもまぁ、技術者なんて基本的にそんなもんだと思います。
否、むしろそんな風だからこそ狂気的な熱意が生まれ大きな成果も生むのです。
それ自体は悪いことじゃない。丸い考えなんてしてたらそれこそ抜きん出た論文なんて作れない。

でも、だからこそ。そうした狂気的な人物は周囲が配慮しなければいけないものだと思います。
集団なので各個人が完璧じゃなくていい。むしろ個人レベルで見れば「不完全だけど単一の能力が特化してる」くらいがいい。
そんな個性的なメンツが集まって、でも集団として管理できており全体でバランスが取れてればいいのだ。

例えば旧日本海軍で「造船の神様」と言われた「平賀譲」氏は本当に凄い軍艦を多数設計しています。
彼の艦は「ジェーン海軍年鑑」で特記付きで紹介されるなど世界的な大注目も受けている。
ただ彼は自分が絶対に正しいと信じきっている性格で、異なる意見を一切受け付けない人物でもありました。
受け付けないどころか自分に意見しよう者が居たら立場が誰であれ怒鳴り散らす変人であった。
付いたあだ名はニクロム線(すぐに赤熱するという意味)。

彼は軍部の戦略的な方針さえも「そんなもんは知らん、俺の思い描く理想の艦にするんじゃい!!!!」てな具合で関係者を大いに嘆かせた。
いかに厄介な人物だったかが分かるでしょう。
他にも、別の設計者がが新型戦艦を開発していれば、担当でもないの私案を送って現場に送って混乱させたり、もうやりたい放題。
でもそんな彼を、旧海軍はどうにかしてやりくりしていました。
時に「出張・技術調査」の名目で海外に赴任させて……、これは実質的な左遷である……、居ない間に設計を軍部の方針通りに調整するとか。
そんな風な多大な苦労をして、どうにかこうにかバランスを保っていたわけであります。


帝国軍にはそういう配慮は欠けていたかなぁ。
素晴らしい技術を持つランド博士。しかし犯罪人を特権で徴用したりしている。もはやその危険性は明らか。
その事からいち早く危険性を察知し、手回しはしておくべきだったんじゃないかな……。
組織とはそういうものだと思う。超技術を持った変人を「正しく把握し」「上手く利用し」「国(軍)の発展に貢献させる」という器用さが必要なのだ。

ただ、んー……、帝国軍はもしや、「暴走してもいいだろ。共和国をつぶしてくれるなら結果オーライよ」という考えがあったのかなぁ……とも思いました。
まさか帝国から離反するとは思っていなかったので、ランド博士の危険性を認識しつつも「その危険は共和国の危険であって帝国ではない」と思っていたのかも……。
ジェノスピノは結果的には帝国に損失をもたらした(共和国の被害を全面的に補償する莫大な費用が発生)。
ただ、共和国首都ネオヘリックの攻略に王手をかけたのも事実。

そのジェノスピノよりも強いというオメガレックス。しかもノコギリで直接切らなきゃいかんジェノスピノに対して「遠距離から荷電粒子砲で撃つ」という圧倒的な運用面を誇る。
「ジェノスピノは失敗したけどオメガレックスならやるだろう」
という甘い見通しをしていたのかも……。

ランド博士は、描写を見る限り最高級の待遇がされていた。
それはもう広い個室があるし、私物(写真など)も持ち込んでるし、好き勝手に開発できるし、将官クラスの特権があるし。
普通の人だったらこんな最高の待遇なんて捨てるわけがない。

そう、普通の人だったら……。

帝国軍の甘かった部分は、ランド博士がまったくもって普通じゃない・自身の安泰よりもゾイド探求を優先する変人だという事を認識しなかった事かな……。


ランド博士が娘サリーに抱く感情は複雑な感じがする。
最近まで写真を持ち眺めるなど愛情は確かにあったと思う。
あと……、側近にしているメルビル少尉ってちょっとサリーに似てるんですよね。


これって絶対に偶然じゃないと思う……。

私は、ランド博士はゆがんだ愛情を持っているのだと思う。
娘への愛情はある。ただそれは「自分の思い通りの娘が欲しい」という事なのだろう。
今回、ランド博士は娘サリーと会話をした。そこでサリーには独自の価値観があって自分とは相容れないものと分かった。
だから不要と言い切ったのだと思う。

思えば、ゾイドに対する態度と同じ感じがするなぁ……。
「最強ゾイドを作りたい。ゾイドはそうあるべきだ」というのは彼の思いであってゾイドとの対話の結果ではない。
ランド博士が求める姿に過ぎない。
バイザーつけてゾイドの意思を奪った上で「ゾイドは強さを求めるものだ」なんて何を言ってるんだという。
分かりやすく言うと毒親のそれに近い思想にあるように感じます。


~メルビル少尉~


オメガレックスに乗るのが彼女だったとは…………。
大丈夫なんでしょうか。なんていうか、こう、悲劇的な未来しか見えないんですが…………。
どうにか助かって欲しいですねぇ……………。

今回、彼女はその境遇が見えてきました。
身寄りのなかった所をランド博士に引き取られ育てられた。
なるほど現在のランド博士に付き従っている理由はそこか……。
(メルビル視点の外伝を作って欲しい!!!)

そりゃぁそんな経験を経たら、慕い、恩返しをしたいと思うようになるのは当然です。
ヘリック大統領に助けられたローザ・ラウリだって後に親衛隊に入隊し妻になったし……。

メルビル少尉ってギレルから顔を知られている程度には技量が良い(ギレルは腕の立つライダーを覚えている)。
一方で19話 「孤島の争奪戦!」を見るとけっこうドジっ子というか、レオに簡単に出し抜かれてるシーンもある。

思うに、本来の彼女は年齢相応の少女なのでしょう。軍人ではなく。
ただし恩人であるランド博士に報いるべく必至の努力で、ギレルに覚えられるほどの技量を身につけたのだと思います。

彼女の事情は複雑で、それは「悪いランド博士を倒して開放してあげたよ。これから自由に幸せに生きてね」ではダメなところです。
それは客観的な解決であって彼女の主観での幸せじゃない。
現在、彼女の目標・幸せはランド博士の為に身をささげることだからなぁ。
それは世間的な善悪ではなくて自分を救ってくれた恩人に報いるという事なのだ。
これはこれで、正しい。

なんていうか、世の中って複雑で、多くの人が同時に幸せになるって難しいんだなぁ……と思う……。
ランド博士を指して私は毒親の思想と書きましたが、それが歪んでいるとしても、メルビルは救われたのは確かだし……。
もー、世の中って複雑だ。
問題がすんごい複雑だと思うんですが、全部解決してみんな幸せになるといいなぁ……。

複雑といえばメルビルはフィオナ皇帝と何か関係があるような描写もあって、うーん。
気になる。


~シーガル元准将~


ランド博士やメルビル少尉は思想や複雑な背景があるので感情移入しやすいんですが、シーガルはなんていうか、下衆の極み……。

ジェノスピノの件で帝国軍で上に行く夢は消えた。なので、現在は何ていうか「無敵の人」と化している感じがするな。危険すぎる。
現在でもプライドはあるし、野望も捨てられない。今でも准将気分で居やがる(※)
内心はランド博士のことも「利用している」としか思っていなさそう。そのうち(帝国と共和国を双方ぶっ潰した後)にランド博士をも裏切りそうである。

(※)
この点で言うとアルドリッジは潔かった。何故なら、彼は現在の自分はもはや佐官でない事をしっかり認識していた。
自分が罪人で、特権で徴用されたに過ぎない事を理解し、そしてまた任務達成後について大そうな野望を抱かず「自由になる」というちっぽけで等身大な願いしか持っていなかった。



ところで疑問なのはなぜランド博士がシーガルなんぞを徴用したかです。
アルドリッジは分かる。なんだかんだでジェノスピノを操れた。そのゾイドライダーとしての技量を買われたのでしょう。
実際、ファングタイガー改の操縦は見事でした。あのライジングライガーを追い詰めたんだぜ。

余談ですが、アルドリッジはどうなるのかな……。
ガトリングフォックスにやれれた後は不明。その安否が気がかりです。
共和国側に回収されていたらかなりヤバそうである。これは「彼が」ではなく帝国が。
何故なら彼はジェノスピノ事件の責任者の一人である。それにもかかわらず、共和国は彼を速やかに返還した。
そして帝国は恩を裏切るように前線に復帰させた。

共和国は、帝国が「裁判の上で懲罰に処す」と言ったからこそ返還したのだと思う。
そしてまた「懲罰に処された」という情報も伝わっていたようである(アイセルがそれを知っていた)。
それが前線に出てきた。
これは強烈な不信を生むでしょう。
共和国にしてみれば「帝国さんよ、なんか約束破って不審なことやってんなぁ?」てなもんでしょう。

帝国軍にとってアルドリッジの前線復帰は絶対に漏れてはいけない事だったはず。
ランド博士は彼をほいほい前線に投入し秘密を漏らしてしまった。
この点でもランド博士は「軍」とか「国」の事情はまるで考えていないことが分かる。

アルドリッジなー。
どうにかしてまた登場しないかなー。なんか、書けば書くほど彼には愛着がわきます。
愛すべきキャラな気がする。私だけでしょうか。
私は彼の調子に乗ってる時の「そんな攻撃が効くかぁぁ!」的な台詞がとても好きです。

彼にとって因縁のゾイド、ジェノスピノも再登場しないかな。
あれだけのゾイドだから、また登場して欲しいです。機体は保存されているから可能性は高いと思うのですが。

ジェノスピノが再登場するとすればどうなるでしょうか。
私は、ディアス中佐の上官「シェリー大佐」が近く登場すると予想しています。
しかし、彼女の愛機はソニックバードと予想しています。

「ジェノスピノが再び登場する・そして対オメガレックス戦に投入される」とすれば、これほど燃える展開はないよなぁ。
その時のライダーがアルドリッジになったりしないかなー。
「今度こそ懲りた。というかランド博士、てめぇは許さねぇ」
そんな風になったりしないだろうか。
怒りの感情で激しく努力し、ジェノスピノを見事に乗りこなすほどの技量・精神力を得た……。

ま、ないとは思いますがそんな展開にもちょっとだけ期待しています。


話を戻します。
シーガル……。
ランド博士はなんでこんな奴を特権で配下に置いたのかなー。
能力は何ら期待できる所はないと思うのですが。それどころか不要な問題ばかり起こしそう(今回も勝手に皇帝陛下に連絡しちゃってたし……)。

ただ、人員確保なのかな、とは思いました。
これはシーガルを配下に置きたかったのではなく、「施設の護衛や作業員などにある程度の人員が必須だった」という意味です。
施設の維持や管理には人の頭数が要る。
腐っても元准将。
帝国軍にはシーガル派の部下も居たと思う。息のかかった者も一定数は居たと思う。
好戦的な姿勢を評価し賛同する者。
おそらくランド博士はシーガルを配下に置く際に条件として「シーガル派の兵士を連れて来い」と言ったんじゃないかな。

ジェノスピノ事件以来、帝国軍の将校の間にはランド博士を厄介者扱いする空気が出てきた。
積極的に関わりたい人物ではない……。そんな空気があった。もはやそうした者を配下に置くのは難しい。
それゆえランド博士はシーガルを使った。使わざるを得なかった。

シーガルを徴用し、そして彼の息のかかった連中を確保した。
ラプス島にはそこそこの人員(一般兵)が居て防衛をしていますが、彼らはそういう立場の者なのかなーと思いました。


そんなわけで24話の追加話題でした。
背景をいろいろ考えました。
なんかもう、煮詰まったような人間関係にむせ返る。
これをどう料理し仕上げてくれるかに期待しています。
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コメント

非公開コメント

No title

きっとアルドリッジさんは仮面をつけて飛行ゾイドに乗って翼の男爵を名乗ります。

No title

ふと思ったのですが。
ランド博士はボーマン博士とは対立する。彼の娘であり妻であるクリスタにも反発された上でサリーを連れて自分の元を離れてしまう。

……そうしたこともあって、彼は自分の道を狂気的に邁進せざるを得なくなったという側面もあるのではないかなーと思っています。
自分の信じた道を進んだ結果親しい人にも理解されずに逃げ道の選択肢も失われてしまった。そんな哀愁を感じます。
仮に彼にそれを指摘したとしても意地か無意識か信念かのいずれかで否定するでしょうが。
「だが後悔はない」と過去に語っていますが、それは結果論としてなのかも知れません……。

サリーは正体の分からぬランド博士に「物事の一面だけを見てはならぬとボーマン博士は言った」と反発しました。
でも、ランド博士の言葉を反発によって否定したサリーに、その言葉を語る道理が今はあるのでしょうか?
本当に物事の一面を見てはならないという事を理解しているのなら、即座には反発してはいけなかったはず。
反発するという事は、片方に加担するという意味なのですから。
ボーマン博士の意図はそこではないと思うのです。
彼女はこれから、どんな答えをつかみ取るでしょうか。
懐いている祖父の言葉を鵜呑みにしたまま邁進するのか、それとも。

No title

なるほど。たしかにあの手のマッドサイエンティストに無制限に権限与えると…ではありますが、あるいはリスクがあったにしろという線もあるかなと。共和国潰してくれればいいだろというより可能性に賭ける的な。

帝国、まず共和国に先越されて数的不利で焦ってた面はありそうと。
数の差があるからこそ技術で食らいつきたいとした結果危険性があろうとも異様な好待遇で迎えたという線もありそうというか。

例えば第2次大戦前の日本が個艦高性能主義に走ったのも他の列強との数的不利を埋めるためですし。
その平賀譲氏にしてもたしかその強硬に反対してたので飛ばしてる間にというのはたしか古鷹型か青葉型の主砲を連装にする改装でしたっけ、あれも実際船体のの余裕的に厳しかったのでという根拠はあったそうですがそれでも火力の増強を優先としたものですし、
ジェーン海軍年鑑は夕張でしたか、3500トン級に5500トン級の武装を詰め込んだというもので、重武装の代わりに拡張性を齎す設計余裕はほぼ無かったとか。
他にも個艦高性能追い求めた結果重武装やりすぎて友鶴事件やら初期の初春型やら(その前級の特3型で既に怪しい部分は出ていたとか…)
条約との関係が大きいですが龍驤の独特なシルエットの原因とかこの辺あれこれありますしね。

No title

>No Nameさん
それは燃える一方でちょっと笑ってしまいそうw

>やまさん
私は妻やボーマン博士が娘を連れて出て行ったことについては自業自得としかいえないと思います。
分かり合うことはとても大事で、離反するのはとても残念なことです。
ですが片方が対話を拒否し「自身の意見を押し通す事」しかしないなら、もはやそうなるしかないと思います。幼い子供が居るならなおさら。
そしてそれをしたのがランド博士だと思います。

もし「あいつらが私を理解しなかったから悪いんだ」という考えをしているなら、それは自分の未熟さへの言い訳に過ぎないと私は思います。
その上でなお分かり合う対話への道を模索するならそれは素晴らしい聖人だと思いますが、そこまで聖人である必要はないと思うし推奨されたくないなあと言うのが私の感じるところですねー。

今後分かり合う可能性があるとすれば私はランド博士が自分がやらかしたことを自覚し猛省するしかないと思うのです。

>kaiさん
「共和国潰してくれればいいだろというより可能性に賭ける的な」
と言う部分はそうでしょうね。
なにせ二国しかないから相手が潰れた=天下。
勝てば官軍ですからねー。

戦争をしていると、買ってる方は「量産」で安定して勝とうとします。
逆に負けそうな方は一発逆転のスーパー兵器に賭ける傾向が出ます。
ジェノスピノやオメガレックスの復元を目指す背景はそこなのかもしれませんね。

本文で書いた平賀譲氏の軍部の方針を無視するものは重巡洋艦の妙高型ですね。
これに魚雷を積めと言う軍部に対して平賀氏は嫌だ!!!!として決して譲らなかった。
なので妙高は
1、いったん平賀設計で完成し
2、そこから平賀氏を海外に視察に行かせ
3、留守の間に魚雷を積む
という非常に面倒くさい回想をしました。

余談ですが実戦では重巡洋艦搭載の魚雷はあまり役に立たず、平賀氏の考えが正しかった事が結果論的に言えます。
軍部の方針に反対する。反対するだけならまだしも独断を押し通したという事の是非はともかく、天才性と厄介さをよく示す例だと思います。

夕張は拡張性のなさはよくつっこまれますがあれは当たり前です。
分かりやすくいうと通常の5500tクラスの軽巡洋艦はデスクトップPCです。
夕張はポケットPCとかスティックPCなので、拡張性のなさは欠点ではなく当然です。右利きの人に左手は不器用だねと言うようなものです。
ただ私は夕張は拡張性は弱点ではないのだけど、航続距離は大欠点だとは思います。
軽巡洋艦のくせに駆逐艦を下回る航続距離しかないのはいただけない。
ただし、それを加味しても革新的な艦であり後に与えた影響の大きさも込みで言うと傑作だと思います。

友鶴事件は藤本喜久雄氏設計の艦で、龍驤は松本喜太郎氏ですね。
平賀氏も全ての艦を設計しているわけではありません。開発者を見ると蛍光が見えてきて面白いですよ。
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